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心が動けば体も動く

皆さん、いかがお過ごしですか。

言語聴覚士(ST )の八田です。
私は、在宅療養されている方のお家に訪問して、リハビリテーションを提供しています。

私が広島でSTをしていた頃、リハビリテーション医療・介護の第一人者である大田仁史先生の「心が動けば体も動く」という言葉を教えてもらいました。今日は、「心が動けば体も動く」のお話です。

私が勤務していた病院と併設の保健福祉総合施設では、毎月1回失語症友の会を開いていました。

失語症とは、脳血管障害等で、大脳の言語をつかさどる部分が損傷されたために起こる言葉の障害を言います。言葉だけでやく、身体に片麻痺がみられることもあります。

失語症友の会の定例会は、施設のSTと音楽療法士さんと協力して行っていました。音楽療法士さんの奏でるピアノとバイオリンの音色、音楽には私含め皆さん心にぐっとくるものがありました。音楽の力、凄い!!

毎月1回の定例会に加え、季節のお出かけや、広島県内の他の失語症友の会との交流、年に1回の旅行が楽しみの一つです。今振り返ってみると、改めて色んな活動が定期的にあったんだなぁと感じます。

ことばのリハビリをしていたAさん

回復期病棟で一緒にことばのリハビリテーションを行ったAさん。病院退院後、外来で継続して担当していました。ある時、失語症友の会にお誘いしてみました。何回か見学に参加されましたが「もういい。」という反応でした。

ある時「カープの試合を見に新しくなったマツダスタジアムに行きませんか?今度会の皆さんと行くのですが。」とお声かけしたところ、少しずつ表情に変化がみられました。

『カープの試合』と聞いて、「見に行きたい」思う。しかも、新しく出来たばかりのマツダスタジアム、、、気になる。そこから、言語のリハビリだけでなく、運動のリハビリや多くの動きに繋がっていく。起きる、座る、立つ、バスの階段はしっかり昇れるか、四点杖で歩く距離、車椅子のバランスどうするか、外に行く前にトイレに行って、外出ではちょっとカッコいいサングラスもかけてみようか。ことばは上手く話せない部分もあるものの、人と交流して笑顔になる。


その人がしたいと思うことで、体も動く。

『したいと思うこと』を引き出す、そしてそれが出来る方法を探し導くのが私たちの仕事の一つではないかと思っています。カープ観戦とても楽しかった!私の大切な思い出の一つです。

広島に行きたい。

この3月か4月には、久しぶりに広島に行く予定にしていました。去年から決めていたのに。しかし、コロナがあり叶いません。昔の上司、先輩、同僚、失語症友の会の皆さんに早く会いたいです。

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