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幸せだと創造性は3倍、生産性は31%↑、売上37%↑

幸せだと個人としては嬉しい、楽しい。しかし、企業で「働き方を改革」しWellbeingや健康経営をしてみた結果、良い結果が得られるのか?はどうなのか?リサーチしてみた。

背景

「働き方改革」という言葉があちこちで使われるようになったが、実際に職場で何か改善されているという実感が持てない。

アメリカの研究では、「幸福度の高い従業員の創造性は3倍、生産性は31%、売上げは37%高い」というデータもあり、世界で「幸福度」は科学的に分析され、ビジネスに取り入れられている。

それを考えればこれからの時代、トップダウン式の組織は生き残れず、リーダーは調和型で、可能な限り部下に権限譲渡し、働き方は個人の裁量に任せるような仕組みにしなければ業績は上がらない。

日本企業は「社員の幸せ」について、何を取り違え、何に躓いているのか。
また、社員が幸せになるとどう成果や業績に変化が現れるのか?

健康が生産性に影響するのか?それとも幸せなのか?何が企業の成長のキードライバーなのだろうか?これは解き明かしたい課題だ。

企業は下記のようにいろいろな部署が対策をし試行錯誤している。

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「Well-Being」の意味は、「良好な状態」「良きあり方」。「心が良好な状態」であるのが「幸せ」で、「体が良好な状態」であると「健康」。「心と体の両方を良好な状態にする」がWell-Being。健康経営は、体の健康だけでなく、心の健康も含めて「Well-Being経営」をすべきだ。そういうふうに考えると、働き方改革ともつながってくる。

図示してみるとこんな感じだ。

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企業はマイナス面しか対策してこなかったが、これからは各個人のプラス面にも目を向けて対策を講じる必要がある。対策をするほどに企業の生産性は上がり業績が向上することがわかったと言うのは幸福学の影響度の大きいところである。
それが本来健康経営で目指しているところである。

日米比較:健康・幸福への投資が増加中


国内でも欧米と比較し健康やウェルビーイングに関心が高まっている。

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・従業員の身体的な健康だけでなく、精神的な充実を含めたウェルビーイング(幸福)の維持・向上のための取り組みが、世界的に注目されている。

・図1b、米国で3年以内に従業員の健康と幸福投資増額予定と答えた企業は、3年で(38→81%)と2倍以上に。

・CHO(チーフ・ハピネス・オフィサー)という従業員の幸福を維持・向上させるという目的に特化した役職を取り入れる企業が世界的に増加

・日本でもCHOの役職導企業が出始め、従業員の精神的な幸福の維持・向上のための投資への注目は、さらに高まりを見せる

OECD比較:幸福度と1時間あたりの労働生産性の関係

OECD加盟国の1人当たりGDP(左)と、労働生産性(右)

・労働生産性=GDP/就業者数(または就業者数×労働時間)
・GDPは購買力平価(PPP)によりドル換算

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赤点にあたるのが日本で、日本はOECD諸国の中では、幸福度も生産性も低い位置にあることが確認できる。以下原文

なぜ、労働生産性が低いのか?

「幸福学の父」とも称される米イリノイ大学心理学部名誉教授、エド・ディーナーらの論文によると、主観的幸福度の高い人はそうでない人に比べて創造性は3倍、生産性は31%、売り上げは37%高い傾向にあります。また幸福度の高い人は職場において良好な人間関係を構築しており、転職率・離職率・欠勤率はいずれも低いという研究データもあります。
さらに、米カリフォルニア大学のソニア・リュボミアスキー教授も、「幸せな社員は、不幸せな社員より生産性が1.3倍高い」という調査結果を出しています。国内でも、日立製作所の矢野和男さんの研究をはじめ、幸せであることは生産性を30%ほど増やすという調査結果が続々と発表されています。
矢野氏:ビジネスに活かせるデータとして何がいいのだろう…と考えたときに、当初は「チームの業績を客観的に示す利益・売上」を基準にしようとしましたが、断念しました。これらは社会的な状況・時代背景にとても左右されますし、短期的に上がれば良いとか、下がればダメというのは一概には言えません。
そこで見つけたのが「ハピネス」でした。根本的な人間の良い状態・悪い状態を表す指標とは、「幸せ」なんじゃないかと思ったわけです。それから私は、幸せになれる12個の行動習慣を書いた本『幸せがずっと続く12の行動習慣』を執筆したカルフォルニア大学のソニア・リュボミルスキ先生と、「フロー」を長年研究している心理学者のチクセント・ミハイ先生に会いにアメリカへ行きました。人の幸せについて最先端の研究をしているお2人とは、ハピネスに関係する共同実験も行いました。

