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世の中に溢れている論理とは?

自明之理(じめいのり)
→ 他からわざわざ説明されるまでもない、明らかな真理や論理。

自明とは、自己によって明らかであることを指している。

つまり、説明や証明を必要とせず、自己明白であることを示している。

要するに、自明の理という表現は、理論や概念、原則、真理などの中で誰もが納得できる、疑いの余地がないほど明らかなものを指している。

例えば、全てのものは自分自身であるという命題は自明の理であり、説明や証明を必要としない。

また、1 + 1 = 2という数学的な式も自明の理ということになる。

ただし、自明の理とされるものについても、万人がそれを理解できるとは限らない。

文化的背景や教育水準、知識の差などによって、自明であると感じることができないこともあるという点は注意が必要だ。

全てのものは自分自身であるという論理の意味

上述した、全てのものは自分自身であるというのが自明の理とはどういう意味か、いまいちピンと来なかった人も多いと思う。

というのも、全てのものは自分自身であるという表現は、哲学的な要素を含んでおり、同一律の原理(identity principle)として知られている原理の1つだからである。

簡単に言うと、1つの物体や対象はそれ自身と同一であるということを示している。

より詳しく解説すると、この原理は通常は論理学的に、A = Aと表現される。

すなわち、Aという対象は、Aであるということが自明であるということを意味している。

例えば、この机はこの机であるというのは自明の理だ。

この原理は、私たちが物事を理解するために非常に重要な役割を果たしている。

それは、物事を明確に定義することができることを示し、私たちが物事を区別するために必要な基礎を提供することを意味している。

例を挙げると、車という言葉は、車であるものという定義に従って使用されることが期待されている。

したがって、車でないものは車ではないと言うことができるということになる。

このように、同一律の原理は私たちに物事を区別するための基準を提供し、思考や言語の理解に不可欠な原理となっているのである。

世の中に溢れている論理

ややこしくて頭がパニックになっている人もいるかもしれないが、それが論理である。

論理とは、ある前提から別の命題を導き出すための方法やルールのことを指している。

論理的思考とは、正確で合理的な思考を行い、論理的な根拠に基づいて意見や結論を導き出すことをいう。

そして、論理には、いくつかの基本的なルールがある。

例えば、AならばBであるという命題が成り立つ場合、Aが成り立つときにはBも成り立つというように、条件が成り立った場合の結果を導くルールや、AとBが同時に成り立つことはできないといったものだ。

それから、論理的思考をするためには、まずは前提や命題を正確に理解することが大切だ。

それらの命題を前提として、適切な論理的ルールを用いて新たな命題を導き出すことが求められる。

また、論理は、主に哲学や数学、科学、法律などの分野で用いられ、その分野で必要とされる論理的思考能力を高めるためにも、論理的思考の練習や訓練が重要となる。

論理の具体例

ということで、論理の代表的なものを列挙していく。

帰納法

「1, 2, 3, …, n-1, n」という数列があり、「n-1までが条件を満たす」という仮定を置いた場合、「nも条件を満たす」ということが明らかな論理をいう。

この論理は、数学や科学の証明によく使われる。

演繹法

「全て人間は死ぬ」という前提がある場合、「彼は人間であるから、いつか彼も死ぬ」という結論が明らかな論理のことをいう。

この論理は、哲学や法律の論理によく使われる。

矛盾法

「AとBが同時に成り立つことはできない」という前提がある場合、「Aが成り立つとすると、Bが成り立たないことになり、Bが成り立つとすると、Aが成り立たないことになる」となる。

