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Mikrokosmos芸人になって1週間たちました

BTSの音楽と出会って約2か月。Dynamite芸人としてスタートし、MIC Drop芸人、Make It Right芸人などいくつかのピボットを経てMikrokosmos芸人になりました。ほんとに良い曲ですね「Mikrokosmos」。なにかのライブ動画に入ってたのを耳にして、すぐさまチェック。The Tonight Showを見てさらに好きになり、ひたすら聴いています。映像を見ずに、爆音ヘッドホンで没入して聴くのがお気に入りです。

何がいいって、曲がまるごと小宇宙を連想させるところ。大きな展開も派手なメロディもないシンプルな曲なのに、ものすごく聴かせるんです。ちらちら見え隠れする80年代ポップナンバー風の味付けが異空間ぽくてカワイイ。これ普通に生のドラムでやったら懐かし系に寄っちゃうんだろうけど、トラックはしっかり現代的で、時代の先頭をいくアーティストのバランス感覚だなあと。メインのフレーズをギターが淡々と繰り返していくんですが、それが銀河系のようなニュアンスがあって、目の前からさあーっと宇宙が広がっていくようなイメージ。リズムもメロディもゆらゆらと流れて行って心地いい。気づくと延々リピートしてます。中毒性コワい。

主役は七人の声。七人七色。リードとサブみたいな振り分けがなくて、メインとコーラスが何度も入れ替わって、短いパートを七人で次々につないでいく。夜空を星で埋め尽くしていくみたいな雰囲気です。全員が音楽という宇宙の構成員なんですね。

声フェチなので色んなフレーズを代わる代わる違う声で聴けるのが至福。時には単独で時には混ざりつつ、高い声から低い声まで豊富なラインナップ。声フェチの桃源郷がここにありました。バックの音が抑えてある分、7人の個性がすごくよく分かる。それぞれトーンも表現も違って、誰のパートになってもその度に「いい声だな〜」と思う。ラップの3人は全員中低音がよく響く良い声だけど、暖かみ・説得力・悪い声とそれぞれ持ち味が違う。耳が7個欲しい。皆さんソロを張れる実力があるけど、7人集まると魅力が加算じゃなくて乗算になるのがグループとかバンドの醍醐味ですね。

バックの音に頼らず声だけで曲を展開していくのがかっこいい。さすが場数を踏んでるだけあります。ライブ感がたまらないですね。ラップの3人以外からも絶え間なく合いの手が入ってリズムが生まれて、クライマックスに向けてぐいぐい盛り上がる。ライブで音楽が作り上げられる。「One!」のフレーズが音源より厚くてグッときます。幻想的で美しい曲なんだけど、全然甘すぎない。こういうパフォーマンスを見ると、彼らは真のライブアクトなんだなあと思います。思い思いに音楽に身を任せているようで一体感がすごい。

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舞台となった建物は池の中に建てられているんでしょうか。水の中にぽっかり浮かんだような姿が神秘的。シャツやリボンが風に揺れる様子がシチュエーションに溶け込んで素敵でした。メンバーの衣装はネイビーと白だけでコーディネートされてましたが、色んな質感と濃淡のあるネイビーがそれぞれ似合っていて、個性があるのに統一感があってよいです。ネイビーと白の割合も絶妙。夜空と星の分量。あと男性のシャツ姿っていいですよね(性癖)。リボンタイというものも大好きなんですが、これはとてもいいリボンタイです。

オープンな空間でカメラに向かって歌っているのに、メンバーがまとっている空気はなんだかとてもパーソナルで親密な感じ。ゆっくりと歩きながら歌う姿を見て、ああ彼らはいまライブ会場にいるんだな、目の前にはファンがいて歌いかけているんだなと感じました。この曲の背景やメッセージは分からないのですが、メンバーとファンにとって特別な意味を持つ1曲だったりするのでしょうか。

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このパフォーマンスではジンの歌がとても良いです。声の終わりがフワッと消えていくのが、ものすごく柔らかくてきれい。ジンてキャラクターも声も不思議ですよね。真っ白なキャンバスというか糊がきいたオックスフォードシャツというか。スッとそこにあって何にも染まらない。ブレがなくて、常にそのままの彼がそこに在る感じ。真っすぐでぐっと前に出てくる声はすごく肌感があって、エッジが立っている(尖っているという意味ではなくて)。ミックスされても人の手触りがあってrawっぽさが消えないところが好きなんです。高音がんばってるときより、ひとつ下のレンジで出してる声の方が色ツヤが乗っていて好き。作りこみすぎないMikrokosmosの音に乗ると、その温度感がすごく映えて輝いてました。

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ここ至福のやつ。ジンとVの声の交換。ジンの瑞々しい声にVの量感のある声が重なるんですよ。そこから最後は4人(たぶん)の声が合わさって、それはもう美しいハーモニー。耳が至福すぎて天に召されるかと思いました。あとジンて顔首肩のバランスが完璧ですね。縦尺も横尺も。ジンが画面に映ると心の中で「黄金比の男」とつぶやいています。

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至福その2。Vが1オクターブ低いところから一気にトップに持って行ってハモるのお見事。剛と柔のペア。色んな組み合わせでハモったり絡んだりしながら、最後は7人でユニゾンの大合唱で幸せなエンディングを迎える。空間すべて巻き込んでひとつになっていく過程が、みんなで同じ宇宙船に乗りこんで旅に出るみたいな出発の時を思わせます。メンバーのリードがなくても、自然と両腕を揺らしたくなってしまう。包容力がある曲です。

何十回とリピートして聴いていたら、韓国語が全く分からないのに自分で歌えそうな気がしてきました。とはいえ、1週間後には違う芸人になっている可能性も否めません。2015年くらいのアルバムを聴いてみたらドンピシャに好みなサウンドだったし。

BTSを知って2か月くらい、「あ、この曲好き」な体験が続くおかげで、私はDynamite一発芸人で終わらず成長を続けています。好きな曲に次々に出会うんですよね。ライブ動画から音源に行ったり、音源から動画を見てもっと好きになったり。音楽を掘っていくのって楽しいですね!


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