残したいものはない

何かを残したい、という人の気持ちが分からない。

死んだ後のことだが。


死とともに、消え去るのがいいと思う。

家族の思い出は、生き残る人の記憶の中にあるだけでいい。

私には、そもそも私という概念がない。

自分も自己も自我もない。

だから、死もありえないのだが。

ただし、肉体は確実に死をむかえる。

それだけは、否定できない。

宗教は、永遠の真理や普遍のことを語る。

永遠や普遍があると信じているからだろう。

そんなものがあるはずはないのに。

私さえもないのに。

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