朝6時。料理をする音が聞こえてくる。祖母が朝早くから朝食の準備をしているのだろう。母は畑と田んぼかな。歩いてくる音がする。この感じはトマトかきゅうりをカゴいっぱいに入れて持ってきたんだろう。昔から、こんな感じの音について書かれている文を見ると、妙に心に残った。人間は感じながら生きているんだろうな。だからこんなに心に残るんだ。セミの音も鳥の声も近くを流れる川の音もぼろい家だからこそ毎日降り注ぐように感じながら過ごしている。

家を新しくしたい。お金はないけれど、引っ越すなり、建て替えるなり、したい。数年前に役所で行った耐震基準の検査ではいつ自然倒壊してもおかしくはないと言われている。危険すぎる。それはわかっているけれどお金がない。どうにもできない。でも、もし家を立てたら、最近の技術はすごいからこの音も温度も匂いもなくなってしまうかもしれない。それは少し寂しいなあ。とそう思ってしまう。まあ、まず家を建てることはできないから余計な心配なんだろうけれど。

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