「一億総占い師時代」に生き残る為に ~占い師として収益をだすには~

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今やTwitterやLINE、ブログなどでも目にする機会の多い「占い」。   
朝のテレビでも1コーナーを飾るコンテンツである占いがここまで勃興している今日において、「占い師」も星の数ほどに増えてきている。    

このnoteでは一億総占い師時代とも呼べる現在に「占い師として生き残る」為に、占い師自身はなにをすべきかということを話して行こうと思う。

〔占いの昔と今〕

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冒頭の通り、TV画面の隅の星座占いから、手相鑑定や恋占いなど、様々な占いが巷に溢れている。

昨今ではスマホやwebの技術向上やコミュニケーションツール(SNSなど)の発達によって、いつでも好きな時に好きなだけ占いに接することが出来るようになった。

昔は街の辻に夕暮れから現れる易者や、僧侶か神職かわからないようないで立ちの拝み屋などが「占い」の供給者であって、「占い師」に対してもそうしたイメージを持っていた。

占い師はある特定の場所に行かなくては接触できず、その正体や占い自体にも神秘性が感じられていたように思う。 

占い師というのは何か不思議めいた能力を持って過去や未来を見通し告げる専門職と見なされていたわけである。占いに接するのは非日常であり、どこか秘匿しておかなければならない後ろめたいようなもの、というイメージもあっただろう。

しかし今ではブログ、instagram、Twitter、LINEなどありとあらゆる情報ツールの中でさえも、カラフルでキャッチ―な、占いに関する宣伝文句がばらまかれている。 

大きな街には占いの館もチェーン展開し、そうした場所へ行けば四六時中誰かが悩みを打ち明けているし、検索ワードで占いと打ち込めば、さまざまな占術や悩みのキーワードが検索ボックスに推挙される。        

例えば地域によっては高島暦が新年の朝刊に挟まっていたり、ふと付けたテレビ番組の隅に今日のラッキー星座が出ていたり。雑誌をめくれば今週の恋愛運の文字が躍るというのも、このnoteを読むあなたも触れたことのある「占い」だろう。それほどに今は占いが日常に混ざりこんでいる。


〔占いの台頭〕

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では、占いはどのように街の辻たる非日常からお茶の間や私たちの部屋、スマホへと入り込んできたのだろうか。

種々の占いがどのように発展してきたのかについてはここで詳述はしないが、こと現在に目を向けるのであればやはり携帯電話・スマートフォン、ITの進化とともに入ってきたと言えるだろう。

さまざまなジャンルのサイトや広告、マガジンの類においても添え物のようにつかず離れずの距離で鎮座していた占いは、悩める現代人の相談BOXたるインターネットで力を発揮し始めた。

気になることは何でもすぐに調べることが出来るというインターネットに親しんでいる現代の人々は、就職・転職、恋愛、金策すべてにおいての答えを、道しるべをもインターネットに求めている。

人の悩みは尽きることは無いが、それを手軽にインターネットへ尋ねることが出来るようになったこの状況が、あたかもスマートフォンを簡便な専属占い師かのように育ててきたのである。

占いは簡単な道具があれば、現在においてはそこまで元手を必要としない。そして占いは人の悩みを訊き、道行を示すためのものである。      

1990年前後の心理学ブームやそれ以降のスピリチュアルブームもあり、人の心がフォーカスされてきたことと相まって、カウンセリングの大枠や、親しみやすくなった不思議世界の中でこうした「悩みを訊いて応える」ことが流行し職業となるのは摂理であろうか。

ともかくも、そうした占いや占い師の持つ性質と、気軽に尋ねて悩みを解決したい・できるという文化的背景・テクノロジーが多くの人に対し潜在的な占い師をもとめさせ、それに応じて占いも我々の生活にさらに深く根を張ることとなったのである。


〔一億総占い師時代〕

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これだけ占いというコンテンツが大量消費され、それに負けじと大量生産されている今において、このnoteを読んでいるということはあなたも占い師に興味があるか、すでに占い師としてお金を稼いでいるのだろう。

占い師、と名乗ることは自由である。
民間の資格を取る必要はない。あなたもわたしも今から占い師となれる。

多くの占いが発生・存在し、それが身近で違和感のないものとして受け入れられている昨今の状況は、裏を返せばそれだけの数占いを受ける人がいるということだが、その供給者たる占い師も、街の辻以外に溢れていることを示している。

そうした占い師は、占いの館に所属している占い師だけでなく、サラリーマンの副業であったり主婦であったりする。あなたもそうかもしれない。

上述の通り大した元手も必要が無く、すでにノウハウもweb上でたくさん見つけ出せる上に、悩みを調べ相談し簡易に解決しようとする風潮が広まっている状況において「悩みを訊きます」、「アドバイスします」は需要も潜在的に大きくあり参入しやすいのである。

