この世の一歩手前で
「どうして死んだの?」
「ええと……何だったっけ」
「覚えてない?」
「どうやって死んだかは覚えてるよ。ビルの屋上からさ、こう……」
「そこの詳細はいいよ、知ってるから。なかなか酷かったよ、ぐちゃぐちゃでね」
「そこの詳細はいいよ、聞きたくない」
「それで、どうして?」
「さあ……どうしてだろう、何だか起伏のない毎日だった気はするけど」
「起伏?」
「興味を持てず、興味を持たれず。非常に虚しい日々だったんだ。生きてるっていうか、生かされてるっていうか」
「要領を得ないね」
「