11月の玄界灘

博多百年蔵でのライブを終えて、小倉雛蔵でのライブへ向けて移動中。ここが今回ツアーの最大の山場。気を引き締めていこう。

-海行こうぜ、海!

と言い出したのは誰だったか、気がつけば7人全員、どこの海へ行くかの相談になり、ま、あまり時間もないということで高速を途中下車して新宮浜へ。

この寒いのに、数人のサーファーが波めがけて漕ぎ出してる。よくやるよ、寒くないんかな。いや水温の変化は季節とずれるから、まだ結構イケルんじゃない?えー、ほんまにー?

とりあえず、波打ち際で水を触る。うひゃ、冷たい。サンダルを脱いで足をつける。気持ちいい!
昨日の驟雨がうそのように、天気は快晴。雲ひとつない。風もなくおだやか。でも波は結構たってる。雲母片のような金色の砂を巻き上げ、海全体がきらきらと金色に輝いてる。

作務衣の裾をたくし上げ、打ち寄せる波の隙間を狙って膝のあたりまで進んでみる。あー、やっぱ海はいいなー。
天気がいいと、ホント気持ちいい。
これ以上深入りすると服を濡らしてしまうので、きらきらと砕け散る波頭に名残を惜しみつつもUターン。岸に向かって歩き出す。

と沖に背を向けたその瞬間、好機を伺っていた悪戯な波が、待ってましたとばかりに背後から牙をむく。

ざっぱーん。

その後の展開は、ご想像の通り(笑)
濡れた衣服をかなぐり捨て、パンツ姿になるや隣にいたケンタの腕をつかんでもろともに波間へダイブ。
金色にきらきら輝く海で泳いできました。
うひゃー、もうサイコ-!
ついでに、浜であっけにとられて成り行きを見守る皆にもエチゼンクラゲのお裾分け。でかい。無理やりはじまる(はじめる?)クラゲ投げ大会。
青春のヒトコマ。
やっぱこうなるか。

結論。
11月の玄海灘の水は冷たい。死ぬかと思った。

(2005.11.13)


追記。

2005年北九州ツアーの最中のひとコマ。シタール武藤くん、タブラしげじー、運転ケンタ、タンプーラと応援団まゆみちゃんはるなちゃん。率いるはあきらじー。如何に九州とは言え、11月の水は冷たい。飛び込んだ瞬間、冷たさで胸の筋肉が収縮して、息を吸おうにも全然吸えなくて焦った。肋骨が広がらないから息が入ってこないんだよね。あーこうして人は死ぬのか、と冬の海難事故のことを少し理解した。生きててよかった。

(2020.8.11)





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