仕事から帰った後や土日の空いた時間に、発達したIT(Twitterやブログなど)で呼びかければ小一時間でお金を稼げるとなれば、外れてもリスクが小さいためにやってみようと思う人間は多いものである。

そしてわざわざ占いの館へ予約をして足を運ぼうというのと、スマホで検索して口コミを調べ、そこそこの安さで手軽にメール鑑定などで悩み相談が出来るのでは、どちらを選ぶだろうか。職業占い師よりも、在宅でメール鑑定やビデオ通話鑑定を行う副業占い師がどんどんと増えていくのも頷ける。

もう一度書くが、そもそも占いは悩みを訊き、答えをだして導くものである。

これはカウンセリングであり、アドバイス行為である。

なにも大仰な水晶玉やおどろおどろしいケープをかぶってカードをシャッフルしなくとも、放課後の教室や人気のない公園などで身近な人の悩みを訊いて親身になったことがあなたもあるだろう。

占いの基本はこれである。

それにもっともらしい理由づけを行うことと、客観的な視点を取り入れることのために道具を使うことが多いだけで。
(なにも道具が無く、アドバイスにはっきりとした根拠のないものが霊感などと呼ばれる。道具を使う場合はその道具そのものにある程度意味づけが既になされており、それをもとに話を組み立ててアドバイスをする。)

つまり、少々牽強付会ではあるが今や誰しもがカウンセラーでありアドバイザーであり、占い師たりうるのである。

友人とのいつもの相談ごとに意味づけしたカードを用いればすぐにカード占い師であるし、精神を集中して第六感と呼ばれるもので何かを察知すれば霊感占いなのである。

今は、誰しもが潜在的に占い師であり、事実占いを副業として始める人も激増している。

一億総占い師時代である。


〔生き残れない占い師〕

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一億総占い師時代には、誰もが潜在的に占い師となり得る。

となりの家の奥さんがいつタロット占い師となって家計を助けだすか、会社の前の席の人がいつ霊視でお金を稼ぎ脱サラするか、もう予測が全くつかない時代なのである。

そうした人々の成功情報が次々と入ってきて、さてあなたはそのままその会社でずっと働いてお金をもらい続けるのだろうか。

「簡単になれて手軽に稼げる」という謳い文句の真偽を確かめぬまま、あなたも「占い師」を名乗り始めるのだろうか。

いたずらにその流れに乗ったとしても生き残ることは困難である。

ここでは、一億総占い師時代において、それでも占い師を希求したあなたが、どのようなマインドセットと行動を持ってして生き残っていくか、ということを考えていく。しかしまず先に「生き残れない」占い師がどんなものかということを見ていこう。

どの職業にも通底することであるが、そこには
・人間的問題
・技術的問題
・経営的問題
があるだろう。

まず一つ目の人間的問題だ。
これはカウンセリング要素がたぶんに含まれ、相談者・依頼者の話を傾聴し問題を理解し、コミュニケーションをうまくとって相手の気持ちをほぐしていくという占い師の存在意義に、則らない性格を持つ場合は、遅かれ早かれ消えて行かざるを得ないということである。

相談者の話を遮り持論を展開する(あんた地獄行く!絶対に不幸になります!など)。

悩みそのものを否定するような発言をする(そんなものあなたが悪い!努力が足りない!など)。

こうした強烈なキャラクター性は、六星占術で一世を風靡した細木数子氏のように好き嫌いがはっきり分かれる要因となり、社会に受け入れられなかった場合はそこで終わってしまう。

「相手に寄り添う姿勢や意識」が持てるかどうか、それが肝要なのである。
(*細木氏に代表される辛口批評ではっきりともの申すタイプは、強く背中を押してほしい依頼者やその断定ぶりに依存し思考停止状態を選ぶ性質がある依頼者には親和性が高い。)

次に技術的問題である。
これはそもそもある程度的を射た結果なり道筋を導き出せないのであるから、ここがクリアされて行かない場合どのみち消えていってしまう。

上記細木氏もその占術においてある程度の的中率を上げていることからファンがつくわけであり、これが当てずっぽうで適当なことばかり論拠もなく伝えているのでは、ただのけんか腰のおばさんで終わりである。

この技術においては実は2点重要な方向性がある。
いうなれば「当てる技術」と「伝える技術」である。

当てる技術とは、文字通り過去や現状を見事に言い当てる技能のことである。それは相談者に事情を聞いても聞かなくても、ある程度当てはまっていなければそこで愛想を尽かされてしまう。

