祈り
何かに呼ばれるようにこの地にたどり着いた。知らない所なのに不思議と懐かしいところ…
あれはいつの頃だったか… 遠くに聴こえる微かな呼び声…
深い響きを湛えたその声は、遠く近くに私のなかにこだましていた。それは決して耳では聞くことのできないヴァイブレーションとでも呼ぶべきもの。この石に対面したとき、言葉にならない思いで満たされていた。
「 故しらぬくびきの身とて誰や知る さだめなき世のこの波の音を 」
「 風にきく幾年月の波の音に 言の葉ひとつ祈りてぞゆく 」
第13回 モナコ・日本芸術祭 2019 参加作品
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