発達段階~小学3年生の割り算から~
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発達段階~小学3年生の割り算から~

学習支援塾すたでぃあ

今、塾では小学3年生の生徒達に割り算を指導をしている。

この割り算を教えている時に改めて、発達段階、発達心理学を振り返る機会となった。

実際に割り算を教える時には、レゴを使って行った。

レゴブロックとレゴの人形を使い、何人に分けるのか、ということを具体的に理解できるようにしている。

このような形で教えると割とすぐに問題を解くことができる。

しかしながら、計算で、つまり九九を利用しながら、と促すとちょっと難しく感じるようなのである。やはり具体性を持ったものでないと、なかなかイメージが成り立たないようなところがあるようだ。また、少し早いが、あまりのある割り算もさせてみたが、これも同じような反応だった。

実際の認知発達に照らし合わせた場合は小学校3年生の今の時期には少し難しい課題であると思われるのだ。塾では学校よりも少し早めに教えていることもあるが。

発達心理学、認知発達と言えば心理学者のピアジェである。

ピアジェは発達段階を4段階に分けた。

①感覚運動期(0~2歳)

この時期は、感覚的動作を繰り返すことで思考を発達していく。感覚的動作とは、おもちゃを口に持って行く、叩く、引っ張るなどの動作である。

②前操作期(2~7歳)

この時期の思考段階は、自己中心性の中にあり、客観的な事実、情報を理解することができない。細長いコップと口が広いコップを用意し、ジュースを用意して同じ量を入れたとしても、多い方は細長い(ジュースの丈が高い方)と認識してしまう。

またこの時期はお化けを信じたり、物が生きているように認識をしたりする。これをアニミズムと言う。

③具体的操作期(7~11歳)

この時期からようやく思考をし始める。小学3~4年生はまさにこの真っ只中なのである。論理的な思考をすることができるようになるが、抽象的な思考、仮説などは難しい。

④形式的操作期(11歳〜)

この時期になると要するに頭の中で考えることができるようになる。抽象的な概念についても理解が可能となってくるのである。つまり、X、Yといった未知数も数式の中で想定することができるようになる。

さて、このように考えていくと、小3の1学期に頭の中で考えていくのはなかなか難しさを感じるところなのである。よって、割り算もブロックを実際に手で分けながら考えることはできるが、九九を用いながら促すと途端に難しく感じるのである(かけ算は基本的に概念というよりも九九を機械的に覚えてしまっているところがあると思われる)。そう考えると、これから分数、少数と入っていくが、それをこの時期に覚えていくのはなかなかの壁なのだな、と改めて感じたのである。教科指導に限らないが、いわゆる「9歳の壁」なのである。

だから子どもそれぞれに発達のスピードがあり、それに沿って課題を見極める必要がある。と同時に先延ばしにしてもいけない。少しずつ抽象的な概念、頭の中でイメージができるように訓練する必要があるのである。

ということで、具体物を使いつつ、計算の仕方を理解し、文章題と眼前にある三次元の世界と頭の中の世界を行き来する機会を作るようにしている。

また個人的にはこの抽象的思考の土台には運動が基盤にあると考えるので、公園によく言って体を動かさせているのである。

ドリルを沢山することだけが能ではない、9歳という時期はいろんなことが分かってきて、もっと経験を積みたい時期なのだ。この時期にいろんなものを見て、聞いて、それを頭の中で考え、想いを感じる。このプロセスを子ども達には大切にしてほしい。


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学習支援塾すたでぃあ
学習支援塾すたでぃあ(stadia)の塾長の川下耕平です。ここでは塾での取り組み、特に発達障害児に対する学習のアプローチについて考えていきたいと思っております。特にそういったお子様をお持ちの保護者の手助けになれるような記事にしていきたいです。趣味は映画鑑賞です。