伝える技術とは占い師が読み、感じた依頼者の事情なり未来なりを、相手に受け入れられる形で話す技量のことである。

これらがなければ、わざわざ依頼者が相談してもいい加減なアドバイスがもらえるばかりで気持ちに寄り添ってもらった満足感もなく、無駄を感じて終わりである。

そして経営的問題。
たとえ巧みな技術を持っていて、かつ人の気持ちに寄り添うマインドや優しく明瞭な語り口で接することができるとしても、依頼者が来なければ生計は立てられない。

今はwebで簡便に依頼への窓口(ココナラやBASEといった仮想店舗など)を設けることができるが、そこでただ黙って待っていても偶然依頼が舞い込むに任せるしかないのである。
これでは経営とはいえず、棚からぼた餅を期待しているだけだ。

ほかの要素としては価格と価値が見合わないということもある。
コンビニで購入したジュースを、自分の儲け分を上乗せして誰かに売ろうとしても、よほどタイミングがあわねば購入はされないだろう(砂漠で売っている。売っている場所ではその商品が希少、などでない限り)。

依頼者を呼び込むことと依頼者を引きつけておくことを仕組み化しない限り、つまりはそこに経営的な視点を入れていかない限り身を立てることは叶わないのである。

以上で見てきたように、占い師はインスピレーションや神秘性のみに頼ってお金を稼ぐことができる職業ではない。

占いの昔と今の章で見たような旧時代の摩訶不思議な能力者ではなく、種々の要素から成り立つ労働者だということを、あなたも意識しなければならない。


〔占い師として生き残る為に〕

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この章では一見して飽和状態にある占い業界において、前章の生き残れない占い師の要素を踏まえて、生き残ることができる占い師はどのような存在か、ということを見ていこう。

基本的には、生き残れない状態の真逆を目指すだけである。
ここでも前章と同じ順番で、
・人間的条件
・技術的条件
・経営的条件
を考えていく。

まず人間的条件である。
これはここまで何度も「占い師はカウンセラーの一種」だと言ってきた点のことだ。自分がもし占われる側・依頼者出会った場合、どのように接してほしいだろうか。

まずは自分に対して圧迫感を出さず、包み込んでくれるような安心感を出してほしいと思うだろう。

依頼者の話を真剣に聴き、気持ちをくみ取ろうという姿は伝わるはずである。時には依頼者の話が右往左往したり収拾がつかなくなったりするだろう。それをも受け止めて、うまく話を要約しつつ占いで鑑定を行う質問を、不安を抱える依頼者から引き出していく向き合い方が重要である。

相手に気圧されて話をずっと聴き続ける訳にもいかないけれど、丁寧に相づちを打ち、必要があれば心理カウンセリングにも用いられるテクニックを取り入れながら会話を進めていくのもよい。

まずは相手に安心してもらい、考えを整理してもらうこと。
そしてその悩みの解決に向かって一緒に進んでいこうと思えるようなマインドセットを備えていることが、信頼される占い師の第一の条件ではなかろうか。

これを成そうとするのであれば、心理的なテクニックを学ぶのも良いし、そうした手技を多用したくないということであれば、ただひたすらに相手の気持ちに寄り添おうという気持ちを意識するのでも十分である。

次に技術的条件である。
これはタロットにしろ霊視にしろ、基本的概略的な知識を持ち、それを依頼者などに筋道立てて説明できるという技術である。
これを備えていなければ説明が行き当たりばったりとなり信頼感が損なわれる可能性がある。

カードの基本的な意味を覚えていない、道具の使い方が覚束ない、では依頼者を不安にさせてしまう。
最低限そうしたいらぬ心配を与えないよう、自らの占術にはある程度精通していなければならない。

技術を学ぶのに遅すぎることもなければ、学ぶ場所が無いこともない。
様々な書籍やwebサイトなどで占いのノウハウは入手することが出来るので、そうしたものを参考にして腕を磨くとよいだろう。

最後に経営的条件である。
誰もが占い師となる可能性を秘めている現代社会において、この条件がかけていれば絶対に生き残ることはできない。

特に占い業で生計を立てようと考えていない、趣味の域であれば問題はない。しかし、占いを生活の柱に加えようとしている人の場合は、口を開けてただ待っていてもただいたずらに時間を空費してしまう。