数値に関しての深い示唆はこちら。

日立のハピネスプラネット検証により「心の資本」が3週間で約33%*1向上しています。この「心の資本」の向上を営業利益の増減に換算すると、10%の営業利益向上に相当します。

心の資本とは何か?は以下に詳しい。

幸せには大きく分けて3つの要因があり、

①ひとつは遺伝的な要因や幼児体験などの影響で、大人になってからはなかなか変えられない、「固い」部分
②2つ目は環境的要因。置かれた環境から与えられ、ボーナス、、宝くじ、SNSで「いいね」が沢山などの時に感じる幸せ。その瞬間は嬉しいが、直ぐに元のハピネスレベルに戻る。こちらは「柔らかい」、持続的ではない幸福。実は環境から与えられる幸せは非常に脆いもの。
③3つ目は「持続的な幸せ」。持続的な幸せを手に入れるには「周りの人を幸せにする行動習慣を身につけること」。例えば「落とし物を拾ってあげる」「ユーモアで相手を和ませる」など、ちょっとした心がけで行える「利他的な行動」が「自身の幸せ」を得る最も有効な手段である

幸せな気持ちはチャレンジする精神的原資

「今の私はハッピーです」と答えた人は、「大変で、面倒くさくても、大事なこと、やるべきこと」に時間を使っていたのです。つまり、幸福度が高い人は自分を変革するような、チャレンジングな行動をとるようになるのです。人が積極的に挑戦するには、「精神的な原資」が必要であり、その源になるのがハピネスなのです。組織運営において非常に重要な指標になると考えられます。

財務のBSやPLに乗ってこない、ハピネスな状況が、チャレンジ精神になり、これが組織を分解した個人において非常に重要な原資になりそうだ。

しかし、ハッピーでも健康が疎かだったら元も子もないのではないか?

健康とハピネスに関係しそうなことを深堀してみよう。

健康なら幸せなのか?

健康なら幸せかというとそうでもない。下記のマトリクスの通り、健康でも不幸せや、病気でも幸せがある。

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往々にしてどちらかが満たされていない人が、ボリュームゾーンだろう。伴い、心身共に健康であるのが一番だ。

しかし、心身共に健康なだけで、は幸せになれないのが人生の難しい所。ここに、Wellbeingの可視化ができる「Wellbeing circle」サイトがある。

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上記のように、自分のWellbeing(幸福の状況)の、可視化が可能だ。これを、以下3つに大別してみる。

1つ目:①②③④:お金+家族+健康+職場
2つ目:解釈+思考法+性格
3つ目:マインドセット(自分+他人)

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つまり、これらが揃うと幸せなのだ。細かく分類すると、Wellbeing Circleの其々の項目ということになろう。

Wellbeing(幸せ)になるは「順序」がある

上記のことから、

1:人間の基礎である①~④の(お金+職場+家族+身体健康状態)をまずは整える。

2:①~④整備しつつ、思考法+解釈+性格を磨き、

3:幸福に臨むための4つ(やってみよう・なんとかなる・ありのまま・ありがとう因子)

で心身共に整ったWellbeingな状態(マトリクスの右上)に成る。

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とにもかくにも、先に解決・達成すべきは、①~④の基礎。

その後に、思考法や解釈、マインドセットを整えて幸せに近づいていくイメージだ。

幸福になるには、感動できる心も必要です。

まとめ

経済的、身体的、社会的に健康な状態を維持して、良い習慣や解釈、思考法で日々を運用し、ハッピーと感じるマインドセットで生きること。

これが大事で企業の組織でも生産性を上げる要因となることが分かった。この状態で幸せだと創造性は3倍、生産性は31%、売り上げは37%高い。つまり、企業の成績も良い。

企業が良いから個人もより好循環になるハッピーなポジティブフィードバックとなり個人がより挑戦的になり、企業がさらに発展していく。

これぞ、ハピネス(精神的原資)の力だ。

「幸福学」の日本の第一人者・前野隆司慶大大学院教授が、取材を重ねて得たデータを公開、ヤフー、ユニリーバほか、「幸福学」をベースにした職場の変革で業績アップした実例を現場の声と共に紹介する。職場の改革レッスンも掲載しているので、今日からすぐ実践できる。


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