爆笑問題カーボーイのオープニングで大学時代の話になったら必ず当たり回
以前、こんなツイートをしたことがあります。
爆笑問題カーボーイを聴いているリスナーであれば、説明などしなくても伝わるでしょうが、カーボーイでは年に数回ほど、大学時代の話になることがあります。
放送中、普段の太田さんは、くだらないボケを都度挟み込んだり、世の中に対してメッセージを言ったり、田中さんに対して容赦のないイジり方をすることが多く、
普段の田中さんは、太田さんのボケやネタの内容にツッコんだり、賭け麻雀疑惑を否定したり、ネタで笑い過ぎて宛先が読めなくなったりすることがよくあります。
しかし、太田さんが一切ボケを挟まず、田中さんがツッコむこともなく、30年以上も前の思い出を昨日の出来事のように2人揃って活き活きと話すのが、大学時代の話なのです。
決して頻度は高くないものの、大学時代の話が始まった瞬間は、リスナーとして心躍るものがあります。
それは、爆笑問題が語る大学時代の話は絶対に楽しいからなのです。
太田さんと田中さんが出会ったのは、1984年の日本大学藝術学部でした。
大学受験の際、太田さんが試験官に向かってヤジを飛ばしまくっていたのを見ていた田中さんは、
「コイツは絶対に落ちるだろうな」
と思っていたため、初日の教室で太田さんの姿を見た瞬間、
「君、受かったの!?」
と声をかけたところから始まりました。
これ以降、太田さんと田中さんは日藝のキャンパスで様々な出来事を共に過ごすことになります。
初日の自己紹介で、
「俺のことはウーチャカって呼んでくれ!」
と、自分からあだ名を言いだした田中さんに、
「小僧」
というあだ名をつけた太田さん。
田中さんがオナニーをしたことがないと頑なに主張した際、太田さんをはじめとする友人たちが寄ってたかって、
「キョンキョン(田中さんが大好きなアイドル・小泉今日子)だってオナニーくらいしている」
と茶化したところ、
「ウーチャカとキョンキョンはテトロポリキョン星人だからオナニーなんかしないのっ!!」
と田中さんがキレて殴りかかったこと。
大学時代の友人で、後に所属事務所タイタンのマネージャーとなる小野寺嗣夫さんが、ある日『P』のマークが入った帽子をかぶってきたため、
「ツギP」
というあだ名がついたものの、嗣夫さんの手癖が悪く、すぐ人のものを泥棒してしまうことから、
「泥P」
というあだ名に変わったこと。
太田さんの初体験の相手となった同じ日藝の学生から、事が終わった後
「私は堕天使…どんどんどんどん堕ちていくの…」
と言われたこと。
太田さんと田中さんの二人で江ノ電に乗りながら、二人が大好きなサザンオールスターズの曲を、ウォークマンでイヤホンを片耳ずつシェアして聴いたこと。
などなど、枚挙に暇がない思い出の数々がくっきりとした輪郭のまま語られるトークは、面白くてエモーショナルな内容ばかりでした。
その中で特筆したいのは、2020年2月5日のオープニングで披露された、日藝の運動会にまつわる思い出でした。
当時、漫才ブームから台頭したビートたけしさんに影響を受けていた太田さんは、応援団としてしゃしゃり出てくるOBへの反発も相まって、演劇とは無関係の運動会にやたら熱くなる学生たちを徹頭徹尾バカにしていました。
一方、田中さんは太田さんと同様にたけしさんの影響を受けていたものの、いざ運動会になると学ラン姿にポマードをつけた髪型で応援団を務め上げ、最終競技のリレーで2人抜きしてチームの優勝に貢献したことから、大会のMVPに選出されます。
その田中さんの活躍ぶりに、すっかり熱くなった周囲の学生たちが号泣しながら田中さんを胴上げしたというのですが、そこでこんなやりとりが交わされていました。
太田「泣いてましたからね!バカな女が。『ウーチャカが~』って。」
田中「いや、サブも泣いてたらしい。男だよ男。」
太田「泣いてた!サブ、男泣き!『ウーチャカぁ~!!』」
このやり取りを聞いた瞬間、一気にフラッシュバックした記憶がありました。
というのは、十数年前のカーボーイで全く同じやり取りをしているからなのです。
ただ、具体的な放送日がわからないため、この回だと明示できないのがなんとももどかしいところです。
なぜ明確に思い出したのかというと、CDの歌詞の一部分と、田中さんが番組内の発言を組み合わせて作品にする人気コーナー『CD田中』でこんな作品があったからです。
北島三郎『やん衆酒場』
♪ 酒がにがいと 泣く女
田中「違う、女じゃねえよ、サブだよ、バカだよ、男だよ、サブ。」
歌詞との組み合わせに加え、号泣した友人のあだ名が偶然にも「サブ」だったことから、北島三郎さんにもかかる作品になっていて、大笑いしたことをハッキリと覚えていたのです。
そして、こんな発言をしていたということは、間違いなく前述の運動会の話をしていたからに他なりません。
さらに、この発言から導き出されるのは、運動会の出来事に対する爆笑問題の関係性が一切変わっていないことがわかるのです。
運動会で活躍した田中さんのもとに号泣した学生たちが集まった記憶についての思い出し方として、
太田さんは必ず
「女がみんな泣いていた」
と言及します。
それを聞いた田中さんは必ず
「いや、サブも泣いていた。」
と、男ながら号泣していたサブという友人の名前を挙げるのです。
すると、太田さんは田中さんの発言に同調します。
おそらく、田中さんから言われた瞬間に泣いているサブの姿を思い出すのでしょう。
すでに芸歴32年の大ベテランであり、関東を代表するお笑い芸人としてメディアで活躍しながら定期的に漫才を作り続ける爆笑問題。
そんな2人の関係性が、大学の当時から今日に至るまで全く変わっていないことを確認できるのが、大学時代のトークなのです。
いつ転がるかわからないものの、転がった時は是非聴いてください。
仲のいい2人だけに伝わるフレーズが満載のトークは、2人のテンションも相まって、聴いているこちらも楽しくなるものですから。
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