あなたも、せっかく占い師として世に出るのであるから困っている人を救いたい、役に立ちたいという高尚な理想を抱いているはずである。

しかし、我欲とまではいかずとも自分もそれによる恩恵なり対価を得て、幸せになりたいと思うのが普通だ。

だが占いの技術は磨いてもこれを経営と捉えてそうしたノウハウまでに手を伸ばして考えている人は多くない。

どこかの占いの館へ所属すれば給料という形でお金は貰えるし、館のネームバリューでお客さんも来る。それはただの就職であって経営ではない。

そろそろ具体の条件にはいるが、経営とは
・セルフブランディング
・マーケティングリサーチとマーケットリサーチ
・カスタマーアトラクション
がそれに当たる。

次章からは、占い師として生き残る為に最も重要な経営的条件について、具体的な方法を探っていく。


〔セルフブランディング〕

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セルフブランディングとは、言葉どおりセルフ(自分で)ブランディング(価値づけをする)ことである。
ここではセルフブランディングの必要性とその方法についてみていく。

セルフブランディングは自身を売り出すための行為である。
まずはブランディング自体の重要性について触れよう。

マクドナルドといえば、あなたがイメージするのはなんだろうか。
ではモスバーガーと言えば?

いま思い浮かんだものは、そのブランドの商品であり、逆をいえばいま浮かんだものをどこかで手に入れたいのならば探すお店がマクドナルドでありモスバーガーであるわけだ。

それではA&Wはどうか。

あなたは何を思い浮かべただろうか。
これは日本では沖縄県にしかないハンバーガーチェーンの店舗名である。
これは知っていればすぐ「あぁ、あの店ね」となるが、
知らない者からすれば格安ファッションショップと思うかもしれないし、
D&Gの別レーベルだと思うかもしれない。

このたとえ話で伝えたいのは、
「知っていてもらわないと意味がない」こと。
そして「あそこはアレ」という強みがあって、人の行動に影響を与えていることだ。

ここまで読んでくれているということは、あなたは占い師になることに興味があるか、すでに占い師だろう。
そこで、くどいようだがもういくつか例を出すとする。

日本での占星術師に鑑定を受けてみたいな、と思ったら誰が思い浮かぶだろうか。
鏡リュウジ氏はその候補に挙がるのではないだろうか。

それでは背中を押してくれるような、わかる!と言ってしまうような鑑定がしてほしいな、と思ったらどうか。
しいたけ.氏だったりしないだろうか。

人にも物にも、使い道や個性がある。

なにも取り柄が無いとおもっているあなただったとしても、こうした長文をここまで読む能力を持ってもいる。

アレはあの人、コレはこの人。
それを既に外部から評価され、立ち位置が決まっている人はそれを伸ばして行けばよいが、そうでない人や競合が多い世界に進もうとしているあなたのような人は、このようなブランディングが絶対の強みとなる。
なんとなくイメージが付いただろうか。

もしも上記のように、既に外部からキャラ付けがされていて、あなたもそれを伸ばそう!私はそれがウリだ!と感じているのならば、この章は飛ばしてもらって構わない。
もしあなたがそうではなく、自分の強みって何だろう、と途方に暮れているのであれば、どうぞ読み進めていってほしい。

それでは、セルフブランディングを行うためのステップについてみていこう。

まずステップ①。
自身の強み、ウリ、個性、特徴、趣味、特技……そうしたものを挙げられるだけ挙げてほしい。

次にステップ②。
出せるだけ出した自身の見どころについて、「占い師」とコラボレーションさせてしっくりくる、あるいは目を引きそうなものをピックアップする。

そしてステップ③。
拾いだした要素のうち、占い自体と絡めていきそう、あるいは自分でも無理なくキャラ付けしていけそうなものを選ぶ。
この3段階である。

例えば、ステップ①で筋トレが趣味だとする。そしてそれが大好きで、筋トレのことなら何でも絡められるとする。

そうすればステップ②で、ボディビル占い師というカップリングを作ったり出来る。

ステップ③においては、筋トレ好き向けの占いとしてでもいいし、バリバリの武闘派ボディなのにやってることが繊細な占い、というのがウケるかもしれない。今日のラッキー筋肉というものを作って、今日は足がつりそうなので注意して!とか、好きな女の子には胸筋をアピールしよう!などと個性をアピールして行っても良い。

このように、「あの人はアレやってる人」と認知されるのがセルフブランディングであり、端的にその方法をまとめたのが上記の流れである。

もちろん、なかなかそんな人にアピールするほどの個性も特技もないという人もいるだろう。
あなたもそうかもしれない。

その場合は、「自分のそばにいてほしい占い師」を想像してみてほしい。
個性の強い占い師ばかりでは、そばにいてもらっても却って疲れてしまうのではなかろうか。

特に目立たないと自分で思っている人でも、丁寧に話を聞くことができたり、筋道立てて考えるのが得意だったりするだろう。

普段のあなたの良い面が、際立ったものではなくとも誰かに響くことはある。それでもなかなかセルフブランディングが出来ないのであれば、今度はテクニックを組み合わせてみよう。

