寺原太郎

インドの横笛バーンスリーを吹いています。 インド音楽とイモリとビカクシダに囲まれて生き…

寺原太郎

インドの横笛バーンスリーを吹いています。 インド音楽とイモリとビカクシダに囲まれて生きています。 有料設定の記事も基本全部最後まで無料で読めます。ややこしいよねごめん。 https://srgmtaro.jimdofree.com

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  • インド音楽雑記

    主に配信ライブの投げ銭用プラットフォームとして、インド音楽やラーガのあれこれを書いています。個々の記事は有料設定になっていますが、基本的に無料ですべて読めるスタイルで今後もいく予定。投げ銭はあくまで投げ銭。こいつに金を払ってやってもいいという方はぜひ♫

  • 沖縄〜宮古〜八重山ツアー2005

    沖縄〜宮古〜八重山ツアー(2005.7.15〜7.31)の記録

  • 北九ツアー2005

最近の記事

魔法神社

魔法神社について書こうと思った。ラノベにでも出てきそうな冗談みたいな名前の、でも確かに実在する、日本にたったひとつしかない神社について。偶然の縁で出会った、インド音楽とも関係なくもなさそうな必然を感じるこの不思議な神社と、そこに祀られている不思議な存在について。多分これは僕が書かなきゃいけないやつだ。僕が書いておかなければきっと誰の記憶にも残らずに消えてしまうだろう、そんな話。 ことの発端はオオサンショウウオだった。いや混浴露天風呂か。どっちでもいい。その温泉の流域が日本有

    • ドラマや映画の音楽演奏のオシゴト

      2022年ももうあと数分で終わり、というタイミングだけど、振り返るなら僕にとって2022年最大の事件はやはりNHKの朝ドラ「舞いあがれ!」への音楽参加に尽きるだろう。何せ毎朝毎昼、日本中のお茶の間や職場の休憩室などで流れてるドラマなのだ。見てる人の数が違う。今まで関わってきた映画やドラマの仕事の中でも飛び抜けて大きな仕事だった。という訳で今回は映画やドラマの音楽、いわゆる劇伴と言われる録音のお仕事についてのお話。 申し遅れましたが私、寺原太郎は、バーンスリーというインドの横

      • チャンドリカ 〜 ラーガの月光化

        夜空に星は数あれど 輝く月は君ひとり (ベンガル語の詩、原典不詳うろ覚え) 月ぬ美しゃ十日三日 女童美しゃ十七ツ (八重山民謡「月ぬ美しゃ」より) 《ライブ情報》 ■2022/10/8(土)「インド音楽と秋の空」 会場: 西荻窪 音や金時 16:30開場 17:00開演 2500円(25席限定) 出演: 寺原太郎(バーンスリー) ヘマント(タブラ)    木村恵実香(タンプーラ) 寺原百合子(動画配信) ☆詳細:https://fb.me/e/3x0FeVLkR

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        • アフガニスタンと僕

          「アフガニスタンと僕」(2019.8.23 Facebook投稿 加筆転載) 菜々子ちゃん(アフガニスタンダンスグループ・シャランシャラン主宰、上村菜々子さん)に倣って僕も夏休み作文するなり。題して、アフガニスタンと僕。ちょっと長くなりますが、よろしかったらおつきあいください。 * 最初に断っておくが、僕はアフガニスタンに行ったことがない。インドの横笛バーンスリーでインド古典音楽を演奏しているインド音楽馬鹿である。だから、僕にとってのアフガニスタンとの関わりは即ちちゃる

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          タンプーラの話

          (有料設定になっていますが、本文は最後の1文字まで無料でお読みいただけます) 南北インド古典音楽を通じて最も多く演奏されている楽器は何かと聞かれたら、言うまでもなくそれはタンプーラだろう。最もポピュラーな楽器でありながら、最も謎な楽器でもある。これに似た楽器はちょっと他に類を見ない。最もインド古典音楽らしい楽器であり、最も重要な楽器でもある、今日はそんなタンプーラのお話。 タンブーラ、タンブール、ドンブラ等の名前を持つ弦楽器は、中国西域から東欧にかけて、ユーラシア大陸に広

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          ガラナ(流派)について

          《ライブ情報》 ■2022/8/24(水)音や金時インド音楽ライブ「炸裂ツインタブラ‼︎」 会場: 西荻窪 音や金時 18:30開場 19:00開演 2700円(25席限定) 出演: 寺原太郎(バーンスリー)    森上唯(タブラ)    明坂武史(タブラ) ☆予約先 srgmpure@gmail.com(寺原)  または各出演者まで ☆配信URL https://youtu.be/_DyzUnkoRgc さて今回はガラナの話。8/24のツインタブラライブに登

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          チャイの話

          ※この記事は2022年4月3日のライブ配信の投げ銭用受け皿として書かれたものですが、単独でインド音楽周辺よもやま話としてもお楽しみいただけます。有料設定になっているのは投げ銭として購入いただけるようにするためで、本文自体は最後のひと文字まですべて無料でお読みいただけます。購入したからといって何ひとつ得るものがないにも関わらず、それでも購入していただけるという皆様の熱い熱いお気持ちが、僕らの明日を支える大切な大切な心の燃料となっておりますので、今月は少し余裕があるぞという方はぜ

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          2022.3.5音や金時インド音楽ライブ、投げ銭用プラットフォーム

