学びメモ#1:問題解決力を高める「推論」の技術
こんにちは、おのし(@sssshinichi)です。
先日やっとnoteをスタートしまして、今回は2記事目となります。
このnoteでは筆者の日々の業務や学びの記録をしていく予定で、今回は読書記録として最近読んだ本についてまとめたいと思います。
読んだ本はこの「問題解決力を高める「推論」の技術」という一冊です。
問題解決力はどの仕事でも共通して活用できるスキルですよね。私自身も採用人事の仕事の中でたくさんの問題に直面するので、どのようにアプローチして問題を解決すべきか?については常に課題意識を持っています。
会社の研修の課題図書としてこの本が薦められまして、新しい気づきも多く得られたので、今回noteにて自分が学んだことメインにまとめていきたいと思います。
問題解決に課題を感じている方がいましたら、よろしければご覧いただけますと嬉しいです。
※あくまで筆者がためになった箇所を厳選しているので、その点ご了承ください。
そもそも「問題」とは何か?
「問題解決力をつけよう!」とはよく言われるものの、そもそも「問題」とは何なのでしょう。このあたり意外と曖昧だったりするのではないでしょうか。
私自身も「問題とは…?困っていること…?解決したいこと…?」と、正直ふわっとした認識だったのですが、ビジネスにおける問題とは「理想と現実とのギャップ」を指すのですよね。
理想の状態に対して現実で足りない部分があるとき、その差分が「問題」と定義されるわけです。
そしてさらに、問題は下記3種類に大別されます。
問題(=理想と現実とのギャップ)は下記3種類に大別
①発生型の問題…既に発生してるもの
②潜在型の問題…今後発生するだろうもの
③設定型の問題…理想のために設定したもの
私が採用の仕事をしているので、それぞれの問題を採用で例えてみると、
①は既に可視化されているギャップで、「応募者が来ない」や「内定を承諾してくれない」といった現在直面している悩み。
②は「このままの採用ペースだと下期は目標応募数が未達になりそうだ」といった将来的なリスク。
③は「今期は50名採用だったが、来期は100名採用を目指す!」といった目標と現状の差分。
といったところでしょうか。
ビジネスにおいての問題とは理想と現実とのギャップであり、問題は大きく3つに分けられる。これは仕事する上での共通言語だと思うので、覚えておきたいところですね。
問題の原因発見に帰納法と演繹法を活用すべし
問題の定義は理想と現実のギャップなわけですが、当然ながら大きな問題の背景には小さな問題(原因)が存在している場合が多いです。
大きな問題は捉えていてもその原因が特定できずに何から手を付けていいかわからない…なんて場面って結構あると思います。本書では、そんな原因の発見に帰納法と演繹法というアプローチが有効だと書かれています。
(ちなみに帰納法、演繹法という言葉、自分は高校生ぶりなんじゃないかというくらい久しぶりに聞き、思い出すまでにちょっと時間を要しましたw)
ざっくり説明すると、帰納法というのは複数の事実や事例から傾向を抽出して結論を出す推論方法で、演繹法は一般的・普遍的な事実やルール、セオリーを前提として結論を導きだす推論方法です。
例えば、街で何人かの浴衣の人を見かけて「今日はどこかでお祭りをやってそうだな」と推測するのが帰納法で、「今日はお祭りだから浴衣の人がきっと多くなるだろう」と推測するのが演繹法、という感じですかね。
この帰納法、演繹法を仕事における原因分析に使いましょうというお話です。
ここでも採用を例に考えてみると、下記のようなイメージでしょうか。
・採用がうまくいっている(うまくいっていない)ポジションの共通点を見つけて抽出することで、成功(失敗)要因の特定を試みる…といったアプローチが帰納法
・採用のセオリーや他社の成功事例などを仕入れ、それを自社状況に当てはめることで原因特定を試みる…といったアプローチは演繹法
私は普段、採用企画という役割で日々採用関連のデータを見ているため、確かにこの2つのアプローチは分析にとても使えそうだなと感じました。
原因発見のためにフレームワークを多く知っておくと良い
原因発見に有効な帰納法、演繹法ではありますが、どういう観点・切り口で帰納法や演繹法を使えばいいのか?と迷う場面も出てくると思います。
仮に採用において、応募数が増えないという問題に直面したときに、データや事象を漠然と眺めて「何か各ポジションに共通点はないか・・」「応募数を増やせた他社事例はないか・・」と考えたとしても、すぐにはアイデアが浮かばないような気がします。
そんなときには考える枠組み、つまりフレームワークがあると便利であり、その引き出しがあればあるほど原因を特定する際のヒントになるのですよね。
例えば先ほどの応募者数の例において、マーケティングの4P(Product、Price、Place、Promotion)フレームワークを使ってみると、どうでしょうか。
4Pによる整理(ざっくり)
・Product(製品):自社を「商品」と見立てたとき候補者にとっての魅力はどうか?