占星術とタロット、易とダウジング、心理学とトランプなど、いまや占い師の数だけ占術があるといっても良いほど、そのバリエーションは豊かだ。

何も占術を組み合わせてウリにしなくとも良い。
イラストをさらさら描けるのであれば、それを鑑定結果とともに渡すパフォーマンスも良いだろうし、印鑑屋さんがハンコを売りながら鑑定をしてくれるというお店も存在する。

セルフブランディングはあなたのあらゆる情報を利用出来る可能性があるのだ。


〔マーケティングリサーチとマーケットリサーチ〕

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リサーチの重要性は、どの業種でも言われていることである。
それは占い師にとっても他人事ではない。

占ってほしい人=依頼者・相談者のニーズに応えるのが、占い師の役割だ。
しかし、依頼者のニーズが常にその口から語られるわけではない。

そもそもそうして面と向かったやり取りに進むことなく、自分の前を通り過ぎて行ってしまうことが圧倒的に多いはずだ。

ここでは、マーケティングリサーチおよびマーケットリサーチの重要性と、どのようにリサーチ結果を生かすか、という点について触れていく。

まずそれぞれのリサーチについて意味から見ていこう。

マーケティングリサーチは既に流通し消費されている商品やサービスから、顧客がさらに望んでいることを導き出す調査である。

手法はアンケートや口コミ集計などさまざまあり、「この商品のどこが気に入っていますか?」といった質問から多くの人々が「デザインが良かった」と答えたのであれば、次の商品開発やラインナップのリニューアルで力を入れるべきはデザインだとわかるわけである。

似たような言葉にマーケットリサーチ(市場調査)という言葉がある。

これは市場があるかどうか、参入する前に調査をするという意味合いである。新しいコンセプトの商品やサービスを世に出す前に、それに対する需要があるかどうかを調べるというイメージだ。

こうしたリサーチを占いに当てはめてみる。

これまで依頼があった内容の中で恋愛関係の相談が多かった。あるいはこれから占い師になろうと思っているが、自分自身や友人が占いで何を訊きたいのか調べるとやはり恋愛関係の悩みに関してのものだった。というのがマーケットリサーチ(市場調査)である。

こうした過去や実態の分析によって「では自分はどこになら参入できるだろうか」を考えるのである。

一方マーケティングリサーチでは、これまでの顧客から得た口コミや感想、あるいは直接訪ねても良いのだが「どうして自分を選んだのか、どこが良くどこが悪かったのか」を調べる。

そうした選好理由がわかることで自身の伸ばすべきポイントや目指す方向性が具体化していくのである。
例えば「とても丁寧な鑑定という口コミをみて来ました」と言われたのであれば、そこがあなたのウリだ。

これから占い師になろうというあなたならば「どういう評価をされたいか」、「どういうスタイルの占い師はどういう評価を受けているのか」を考えたり参考にしたりすることで立ち位置が定まりやすくなるだろう。

いまや一億総占い師時代であるならば、同じ占術を使い、同じぐらいの力量を持った占い師は数限りなく存在すると思ったほうが良い。
その中で選ばれ、生き残る為にはセルフブランディングと関連して、「どこに居場所を作ることが出来るか」を知ることが重要なのである。

あなたの得意な占術や相談内容のジャンル。
これを勘案しつつ、求められるところに求められるものを提供していくのが生き残る為の秘訣であり、それを調べることこそがリサーチなのである。


〔カスタマーアトラクション〕

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カスタマーアトラクションとは占い師にとって最も生き残りを左右する要素である。

ここまでで見てきたブランディングとリサーチがうまくいっていても、これが失敗していれば絶対に生き残ることはできない。
逆にこれが出来てさえいれば他の2つをあまり意識できていなかったとしても食いつなぐことはできる。

ここでは、カスタマーアトラクションにはどういうステップがあるか。
そしてその具体例を通じて生き残る方法を示していきたい。

カスタマーアトラクションはつまり集客である。
言葉としてはただ集客という単語を英語にしただけのモノなのであるが、その語が意味する概念に隔たりがある。

占い師として生き残る為には「集客」ではなく「カスタマーアトラクション」の概念を意識していきたい。

集客とは、客を集めると書く。
顧客・依頼者を集めることが出来なければ、様々な占術を使えるよう磨いた腕も見せ所がない。
顧客・依頼者を集めることが出来なければ、懸命に調査したニーズに応えられているのかどうかわからない。

集客をする・出来ることは言わずもがな重要事項である。
しかし、この言葉の概念はその文字の成り立ちどおり客を集めるということのみで、そこには占い師(供給者)の都合が見え隠れしてしまう。
つまり集客という語感には「お客を集めたい(儲けたい、自分のことを知ってほしいetc)」といった思惑が含まれているのである。

