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時間

時間を巻き戻せたらと思ったことは誰にしもあることだろうと思う。だが現実はそうはいかない。過去には行けない。僕は思う。未来にも行けない。今があるだけだと。過去を振り返りたくなるし未来を想像したりする。だがそれは実体はないものだ。考えを巡らせてるとあっという間に時間は過ぎる。会社を辞めるまでの僕は未来のことばかり考えて堂々巡りしていた。もう少し頑張ればいいことがある。休みが早く来ないか。そのようなことばかり考えていた。以前いた部署がなくなり異動を2度体験した。2度目の異動先で今ま

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      時間を巻き戻せたらとその時思った。 続く #小説

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        目的地に着いた。目的地は僕が良く知ってる場所だった。ここまで来るには小人たちの献身的なサポートがあった。小人たちは自分を犠牲にして僕を目的地まで運んでくれた。ただ小人は僕の分身のような気がしてここに来るまでに僕の中の何かが失われてしまったような気がした。目的地で僕が成し遂げたことと小人たちの献身的なサポートについてこれから語ろうと思う。 色々なことがあってたくさんいた小人と僕二人きりになった。僕は長いこと一緒にいたせいか彼のことをコビーと呼ぶようになった。本当は知り合いの田

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          僕はビールを飲み干した後、暫くぼーっとしていた。小人たちにもビールを進めたが、わしらは飲んだり食べたりはしませんで。と断られた。仕方なく僕は一人でビールを飲んだ。空は青空が広がり、波の音だけが静かに聞こえていた。僕はここで何をしてるんだろう。何の目的でここに来たんだろう。これからどうすしようか。と考えているうちに眠くなってきた。小人が暫くお休みの下さい。と声をかけ僕は眠った。 急に寒くなり僕は起きた。どうやら海辺で寝てしまったようだ。僕が目を覚ますと小人が、やっと起きました

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          お腹を満たしたつもりだったが、またお腹がすいてきた。僕は普段1日1食にしている。そのせいか最近お腹が空くことがあまりなかった。しかし今日はやたらとお腹がすいている。そういえばここに来てからどのくらい時間が経ったのか?僕はどんどん時間の感覚が無くなっている。小人が突然、10時だ。行かなきゃと言い出した。僕に向かっても行くげすと言ってきた。彼らは時計も持っていないのになぜ時間が分かるんだろうと不思議に思っていたが、これから何をしていいかも分からなかったので付いていくことにした。暫

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          このうどん屋さんには父が気にいっていた為、よく行っていた。僕は子供の頃は海老天うどんが食べたくてしようがなかったがなぜか今はごぼう天うどんが好きだ。これを書いている今は22時、朝から何も食べていない。お腹が空いてきた。話を元に戻すとその日の僕は、今好きなごぼう天うどんでは無く、海老天うどんとおにぎりとちくわ天を食べビールを2杯飲んだ。異様な食欲であっという間に目の前から食べ物は消えた。昆布でだしを取ったうどんのスープを飲み干すと酔ったのかやたらと眠くなってきた、、、、 どの

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          扉を開けるとまたあの場所に来た。今回は意識はある。おじちゃん何してるの?子供が突然話しかけてきた。いつもと一緒だ。僕はその時初めて気づいた。その子は僕だった。子供の頃の。僕は君に会いにきたと言ってみた。男の子は微笑んでやっと気付いたね。待ってたよ。と言って手を差し伸べた。僕は僕の手を握り一緒に歩き始めた。僕は突然だが急にお腹が空いてきた。そういえば家を出て何も食べてなかった。僕は思い出した子供の頃に行っていたうどん屋さんを。15分程歩いてそのうどん屋さんを訪ねた。異様な食欲を

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          あれから随分時間が経った。僕自身に色々ありこの物語を書くことができなかった。それでも書かない訳にはいかない。僕を支えてくれたあの6人の小人のことを。 6人の小人が1人減ったことについてまでは書いたと思う。その続きから。 山小屋の穴から落ちた。そこは真っ暗で何も見えないがどこかの洞窟のようだ。湿った空気が流れている。僕は暗いところが苦手だ。孤独には慣れているが、暗いところにいると孤独をますます感じる。僕は以前話したように自分の存在価値を重要視していないが、あくまでそれは

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          そこは改札も無くホームだけがある無人の駅だった。周りには草原が広がっており、その草原の先には山が見える。遠くには山小屋が見える。電車がそこで止まったので僕はそこで降りた。行く宛もないので僕らはとりあえず山小屋を目指した。山小屋は思ったより遠かった。山小屋まで続く道はくねくねしておりまるで蛇の背中を歩いているようだった。どのぐらい時間が経ったか分からないがようやく山小屋に着いた。僕はだいぶくたびれていたが小人たちは小さいのに僕より早く歩き疲れた様子も無い。山小屋は鍵が開いていた

