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だってオタクだもの

先に言うと、これは単なる惚気である。カバーを見たらわかると思うが、彼氏の話である。

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半年ほど前のこと。

私は今日も元気に寝込んでいた。鬱病ここに極まれり、と言うような感じ。だから明日の予定は未定で、遊びに誘われても行けるかどうかわからん、と言うような曖昧な返事しか出来ないでいた。

それでも私の友人は優しく、体調が良ければ遊びに行こうと言ってくれる人が多かった。こればかりは本当に周りの人々の優しさに心の底から感謝をした。

私はそれに甘えきっていた。だから明日の予定は未定なのだ。気が向いたら遊びに行く、行けそうなら遊びに行く、そのような事を繰り返し生きていた。ドタキャンも多かったと思う。だがそれでも許されていた。みんな優しい。

10月の3連休、私は野外フェスに行く予定だった。そして、同じ時に某オタクイベントが開催される予定だった。だが、台風19号により全ての予定は延期、又は中止となった。フェスは中止になった。オタクイベントは2週間後に延期になった。

元々、10月の末は友人とパチスロを打ちに行く予定であけており、その日私は割と体調がよくパチスロを終日打つ事にした。リゼロの設定4だったのに負けた。ちくしょう。

私はボロ負けしたが、友人もボロ負けした。気を取り直して友人は、明日のオタクイベントに行かないかと提案してきた。私は割と体調が良かった為快諾した。

次の日、会場へ着いて、ダラダラとしながら催し物を見たり、拠点を作って来た友人とだべったり、コスプレイヤーの写真を撮ったりなどしていた。オタクイベントに行く時は大体このようなルーティンである。コミケの場合は初手に買い物が入るが。

さてはてしかし、私は人見知りの為好きな作品のキャラクターが歩いていたところでなかなか声をかけられないのだ。当時私にはとてもハマっているキャラがおり、それはもうグッズ無限回収の為部屋の一角が気持ちの悪いオタクゾーンと化してしまうほど、そのキャラに入れ込んでいた。私達はコスプレエリアの一角に陣取り、のんびり会話を楽しむなどしていたのだが、どうにも視界にチラチラと私の好きなキャラのコスプレをした男性が通り過ぎる。それほど大人気な作品のキャラでないためにとても感動したのだ。

先に言っておくと、私はコスプレイヤーの男性が苦手である。理由は、偏見だがゴミクズ率がバンドマン並みに高い為である。元彼はバンドマンでコスプレイヤーだから役満である。

それに加えて私自身は男性に対して失望しており、もうどうせ裏切られるなら見た目の良い奴がいいという完全に捻じ曲がった感性を極めており、この頃は某動物掲示板で釣ったバンドマンにエサをやるなど、よくない遊びもちょこちょこしていた頃だった。

またイベントで一人でふらつく男性コスプレイヤーは大体地雷なのであんまり声を掛けたくなかった。

そんなこんなもあって、三回ほど通り過ぎるのを見送って、でも好きなキャラでこれだけクオリティが高いのだから写真ぐらいは、と思い、思い切って声をかけて写真を撮らせてもらう事にした。

私はイベントの速報の写真は綺麗さより速度を重視している為、その日の帰りまでには全ての写真を被写体の方々に送付していた。

好きなキャラで綺麗な人をレタッチするのは楽しい反面ドキドキしたのを覚えている。

大体は撮らせていただきありがとうございましたというような内容で、終わり。

今回も撮らせてもらった方々全員、それで終わる予定だった。

その、DΜでの出来事。私はいつも通り写真を送り、テンプレ通りの文章を送り、終わったのだけど、その、例の好きなキャラのコスプレをした男性から雑談を交えた返信が来た。マイナーな作品であった為、わかってくれる人がいて嬉しいとかそんなような内容。もうわかってると思うけどこの人が現在の彼氏だ。

私は興味のある人に対しての返信はすごく長くなる。大体1000〜2000文字の返信をする。彼氏もそれと同じぐらいの返信をする人間だった。日に一度、そんな長文のやりとりをしていた。話す内容は好きなキャラとか、ゲームとか、アニメとか、ラノベとか、そんなようなお話。だってオタクだからね。驚いたのはどの年代どんなアニメやゲームの話を振っても大概返信が返ってくることだった。後からわかるけどオタク度合で言えば私よりだいぶ重症だった。

そうこう過ごすうちに2週間後に別のイベントに参加すると言う話を聞いた。私はさてどうしようかと思ったけどあの日見た人間が本当にカッコよかったのかどうかというのをわざわざ3時間掛けて赴き確かめに行く事にした。元々地方のイベントには興味があった為、行動は早かった。決めたのは朝の四時の話である。

痛Tを着た、ガッツリオタクカメコスタイルでイベントに赴き、カメラマンの登録手続きをする。

会場で可愛い人やかっこいい人を物色しながら撮影させていただく。そう、なんせ私はバンギャルという生き物でもあるから、多少なりとルッキズムに支配された思考を持っている。元彼も別に不細工ではないし昔はどちらかと言えばカッコよかった。V系バンドマンみたいで。最終20キロ増えてゴリラみたいになっちゃったけど。だからどうしても見た目が良い人、というものに男女問わず惹かれてしまうのは否めなかった。でも何故かバンド界隈とレイヤー界隈は男の場合イケメンまで行かずとも、人並み程度に少し見た目が良いだけでちやほやされ過ぎて結論ゴミ化していく、元彼がその典型例だった。だから好きだけど好きじゃない、という捻くれた感性を持っていた。

さて、一方彼氏=推しとDMでちょこちょこやりとりをしていたところ、お昼過ぎに推しは会場に着いたという。現地で友人と合流していたため、友人が別の友人に会いに行くのを見計らって撮影させてもらう事にした。

2回目まして俺、やっぱ見た目ええやんけー!!とテンション上がる。いやまぁ顔見えてなかったけど彼氏ね182cmあるからさスタイルがねすごくいいんだわ。シャッターを切る手がサクサク動く。我ながら推しを見つけたオタクのよう。いや実際この時から推しという事にしていた。

それでなんとなくTwitterの文言と写真で予想はしてたのだけど、やはりというかなんというか、推しは夜職の人間だった。そうカミングアウトされても、あー、やっぱりなー!いるいるそういうやつ。バンドマンでもコスイベで集客してるやついるし、ホストにもいるよなー!あーハイハイwwっていうような感想だった。それで、まあ当然といえば当然なんだろうか、お金かからないから初回来ないかと誘われた。私はこの頃ホスト初回もガンガン行くしバンドマン釣ってエサやるしなかなか爛れていたので、当然ながらOKした。仮にも私が実際見て見た目が好きって思った人間だしオタクなのは間違いないから、話も合うなら万々歳だと思った。今のところ初回行って担当にしたいと思えるホストには出会ってなかったのもある。

かくして、私はLINEを交換する事になり、なんか知らんけど同伴することになり(この費用は今思えば彼氏が出したんかな?)1時間ほどスタバでだべって宿に荷物を置いてから店に向かう事にした。余談だけどこの日の宿はとても気に入ってるのだがカプホの為もう使う事がないのかもと思ったり。

そして痛Tを着た銀髪のオタク、地方ホスト初回へ行くことになったのだった。

ここまでしかかかないと完全に営業かけられて落ちてるじゃんこいつとしか思われないので言っておくのですが、彼氏はもうホストあがりました。私は自分の意思で行くと決めたイベント一回以外はお金も使ってないので大丈夫です。

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次回、初回来店から初デートあたりぐらいからかきます。付き合うところぐらいまでかけたらいいな?



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