・Price(価格):転職相場において自社の条件面はどうか?
・Place(チャネル):各採用チャネルの状況はどうか?
・Promotion(販売促進):広告による集客はどうか?
このように4Pというフレームワークを使えばわかりやすく整理することが可能になります。
そして整理をしたあとに先ほどの帰納法や演繹法を使ってみると、
「Product=自社の魅力か。候補者にとってうちの会社はどんなところが魅力に映ってるんだろう。入社者や辞退者の意見を集めてみよう。(帰納法でアプローチ)」
「Place=採用チャネルの観点で見ると、うちは転職エージェント経由の応募がほとんどだな。最近ではスカウトの成功事例も多いみたいだし、採用がうまくいっている他社のチャネル状況を調べてうちと比べてみよう。(演繹法でアプローチ)」
など、漠然と考えていたときよりもアイデアが浮かびやすくなるわけです。
ここではわかりやすく4Pで整理してみましたが、もちろんこれが正解というわけではなく、他にも色々なフレームワークを当てはめて整理し、原因特定に繋げることが重要です。
また1つのフレームワークで完結させるだけでなく、2つのフレームワークを組み合わせて整理するのも有効のようです。(3C×PEST、など)
だからこそフレームワークの引き出しが多い人は強いのですね。私も有名なフレームワーク以外はあまり知らないので、これを機に色々と知っておきたいなと感じました。
原因発見に使えるフレームワークたち
フレームワークについても本書で紹介されていたので、一部ですがこの場でまとめておきたいと思います。
〈事業環境の問題発見に使えるFW〉
■PEST:
戦略を立てる際、環境を分析するときに活用するFW。
Politics(政治)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術)
■ファイブフォース:
自社の業界を5つの視点で整理するFW。
①売り手の交渉力、②買い手の交渉力、③新規参入者の脅威、④代替品の脅威、⑤業界内競争
■4P:
売り手視点で整理するマーケティング戦略のためのFW。
Product(製品)、Price(価格)、Place(チャネル)、Promotion(販売促進)
■4C:
買い手視点で整理するマーケティング戦略のためのFW。
Customer Value(顧客価値)、Customer Cost(顧客が負担するコスト)、Communication(顧客とのコミュニケーション)、Convenience(顧客の利便性)
■3C:
市場環境を把握するためのFW。
Customer(市場・顧客)、Company(自社)、Competitor(競合)
■STP:
顧客を分類し、どこを狙うか決めて(選んで)、他社とどう差別化するかを考えるFW。
セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング
〈組織の問題発見に使えるFW〉
■組織の7S:
マッキンゼーが提唱した理論で、組織として企業がうまく機能しているかどうかを考えるうえで重要な7つの要素。ハードとソフトに分けられる。
・ハードの3S:Strategy(戦略) 、Structure(組織構造)、System(制度や仕組み)
・ソフトの4S:Shared-value(理念)、Style(社風)、Staff(人材)、Skill(スキル)
■Will Can Must:
目標設定や組織の方向性を整理するためのFW。Will(やりたいこと)、Can(できること)、Must(するべきこと)
■カッツモデル:
役職に応じて必要とされる能力の割合を考えるFW。
業務遂行能力<対人関係力<概念化能力
まだまだ紹介されていたのですが、かなりの量になってしまうので、今回はこれくらいに留めておきたいと思います。まぁ↑のフレームワークを知っておくだけでもだいぶ役立ちそうですよね。
さいごに
本書を読んだことで、自分がこれまでいかに問題や原因をなんとなくで考えていたかを知り、反省しました。。
問題を捉える際は、まず理想と現状のギャップは何かを考える。そして色々なフレームワークと共に、帰納法、演繹法を活用して、原因特定を図っていく。
大枠ですが、この流れを知れただけでも読書の収穫だったなと感じています。そして今回こうしてまとめることで思い出した箇所も多かったので、やっぱり文章にして振り返るのって大事ですね。
まだまだ学んだことがあるのですが、それはまた別の機会でまとめていこうと思います。
かなり自己満足な感じでまとめてしまいましたが、、長々とお読みいただきありがとうございました。
今後も不定期に記事を書いていきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。
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