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          旅に出ようと思ったが僕以外の人はいない(はず)。しかも僕はペーパードライバーだ。僕が悩んでいると小人は僕の考えを見透かしたかのように運転しましょうか?と言ってきた。僕はもう一つ心配点があった。車が無い。小人は違います。と言った。違う何が?運転ですが電車を運転するんです。と言ってきた。 僕らは無人となった近くの地下鉄駅に向かい、僕ら以外がいない電車に乗った。 電車は小人が運転をし動き出した。どこに行くのだろうと思いつつ僕は成り行きに身を任せた。トンネルをくぐるといつもの次の

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          チャイムが鳴ったので玄関に行き、外を確かめた。そこには小人がいた。全員で6人だった。7人には1人足りなかった。6人共同じ容姿で緑のつむぎのようなものを着ておりとんがり帽子を被っていた。全身緑だ。 暫くするとそのうちの1人が私たちはあなたに作られたあなたの分身です。さあ早く探しに行きましょう、探すべきものをと言った。他の5人も頷き催促をしてるようだった。 僕は一瞬驚いたが、ここまでも既に不思議なことばかり起こっていたのですぐに冷静になった。面倒くさいと思ったがこのまま何もし

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          僕が特殊な人間?どこが?と僕は男に聞いた。 男は僕に、君は存在価値を必要としていない。簡単に言うと人の目を気にしない。確かに思い当たるふしはある。僕は承認欲求もないのでSNSなどをやることもないし、会社に勤めていた頃も自分の価値を認めて欲しいとか出世したいなど思うこともなかった。 で、僕は何をすればいい?と男に聞いた。君がやることは君自身でみつけるべきだかと前置きをした上で男は、まずは君がどこで存在価値を必要としなくなったのか?を思い出して欲しい。思い出したらその場所に行け

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          お願いしたいこととは、この誰も居なくなった世界を元に戻して欲しいということだ。男は低い冷たい声で話した。 僕が?と聞くと、男は君がこうしたんだ。君が箱を受け取り、それを開け、箱を無くし元に戻らなくしたんだ。男の声は段々と威圧的になってきた。あの箱を人々の存在価値が入っていたんだ。それが箱から飛び出し人々は、自分たちの存在価値を感じられなくなり、消えていった。僕はじゃあなぜ僕はいるんだ?と思ったが敢えて言うことは避けた。すると男はなぜ自分だけいるのか?と今思っただろ?と僕の心

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          おばあさんが差し伸べた手に手を合わせたが特に何も起きなかった。僕が不思議な顔をしているとおばあさんは、もう既に狭間におるんじゃよ。と教えてくれた。時は今ここしかないんじゃ。過去のことや未来のことは無いんじゃよ。忘れ物を届けに来たと言ったが、何を忘れたか分かるか?とおばあさんは聞いて来た。僕は分からないと首を横に振りおばあさんが教えてくれるのを待った。おばあさんは忘れたと言い笑った。最近物忘れが酷くてのう・・・と言った。おばあさんはそろそろ帰るかのうと言って席を立った。僕はなぜ

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          長い間、時間が経っていた。僕はおばあさんを見て正直戸惑いを隠せなかった。なぜなら僕が子供の頃おばあさんだったのに、おばあさんのままだからだ。(生きていれば100歳を超えているはず) 暫くしておばあさんはおもむろに、お久しぶりねえと言った。その後にあまり変わらないねと一言。僕はだいぶ変わったと言った。(だいぶおじさんになって、ぱっと見ただけでは分からないはず)ここで何をしてるんですか?と僕は聞いた。おばあさんは、あなたの忘れ物を届けにきたの。この子が迷いこんできたので協力し

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          パパがおじちゃんと一緒に帰りなさいって言ってた。とたく君が突然話し始めた。 パパはまだやることがあるから帰れない。あのおじちゃんにこれを渡して。って言ってたよ。とたく君は言ってあの箱を紙袋から出して僕に渡した。(紙袋の中はおもちゃなどが入っている) 中には僕が昔遊んだキン肉マンの消しゴム人形?など古いものも入っている。 ふと気付いた。まさかだと思ったが、よく見るとたく君は僕にそっくりだ。夏子さんの方を見るといつの間にか夏子さんではなく、昔隣に住んでいたおばあさんになっていた