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ボクたちベスト探偵団 シーズン1

原題:The InBESTigators
全2シーズン
エピソード数:10
時間:30分前後
ジャンル:子ども向け・小学生・コメディ・ミステリ
時代設定:現代
放送年:2019年
舞台:オーストラリア
視聴できる動画サービス:Netflix
評価:9 / 10

概要:
オーストラリアの小学校に1人の女子生徒が転校してきた時点から物語が始まります。その少女の転校時に起きた出来事が、小学5年生の女子2名(モーディー、エイヴァ)、男子2名(エズラ、カイル)の探偵団結成につながります。物語は、探偵団の活動をビデオブログに投稿するためにビデオで記録するという体裁で描かれます。

感想など:
○全体的な印象
古き良き児童向け探偵ドラマというのがしっくりくるのではないでしょうか。もちろん、現代を舞台にしているので、スマートフォンやビデオカメラやドローン、インターネットなどは当然ドラマでも出てきますが、このドラマではそういった科学技術的なものは小道具的に用いられ、最新機器を使って事件を解決していくのではなく、昔ながらの地道な聞き込みや観察といった情報収集、その得られた情報に基づく推論を通して解決します。よって、最新機器に関しての知識を最低限持っていれば、特に問題はありません。

○物語の特徴①―シーズン全体
オーストラリアの小学校の様子も知ることができます。脚色している部分はあるでしょうが、それほど実態からずれていることもないはずです。小学校のクラスの生徒たちや探偵団のメンバーが住む町の人々も出てくることから、登場人物はかなり多くなり、初めのほうは誰が誰なのか、混乱することもありえます。物語は1話完結で、1つのエピソードで2つの事件が扱われます。今のところある事件が、別の事件に関わるエピソードはありませんが、
かなりの数の登場人物が複数のエピソードで登場します。それぞれの登場人物の関係や立場をある程度覚えておく必要はあります。

○物語の特徴②―各エピソードの事件について
小学生4人が解決する事件ということで、扱う事件に暴力的・残虐なものはなく、事件といってもおおむねいたずらで済むような、日常の範囲に収まるものです。謎に関しては、「だれ」が、「なぜ」、「どのように」といった基本は押さえられています。大人からすると物足りない謎でしょうが、伏線もきちんと張られており、丁寧に作られています。謎解き要素はありますが、1つの事件が15分程度と、短い時間で完結するため、複雑な進展を見せることはありません。後味の悪い事件もなく、嫌な気分になることはあまりないでしょう。

○物語の特徴③―物語の展開の仕方
物語の進展の仕方に特徴があります。探偵団のメンバー(たち)が、事件解決した後の時点から、事件について報告する形で物語が語られます。そして、事件の捜査と事件後の報告の2つの時系列が頻繁に入れ替わりながら進んでいきます。初めは少し戸惑うかもしれませんが、すべてのエピソードにおける基本的な形式になっているため、すぐに慣れるでしょう。物語はユーモラスな報告とともにテンポよく進み、軽くオチがつくたびに効果音が鳴り、そのことも物語を楽しく感じさせてくれます。

○登場人物の特徴と魅力
4人の探偵団+αによるユーモア成分が多めの事件の報告と会話を織り交ぜて物語が進んで行くわけですが、その語り口は登場人物ごとの特徴がよく出ており、そこからも登場人物の性格がわかります。
モーディーは簡潔かつ的確に話そうとするものの、他の語り手たちによってしばしば横から口出しされつつも冷静さを失うことはほとんどなく、
エズラは比較的整然とした流れで話すものの、現金で、自分中心の視点になる傾向があり、
カイルは論点かずれていたり、忘れっぽかったりして、危なっかしいながらも責任感は強く、
エイヴァはすぐに話の流れから脱線してしまいますが、社交性か高く、みんなをまとめるというか、焚きつけることが多いです。
探偵団だけでなく、わき役の登場人物にもそれぞれ特徴があり、子どもも大人も全員が魅力的で、ドラマの面白さを引き立てます。性格に若干の難のある人物はいますが、悪人は出てきません。事件の謎解きよりも、むしろ登場人物同士の掛け合いやほうが主と言えるかもしれません。

英語学習の教材として:
オーストラリア英語で、微妙に話す速度も速い場合があり、聞き取りには慣れが必要かもしれません。語彙に関しては、小学生が使う程度のものであるため、難度は高くないのが救いです。ただ、登場人物のカイルがたまに聞き慣れない語句を使います。オーストラリア英語はイギリス英語と似ているところが多く、イギリス英語に慣れていると、比較的容易に対応できるかもしれません。登場人物の語りと会話を中心に物語が進んで行くため、言葉による情報量が多く、聞き取りは楽ではないかもしれません。小学校が物語の舞台になることもあり、学校に関する語句が多く用いられます。また、少し難しめの語句は、ドラマ内で説明されることがあります。
聞き取りの難度:2 / 5
※数字が高くなるほど難度が高くなります

語句・表現:
●学校に関する語句
○detention:名詞:「放課後の居残り」
○term:名詞:「学期」
○high jump:「走り高跳び」
○long jump:「幅跳び」
○triple jump:「三段跳び」
○discus:名詞:「円盤投げ」
○shot put:「砲丸投げ」
○javelin:名詞:「やり投げ」
○house:名詞:「(校内対抗の)組、チーム」
○excursion:名詞:「遠足」
○prime number:「素数」
○fire drill:「火災避難訓練」
○tutor:名詞:「家庭教師、個人教師」
○pop quiz:「抜き打ち試験」

●そのほかの語句
○up front:「前金として」
○time lapse:「低速度撮影の」
○tune out:「~に耳を貸さない、無視する」
○get on the same page:「目指すものが同じである、一致している」
○roster:名詞:「名簿、当番表」
○cutting edge:「最先端の」
○quote:名詞:「見積り額」
○slow coach:「のろま、怠け者」
○take one's foot out of one's mouth
:「まずいことを言わない、どじを踏まない」
⇔put one's foot in one's mouth:「まずいことを言う、どじを踏む」
○odd jobs:「雑用、臨時の仕事」

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