おめでたい人たち

「人の優先順位を勝手に決めるな」
なんてイライラすることがあるんですけどわかって頂けますか？

例えばAさんとBさんが一緒にでかける予定を立てていたとして、Aさんがその予定を眠れなくなるほど楽しみにしていたとしても、Bさんとしてはそこまで重要と思っていなくて、いうなれば消化試合のような存在感だ、なんてこともあるかもしれないですよね。AさんとBさんは違う人間なんだから当たり前ですよね。
ここでAさんが、「Bさんも自分と同じようにこの予定を楽しみにしているはず」と信じていて、それを実際口に出すとか、もっと差し障る場合は「Bさんなんでそんなどうでもいいと思ってるの？おかしい」みたいなことになってくるとこじれる気がするんですよ。

〇〇を最優先しないなんておかしい、君の生活において〇〇の占めるウェイトは80％くらいであるはずだ、というどこから湧いたのかよくわからない謎の前提が、話し相手の文脈からにじみ出ているとカチンとくる。もちろんそれが見当違いだった場合の話。むしろそうはっきり尋ねてくれた方が明確に否定できる分まだいいくらい…

AさんとBさんのたとえ話に戻ると、たとえBさんの言動から「この予定はBさんにとって重要度があまり高くない」ということをAさんが察しても、「なんで？」とか言わずに、まあ、私にとっては重要だけどBさんはそうでもないんだな。そういうこともあるか。と、妙な思い込みを起こさずにいられれば問題はないんだと思うんです。Bさんもしかり（Aさんに「この予定のどこがそんな重要なんだよ」とか余計なことを言わないということ）

でも最近思うのは、「私は楽しみだけど相手がどう考えてるかはわからないし一緒である必要もない」という正論よりも、「きっと相手も私と同じくらい楽しみにしてくれているはず」と信じ込んでいる方が幸せなんだろうなということです。そういうおめでたい人羨ましい。押し付けてくる迷惑な人は嫌だけど、自分がそうなってしまえば嫌もなにもないだろうからな。嫌だけど…

そして気づきがあったんですが、このおめでたい人って「何かあったとき衝動的に友達に電話かけちゃう人」なんじゃないか。
相手が今何してそうとかごちゃごちゃ考えずにいきなりかけてワーッと喋る。それは、「今電話していい？」「何時ごろならいい？」とかやってると鮮度が落ちてもう何か別のものになるので、おめでたい人にしかできない。えー。おめでたい人みたいなことやってみたかった。多分この先できるようになる日はこないでしょうけど。

おめでたい人いいね。
だっておめでたいんだし。
おめでたい人なりにも色々考えてんだよということだったらすみません。

お目出たき人 (新潮文庫)

嫌いじゃない。
嫌だけど。