一方、カスタマーアトラクションはカスタマー(顧客)をアトラクト(惹きつける、魅了する)な状態にするという語だ。
この単語では占い師(供給者)の都合で集めるのではなく、逆に楽しませる・惹き付けるから顧客が集まってくるという別のベクトルが作用しているのがわかるだろうか。

こうしたそれぞれの語の概念の違いを理解することで、生き残りをかけた戦法の方向性に差が出る。

たとえば前者ではとにかく人数を集めようと格安で鑑定を行い続けたり無理な要求も飲んでしまったりなど、最終的に自らを追い詰めるようなスタイルを生み出しやすい。

後者においては占い師がまず「顧客がどうしたら喜んでくれるか」を中心にサービスを考えるので、たとえば明朗な金額提示であったり鑑定結果に合うようなイメージイラストをおまけで付けたりといったスタイルを創り出したりすることが出来る。

売れない・生き残れないから安くてもお客がほしい。
来てくれたお客さんは何が何でも掴んでおきたいので無理をしてしまう。
これでは軸が顧客にあり、占い師はそれに振り回されてしまっているのでどんどんと状況は追い詰められていくばかりである。

それでは、どのようにすればカスタマーアトラクションが出来るのか、という方法について考えていきたい。
一口に顧客を惹き付けるといっても、それにはいくつかのステップがある。

まずは市場で自ら(サービス)を知ってもらうこと。

次に他に出回っているサービスよりも優れている点を伝えること。

その締めくくりとして顧客を惹き付けること。

という段階だ。

次章からはその個別のステップについて紹介しよう。


〔知ってもらう〕

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自分の占術やアピールポイントも、認知されていなければ依頼はこない。ではどのようにして、自分自身の存在を知ってもらえばよいだろうか。

いまはITの時代である。
その文明の利器を使わない手はない。
最も情報拡散に適しているツールとしてはTwitterがあげられるだろう。

簡易なプロフィールは文字制限はあるが、手軽に自分が占い師であり顧客を募集していることを広めることが出来る。

同じような利用法のあるサービスとしてInstagramやFacebookもあるが、前者は主に写真により拡散していき、後者は知人などを通じて紹介されていくというその性質から、Twitterには一歩及ばない。

まずはあなたもTwitterのアカウントを作成するのがよいだろう。

次にブログだ。
情報を開示するというとwebサイトを思い浮かべるだろうが、それよりもブログの方が手軽に始められて更新も容易であるというメリットがある。
今はサーバーやドメインなどの取得が無料のブログ(はてなブログやアメブロなど)も多く、敷居はいっそう低くなっている。

ただ、ブログは顧客に検索されて訪問してもらえなければ見られることはない。しかしながら、自分好みのレイアウトやさまざまなコンテンツ、いろんなプランのある鑑定依頼ページを用意し、決済機能もつけたいなど夢があるならばブログが必須である。

今やどんなコミュニケーションツール(TwitterやInstagramなど)にも占いに興味がある人(潜在顧客)は存在するが、自分が来てほしい客層(ターゲット)がいそうなところへアプローチ出来る手段を選ぶ必要があるのである。

まずはこうした下準備をしておきたい。

今はさまざまなスキルを売り買いできるというのがウリのココナラなど、誰もが店舗もブログ開設の手間も必要とせず取引が出来るサービスも増えてきている。
こうしたところへまずは登録をして実績を積むのもよいし、ブログなどが用意できるまではこれらを利用するのもよい。

しかしこうしたサービスは手数料が比較的高めであるというデメリットがあるので、この時代に占い師として生き残ることを考えるのであれば、
スキル売買サービスでついた依頼者を個人のブログなどに誘導する必要がある。

どのようなツールを使ったとしても、最終的には自分の城(ブログなり店舗なり)に来てもらう道筋を構築しよう。


〔伝える〕

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さまざまな手段により、自分の存在がぽつぽつと認知されてきたとしよう。
そうしたら次は自身のサービスが他より優れている点を伝えねばならない。

もし既に、セルフブランディングや各リサーチができあがっており、人の知るところとなるだけの状態だったのならばここから先は読む必要はない。
しかしあなたがまだそこまでの自信がないのであれば、ここで一緒に何をどう伝えればよいか考えていこう。

まず何を伝えるか。
あなたの個性でもいいし、占術の珍しさでもいい。
それをまず考えよう。

これはセルフブランディングとして見てきたものだ。
そして何か他と差別化出来るようなポイントを探り出そう。

それに加えて、どういった層を顧客にしたいか(これをペルソナという)を設定することも大切である。

想定する顧客が中高生なのかキャリアウーマンなのかによって、伝えるべきポイントや伝え方は当然異なってくるためだ。

ペルソナを設定したら、あなたのポイントを探す方法として、熟練性に着目してみるとよい。

まず熟練性という言葉について、これはあなたのさまざまな点について言えるが、ゲーミフィケーション理論を用いて説明すれば、ロールプレイングゲームにおけるステータスのようなものだ。
つまり、
・経験値
・レベル
・保有スキル
・称号
・強さ・賢さなどのステータス
である。

