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おはなし会でおはなししたこと(人と龍 編)


「青の約束」



星の坊主さまのおはなし会『星から聴いた物語』
"人と龍"についてのおはなし会は「青の約束」という作品を紐解く会として行いました。

「青の約束」は、染め物などに使われる植物の藍をテーマに物語をつくろうと書き始めたものです。自宅の庭で旺盛に繁る藍を見て、藍の香りを嗅いで、藍の葉の酸味のある味を楽しむと、藍の持つ固有の周波数に少しずつ同調することができます。

ぼくはそうやって五感や、それ以外の感覚を使って、植物や動物、そして星々の声を聴いています。そうすれば、万物のいかなる声も、同じように聴くことができるので、ぜひぜひみなさまも試してみてくださいね。

さてさて。
そうして、藍に意識の焦点を合わせていったのですが、どうしてだか、藍からの声はちっとも聴こえず、代わりに大きな龍のお顔がぼくの眼前にぬっと現れることが続きました。

あまりにも何度も続くものだから、

「いやいや、ぼくは龍とおはなししたいわけじゃなくて、藍の声が聴きたいの」

と何度か龍を追っ払おうとしたのですが(ひどいですね笑)、藍に意識が重なれば重なるほど、龍のヴィジョンはよりはっきりとしたものになってゆきました。仕方なくぼくは龍に訊ねました。

「あのさ、どうして藍じゃなくて龍のあなたが出てくるの?」

次の瞬間、ぼくをじっと見つめる龍の青い瞳の中にひゅるひゅると吸い込まれて、全身をめぐる血液が湧き立つような体感とともに、ものすごく鮮明で、見覚えのある光景がびゃーーーーーーーっとぼくの脳内を駆け巡りました。まるで、2時間以上の映画の全編を100倍速で見たようなスピード感でした。その映画の全編を、あらすじをつくるかのように抽出した作品が、冒頭でご紹介した「青の約束」です。

今からお伝えすることは、もはやぼくの中のファンタジーかもしれません。ぼくの全感覚で受けとった貴重で確かな情報ですから、ぼくの中ではまぎれもない真実です。ただ、それはあくまでもぼくの中での真実であって、みなさんにとっての真実とは限りません。龍のことが気になる方、ひとつのファンタジーを楽しまれたい方は、これからお伝えすることを決して鵜呑みにすることなく、「ふうん、そうなんだ」的に、このままお読みいただければ幸いです。



かつて、人と龍は共に暮らしていた



おそらく、1万年以上前の世界のことだと思います。
今では架空の存在、伝説の生き物と呼ばれているような龍は、ぼくたちが知っている犬や猫や馬などの動物と同じように、生命体としてに存在していた時があったようです。

個人的な見立てでは、縄文時代の草創期と呼ばれるあたりまで、龍は存在していたんじゃないかと考えています。面白いことに、その時代の世界で生きる人々の営みをどこからどのように眺めていても、必ず、そこに龍がいるのです。

ここでひとつぼくからみなさんへ提案させていただきます。

まず、ぼくたちは学校などで習ってきた縄文時代以前の世界(旧石器時代など)に対する先入観を捨て去る必要があるのかもしれません。ぼくが感じる世界の中で生きる縄文以前の人々は、高い精神性と高度で優れた技術をもとに、信じられないほどに豊かな生活を送っていました。

思い思いの場所に住処をかまえ、適度な距離感で暮らす彼らにとっての豊かさは、あちこちが都市化された現代の社会とはまったく異なるように思います。誰一人として不安や心配、苦悩を抱えているようには見えません。ていねいに、のんびりと、ほがらかに日々の営みを楽しんでいるように見えます。

そんな人々の暮らしに寄り添うように、龍はその高貴な佇まいとともに存在していたみたいです。人の集まるところには必ず龍がいて、何をしているのかなあと覗いてみると、よくよく見たら、龍のそばには青い石を持った女の子がいました。

ぼくは「青の約束」の中で、その女の子のことを「うつし子(うつしご)」と呼んでいます。どうやら、人と龍の橋渡し役を担う存在のようです。年齢は10代前半くらいのように見えます。青い石は、他の国々の様子をうかがうと、ほんとうにさまざまな石が使われているように感じますが、日本の場合だと、その独特の色合いから推測するに、翡翠(ヒスイ)を使っていたのかもしれません。

人々が龍に何かを訊ねる時は、うつし子がその青い石を通して龍と交信しているように見えます。ぼくの周波数センサーで読み解くと、おそらく青い石の周波数と龍の周波数がとても似通っているから、同調が起こりやすく、龍の周波数を言語化しやすいのでしょう。

龍も青い石をじっと見つめていて、そこに発生している響きを敏感に感じ取っているようです。龍とうつし子のやりとりは、おそらく、テレパシーに近いものなのかもしれませんね。そうやって、いにしえの人々は龍とコミュニケーションをとっていたようなのですが、龍に訊いていることのほとんどは、天候や地形のことなど、人々にとって理解がむずかしい自然のことについてでした。


「種をまきたいんだけど、雨が降るのはいつ?」

「東の山の向こう側に、大きな湖があるのはほんとう?」

「どこかに大きなクリの木はないかな?」


などなど、人々の暮らしにとって必要不可欠なことばかりです。龍はその都度それに答えて、必要なときは、人々を背に乗せて移動することもしばしばだったみたいです。
(ちなみに、ぼくがよく見る龍は、アニメ日本昔ばなしの曲の中で出てくるヘビのように長いうねうねとした龍です。人と接する時は、たいてい横たわっています)

この時代の人々は、地域によっては海を渡って交易することも多々あったようですが、海から離れた山々に暮らす人々は、龍に乗って移動をしていたケースがちょくちょくあったみたいです。

その様子を眺めていると、ほんとうに人と龍は共に暮らしていたのだなあとしみじみと実感します。

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