つまり、AとBが矛盾することを示す論理のことをいう。

この論理は、数学や哲学、法律などの分野でよく使われる。

反復法

「AならばBであり、BならばCである」という前提がある場合、「AならばCである」ということが明らかな論理をいう。

つまり、AからB、BからCという論理的な繋がりがあるとき、AからCという結論を導くことができる。

排中律

「Aか否か」という命題がある場合、「Aである」または「Aでない」のどちらか一方が必ず成り立つという論理をいう。

この論理は、二者択一の状況において有用となる。

仮説法

「もしAならばBである」という仮説を置いた場合、「Aが成り立つ場合にはBが成り立つ」という仮説を検証するための論理をいう。

科学の仮説検証や、法律の判決などによく使われる。

等価律

「AならばBであり、BならばAである」という前提がある場合、「AとBは等価である」ということが明らかな論理をいう。

つまり、AとBは同じ意味を持つということになる。

反対命題

「AならばBである」という命題に対して、「AでなければBでない」という命題を考える論理をいう。

つまり、Aが成り立たない場合にはBも成り立たないということになる。

等比数列

数列の各項が、前の項に一定の比をかけて得られる数列をいう。

例えば、1, 2, 4, 8, 16...という数列が等比数列であり、各項は前の項に2をかけたものになっている。

三段論法

「AならばBであり、BならばCである」という前提がある場合、「AならばCである」ということが明らかな論理をいう。

つまり、AからB、BからCという論理的なつながりがあるとき、AからCという結論を導くことができる。

モーダスポネンス

「AならばBであり、Bが成り立つ場合はAも成り立つ」という論理をいう。

つまり、AとBは互いに同じ命題であり、どちらかが成り立つ場合には、もう一方も成り立つことを示している。

シンボル論理学

言語や記号を用いて、論理を形式的に表現する論理学の分野を指す。

シンボル論理学は、複雑な論理を分かりやすく表現することができ、哲学や数学、コンピュータ科学などの分野で広く用いられる。

パラドックス

矛盾した情報が含まれる文や論理構造を指す。

パラドックスは、論理的に解釈できない現象や問題を示すことがあり、哲学や数学などの分野で研究されている。

例えば、この文は嘘であるという文は、真か嘘かを決定することができないため、パラドックスとされる。

直感

論理的な根拠に基づかずに得られる、直観的な判断や認識を指す。

直感は、人間の思考において重要な役割を果たしており、決定や判断をする際にも利用される。

ところが、直感的な判断は論理的な根拠に基づく判断よりも誤りやすい傾向がある。

ジレンマ

二者択一の選択肢のどちらを選ぶべきか明確でない状況を指す。

ジレンマは、論理的に解決することが難しい問題となることがある。

例えば、自由と安全のどちらを優先するべきかという問題は、政治や法律の分野でしばしば議論されるジレンマの1つだ。

懐疑主義

疑いや疑念を持ち、事実や真理に対して厳しい態度をとる思想や姿勢を指す。

懐疑主義は、真理や知識を疑問視することで、より深い洞察や理解を得ることを目的とする場合もあるが、過度に行き過ぎると無知や混乱を生むこともある。

非矛盾性

矛盾しないことを指す。

例えば、このリンゴは赤いという文とこのリンゴは青いという文は矛盾するため、非矛盾的ではない。

経験主義

経験を重視する考え方を指す。

経験主義者は、人間の知識や理解は、外部の世界に対する経験や観察に基づいていると考える。

理性主義

理性を重視する考え方を指す。

理性主義者は、人間の知識や理解は、推論や論理的な分析に基づいていると考える。

恒真式

どんな値を代入しても常に真である式を指す。

例えば、1 + 1 = 2や太陽は東から昇り西から沈むというような、普遍的な真実を表す式や命題が恒真式だ。

まとめ

論理という言葉はシンプルでなんとなく身近にあるように感じる。

けれども、実は奥が深くそこには哲学的な目線も入るので、拒絶反応を指す人も多いことは理解できる。

私の場合は、この論理的思考が嫌いな方ではないので、少々難しい内容になってしまったかもしれないが、私と同様に論理的思考が嫌いではない人には、少しは楽しめたのではないだろうか。


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植田 振一郎 Twitter

株式会社stakは機能拡張・モジュール型IoTデバイス「stak(すたっく)」の企画開発・販売・運営をしている会社。 そのCEOである植田 振一郎のハッタリと嘘の狭間にある本音を届けます。