すきのりゆう

「好きな星はなんですか?」って聞かれると、困りはしないんだけど、相手の望む回答は持っていなくて。

星にはそれぞれ個性がある。ストーリーもある。
見た目の明るさ、色、化学的性質、質量、発見にまつわるエピソード、他の国での呼ばれ方、名前の持つ意味、自分とその星との思い出。
「お気に入りの星」があっても不思議ではないし、星に興味を持ち始めたら当然とも言える。僕が案内した星をすきになってくれたらこんなに幸せなことはない。

ただ僕は星空のどこもなんとなくすきで、選べないんです。バームクーヘンはどこを食べても美味しいではないですか。わかりますかオールドファッションドーナツでもいいです。

星空ってだけですきなんですよ。
そんで、すきな理由をもうあんまりうまく説明できないんです。

それぞれの星や星座を好きな理由、カードに書いたらきっとたくさんテーブルに並べられると思う。
それぞれに思い出もあるよ。
楽しい思い出も寂しい思い出も。
まったく思い出ないやつもあるけど。星の数ほどの思い出を作れたら素敵だね。話がそれる。

もし何かの風が吹いて、テーブルの上のカードが全部なくなっちゃっても、きっとすきなんだと思う。

そういうものなんじゃないの、すきって。

そう思えるものは、大事にしたらいいんじゃないの。
理由があるものは強いけれど、理由がないものも強い。理由がなくなったものは、もう雨にも風にも負けないよ。

そういうものなんじゃないの。消せないけどね。


オムライスの美味しさの秘密は、オムライスを好きだから、みたいな話。

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