特別支援の学び~縦と横の視点~
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特別支援の学び~縦と横の視点~

今回は、特別支援学級や特別支援学校に通う子ども達への教育の視点です。

特別支援学級、特別支援学校に通う子ども達に学習をさせていくと、ある地点でなかなか本人が理解できないところが生じます。

ここで大人側はどうしても躍起になって教えようとしてしまいます。もちろんそれは大人側の教育観が反映されているものとも言えるでしょう。

基本的には学習は基本、応用と順序立てて学習し、それにより、知識や技術は増えていくものです。ですので、当然小学校1年生の基礎があるから、高校3年生の内容がわかるようになるのです。これは多くの人が感じるものだと思います。

しかし、とくにIQという指標をとってみた場合、その数値が平均よりも低かった場合、そのような伸びに難しさを感じると思います。

IQも数値ですし、テストも数値です。数値的なものというのは縦に伸びます。しかし、特別支援が必要な子の場合、この数値がどうしても伸びないところにぶつかる場合がある。私はこれは縦の視点だと思います。

縦の視点は非常にわかりやすい。簡単に言えば東大は最も頭のいい学校です。

さて、しかし、この縦の視点を持ったままですと、特別支援の子達は非常に困ってしまうと思います。お母様方ももう、この子は伸びないんじゃないか…そういう気持ちにもなり兼ねません。

ではどうすればいいのでしょうか。

横の視点が大切になります。

分数の意味はわかるが、計算になると難しい。通分ができない。縦の視点でそこで終わらせれば学びはストップします。

横の視点で考えると、分数を使った身近な題材は何だろう、という発想になります。物を分ける時、ピザのように円で分けるのか、四角で分けるのか、立体で分けるのか、そもそもどんな状況で分数は使う?二分の一は、半分ずつってことだな、ケンカしないようにケーキを分けるにはどうしたらいいのかな?

このように生活に沿って考えればそのバリエーションは多岐に渡ります。つまり、その今ある知識の幅をどれだけ広げることができるか、そこがポイントになってくるのです。

以前、重い障害のある子の教育を学ばせていただく機会がありました。身体に障害があり、意思疎通も難しさがあるようでした。もちろんこの障害を機能的に完全に克服することはできません。しかし、学校を卒業しても体の緩め方、使い方の療育を続けられたそうです。そして、成人式で綺麗な着物を着ることができたそうです。重い障害のある子はリハビリや療育を続けたからと言って、体が突然動き出すわけではありませんし、むしろ体が硬くならないようにしていくことが目的でもあります。伸び、というよりも維持でしょうか。ですが、この方にとっては成人式で着物が着れたこと、本当に嬉しく、人生の思い出になったと思います。

このエピソードから、特別支援の子の教育にはこれをしたから、これだけ伸びました、という客観的な指標では測れない奥深さがあることを教えてくれます。

私達大人は自分たちが受け取ってきた縦の視点だけではなく、横の視点を持って子どもに接することに気をつけていきたいものです。


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学習支援塾すたでぃあ(stadia)の塾長の川下耕平です。ここでは塾での取り組み、特に発達障害児に対する学習のアプローチについて考えていきたいと思っております。特にそういったお子様をお持ちの保護者の手助けになれるような記事にしていきたいです。趣味は映画鑑賞です。