上から見てみよう。

鑑定実績1,000人! これは経験値だ。
それが多ければ多いほど、依頼者の信頼度や期待値が高まる。

有名芸能人も多数来店! これはレベルの一例だ。
ここから口コミなどを通して実力にお墨付きを得ているのだと感じられる。

西洋占星術のほか四柱推命、タロット、チャネリングで鑑定! これが保有スキルである。
これは依頼者の特性に合わせて臨機応変に対応できるというアピールポイントになる。

鑑定歴30年!○○の母!などの謳い文句 これが称号だ。
こういったものを得ているのであれば既に固定客も一定以上ついているだろう。
あるいは「セレブ占い師」「元政治家占い師」などの見栄えのする肩書きもそうである。

毒舌!アゲ鑑定!などのパーソナリティ これが個人に帰属するステータスだ。
これを持つことによって依頼者の選好により客層のターゲッティングがしやすくなる。

こうした種々の熟練性は自然と見いだしていけるものと思う。
しかしこれから占い師になろうと思ってこれを読んでいる人や、占い師としてやっているが生き残る為に努力しようとしているあなたにとっては、どれもまだ手が届かないモノなのかもしれない。

それでも大丈夫。

上記のようにあなた自身のことを掘り下げて考えてみることで、方向性が見つかるはずだ。

人によっては、その方向性が「多彩な占術で多角的にみます!」ということかもしれない。
あるいは「鑑定結果をまとめて、いつも意識していられるように四字熟語にして教えます」ということなのかもしれない。

その人により千差万別であり個性の光るところであろう。

もしこれを読んでいるあなたに何か、これだけは人に負けない!というモノや特技があれば、それを組み合わせてメリットを創り上げていくのが近道だ。

しかし中には「私は占いは好きだし、困っている人の支えになりたいけれどアピールできるメリットなんかない」という人も居るだろう。
そうしたときは、徹底的にあなた自身のことを洗いだそう。

性格はどんなタイプか。
ハキハキしていて物事を鋭く分析できるのか、のんびりしていて優しく語りかけることができるか。

趣味はあるか。
自分の好きなジャンルの話に絡めて鑑定結果を説明できるのか、むしろ得意なジャンルの悩みに特化したサービスを提供するのか。

どんな経験をしてきたか。
つらい恋愛が多かったためにそうした悩みに深く共感できるのか、仕事人として生きてきたことで業務上発生しうる相談に強いのか。

占うのがあなたならば、結果を伝えるのもあなたである。
そこにはあなたしか出来ない鑑定があり、あなたの口からしか話されない言葉がある。
それはあなたが他の誰でもないあなたを生きてきたからだ。

この章では、まずあなたのサービスが他より優れている点を伝えねばならないと書いた。

「他より優れたところなんて」と感じるかもしれないが、
上述のとおり、なにか1つでも「あなただから」という点を見つければ、
それがすなわちセルフブランディングであり、伝えるべき価値なのである。

これほどまでに巨大化した占いの世界で唯一揺らがないもの。
それがここで見つめた「あなた」という軸なのである。


〔惹き付ける〕

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世に出て存在を知ってもらい、あなただから出来ることを手探りなりにも見いだしたところで、最後は「惹き付ける」である。

この惹き付けるとは、端的に言えばリピーター(固定客)化するということである。

新規客(流動客)は最初のうちであれば真新しさに入ってくるかもしれない。
しかしそうした一発屋では、何度も言うが生き残ることは難しい。

しかし、固定客を得ることだけを目的にしてしまっては、さきにも書いたとおり顧客にしがみつき、軸を自分の外においてしまうこととなり振り回されてしまう。

もっとも陥りがちなのが無料や価格を下げるなどのサービスであるが、これは実入りが少ない(あるいは全くない)上にあなたのモチベーションも下げてしまう可能性がある。

そして顧客というのはなれてしまうモノで、その状態が当たり前という感覚となってしまえば、次にはもう下げるモノはない。

ただいたずらにタロットの展開数を増やすとかそういった方法でも、疲れてしまうばかりかサービスの価値を自ら下げてしまう可能性があるのだ。

それでは、どのように顧客を惹き付け固定客化していくのだろう。

結論は顧客を満たす、という方法である。

顧客の求めていることを考え、理想の占い師(供給者)に近づくこと。
それが固定客化の道筋だ。

依頼者からしてみれば、あまりに高いわけではない料金で、親身になって話を聞いてくれ、よく理解して占いをしてくれる占い師で、かつよく当たり、的確なアドバイスをくれることが理想であろう。

