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ツクヨミの住人 #13


 
私たちは、喫茶もちづきの駐車場で別れた。店を出る前に、空司さんに挨拶をしたら、ツクヨミの町内マップをもらった。


「また明日お待ちしてます。おやすみなさい」

なんて言われたら、すっかり仲良しの気分になって、私は思わず空司さんに会釈しつつ、手を振ってしまった。空司さんもニコニコ笑いながらすぐに手を振り返してくれた。私はなんだか急に恥ずかしくなってしまった。その様子を見ていたからなのか、車に乗ってすぐ、川路さんは私に話しかけてきた。


「おもしろい人だよね、空司くんは」


後部座席でぼうっとしていた私は、ルームミラー越しに川路さんがこちらを見ていることに気づいて、すぐに「はい」と言って頷いた。

川路さんはいつの間にかサングラスをかけていた。藍染の作務衣にスポーティーなサングラスが妙に様になっているのが可笑しくて、川路さんがいろいろと話しかけてくれているのに、私はほとんどルームミラーを見ることができなかった。川路さんの宿までは、喫茶もちづきから15分ほどかかるらしい。

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1,670字
この世界に生きている人々、ひとりひとりの暮らしはきっとこの作品のように不思議なことや、面白おかしいことだらけなのかもしれません。

ツクヨミの住人

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【2022.1.31に定期購読マガジンを終了します】 この作品は、ぼくが暮らす信州佐久のちいさな町に実在する人々や出来事を描いた作品で、ツ…

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