まずはそうした依頼者の身になった理想形を念頭に置く、というのが、忘れがちながら有効である。

ところであなたは、逆にどんな依頼者に相談へ訪れてほしいだろう。
どんな顧客にリピーターになってほしいだろう。

文句をいう、買いたたく、悪い評判を流す、無理を押しつける、話をきかない。そんな顧客は望まないだろう。

逆に、よくコミュニケーションがとれ、きちんと支払いをしてくれて、供給者と顧客の関係性を理解し、信用し頼ってくれるような人に、また来てほしいと思うはずだ。

そうした理想の顧客を惹き付ける要素には、以下のものがある。
・価格設定
・関係性

順番にみていこう。

価格設定は、上記例でも挙げたように、いたずらに下げてしまってはメリットも少なくなるし、あなた自身の価値づけ、という面でも慎重にした方がよい。

べらぼうに高く設定する必要はない(あなたが自身の価値をそのくらい見積もっているのであればそれでもよい)が、わざわざあってないような相場に合わせる必要もない。

この世には「安かろう悪かろう」という言葉がある。
これが事実ばかりでもないが、そうしたイメージは根深く残っており、無料あるいは格安での鑑定では依頼者も真剣に向き合ってこなかったり、無礼な態度であったりとデメリットが起こる可能性も高い。

価格が相応(これもイメージだが)であったり少し高いかな、くらいで設定するのが占い師にとっても依頼者にとってもよい。
なぜならば依頼者の側には、ちょっと高いな、の後には「それでもこれだけお金を払うのだから真剣に向き合おう」という意識が隠れており、占い師の側には「これだけもらうのだからしっかり鑑定しよう」と身が入るためである。
そして実入りも悪くない。

関係性は、あなたがどうして占い師として依頼者に向き合っていきたいかという点を考えることで見いだせる。

もし、自分のように困った経験がある人の支えになりたい。
じっくりと話を聴いてその苦しみをいやしてあげたい。
そう思って占い師を志したのであれば、それをそのまま依頼者に与えればよいのである。

そうしたあなたの意識は行動となる。
じっくり話を引き出す話法としてかもしれないし、依頼者を導くために適切な問いを立てて話を整理するスタイルとしてかもしれない。
どちらにせよ、依頼者に真剣に向き合い寄り添う、という気持ちや態度は行動となり言動となり相手に少なからず伝わるものなのである。

もしもあなたの鑑定結果が外れてしまっても、結果がうまく進んだのであればそれを一緒に喜び、「また話がしたいな」と思ってもらう関係性を築くことが大切なのである。

そのためにまず心理学の勉強などを取り入れてみるのもよいだろう。具体的な広告媒体や情報拡散の方法については取り立てて紹介はしなかったが、まずもって大切なことは「なぜ占い師を志したのか」「なぜ占い師で生き残りたいのか」といった本質的な部分に、あなた自身が目を向けることである。

価格設定も関係性の話も、まとめれば「どれだけ真剣に向き合うか」というために決めるものであった。

これらをもってすれば誰もがリピーター!ということは流石に無いが、それでも顧客に固定客となってもらうには、こうした道しかないのである。

顧客を惹き付け、占い師も顧客も互いにメリットのある関係を結ぶためには
結局は「あなたが中心」となり「あなたの魅力」を高めることに行き着くのだ。


〔おわりに〕

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これまで、甚だ概略のみであるが占いの世界が近年どんどんと広がっていることを示してきた。

そうした中で増え続ける占い需要と占い師。
一億総占い師時代ともよべるこの状況の中で、それでも占い師を志すあなたが生き残っていくためのスタンスを述べてきた。

具体的な広告媒体や情報拡散の方法については取り立てて紹介はしなかったが、まずもって大切なことは「なぜ占い師を志したのか」「なぜ占い師で生き残りたいのか」といった本質的な部分に、あなた自身が目を向けることである。

依頼者が何を求めていて、自分がその立場だったらどうしてほしいか。

自分という存在は何を持っていてなにができるか。

そうした点を掘り下げることこそが、この一億総占い師時代に生き残るためにあなたが出来る最も効果的な方法なのである。

この文章がこれから占い師を志望するあなた、そして既にその一歩を踏み出したあなたにとって有益なものとなれば幸いである。

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このnoteは適宜追記・修正を行っていきます。
また、ここでは考え方、視点を中心に述べてきましたが、今後は具体的な行動の道筋や技術についても書いていきたいと思っています。

お読みいただきありがとうございました。



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