          ༄配信ライブのたびに毎回、インド音楽やラーガについて何かしら短い文章を書いては、それを有料にすることで投げ銭の代わりとしてきたのだけれども、今回ばかりはどうにも何も書けそうにない。音楽と平和について書こうとしても、どんな言葉を並べても虚しいだけだという気になってしまう。 だから今回は、何の記事でもなく、3/5音や金時インド音楽ライブの配信の投げ銭の受け皿としてだけの記事です。とりあえず1500円に設定してありますが、もしもっと上乗せしたい(あるいはもっと小額で済ませたい)とい

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          閻魔大王と原初の巨人

          北インド古典音楽を学ぶ時、最初に習ったラーガはヤマン(Raga Yaman)だという人も多いだろう。別に初心者向きの簡単なラーガだというわけでもないし、動きも独特(何せ上行音階でSaとPaの音をスキップするのだ。冷静に考えてかなり変わってる)なのだけれど、なぜかそういうことになっているみたいだ。 北インド古典音楽では、ラーガの音階が上行と下行とで別々に定められていることが多く、ヤマンの場合は上行5音階/下行7音階となっている。これインド音楽の用語ではアウダヴァ-サンプールナ

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          シタールの神様 Pt.Nikhil Banerjeeのこと

          ※ このアーティクルは2021.10.14の音や金時インド音楽ライブ配信の投げ銭用プラットフォームとして書かれています。最後まで無料でお読みいただけますが、ご購読いただけると演奏者一同喜びます。また、記事下のサポートボタンからは100円単位で任意の金額が選べますので、もっと払いたいぞという方も、そんなに払いたくないという方も、どうぞご活用ください。 【ライブ情報】 ■ 2021.10.14(木)西荻窪 音や金時 19:00開演 2500円 《出演》 寺原太郎(バーンスリー

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          マジュヌーンに捧ぐ

          わたしたちが愛したあの友この友は、年々の葡萄から 「時」と「さだめ」が絞り出したいちばんの美味。 見よ、その彼等が一回り二回りさかずきを回し飲みして それから一人ずつ黙ってこっそり憩いの床に赴いた。 「ルバイヤート」オマル・ハイヤーム 野上くんと初めて会ったのは、たしか東京外国語大学の学園祭(外語祭)でだったと思う。ヒンディー語科とウルドゥー語科の共催で「印パの奇跡」という意味ありげな名前の教室展示をしていて、そこへ演奏に呼ばれた時のことだ。第一印象はごく普通の大学生とい

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          インド音楽の即興と練習方法について

          「数えてないんですか?」 「数えてないですよ。音楽ですもん」 先程の電話インド音楽相談室でのひと幕。習ったフレーズは弾けるけど、一旦オチると元に戻れなくなるという相談。オチた時、どこを聞いてどう戻ればいいのか、という話。 演奏中に、タブラのリズムのどこを聞いてどう戻ればいいのかと問われれば、すべてを聞いて好きなように、と答える他ない。でもそれじゃあまりに不親切だろ。それに、これは即興演奏の根幹に関わる根の深い問題だから、ちょっと掘り下げてみたい。 インド音楽で、ガットで何

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          Barsaat 雨季のラーガ3

          前項から引き続いて雨季のラーガの特集です。こちらも有料記事の体裁ですが、有料なのは投げ銭のためなので、実質最後の一文字まで無料でお読みいただけます。 さて、これまでずっとラーガの話をしてきましたが、Barsaat3はインド古典音楽のリズムの話です。インド古典音楽は、ラーガ(Raga 旋律)とターラ(Tala リズム)を軸として展開します。 前回、「午後の4つの色」のライブでは、1曲の中で4つの午後のラーガを演奏しましたが、ターラはすべて16拍子のTintalでした。 T

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          Barsaat 雨季のラーガ2

          前項から引き続いて雨季のラーガの特集です。こちらも有料記事の体裁ですが、有料なのは投げ銭のためなので、このまま最後の一文字まで無料でお読みいただけます。 さて、ここからは、数ある雨季のラーガのうち、Megh、Desh、Miyan ki Malharの3つを中心に話を進めていきます。これらのラーガの、いったいどこが雨を暗示する音なのか。共通している雨の要素とはいったい何なのか。おそらくそれは次の2点に集約されるでしょう。 1 Ma-Re-Paの動き 2 Ni/niの表現

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          Barsaat 雨季のラーガ1

          2021年6月の関東地方は、いつ梅雨が来るのかもう来たのかそれとももう来ないのか、判然としないうちにこのまま夏に突入しちゃいそうなもどかしい日々ですが、インドにははっきりとした雨のシーズンというのがあって、その季節に演奏される一群のラーガがあります。今回はそんな雨の季節のラーガのお話。 【投げ銭用】こちらはインド音楽配信ライブの投げ銭用として書かれたインド音楽解説ページです。有料記事の体裁を取っていますが、無料で最後までお読みいただけます。 投げ銭はライブ前でも、終わってか

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          午後の4つの色

          常々、素材や調理法についての知識は料理人にこそ必要なのであって、食べる人にはただただ「美味いもんを食いたい」という欲求だけをもって食卓について欲しいと思っている。そしてそれはそのまま音楽にも当てはまると思うのだけれど、その一方で、これは何が美味いのか、どう美味いのかをどうしても語りたくなってしまう自分がいる。そんな訳で今日もラーガの話をします。 インド古典音楽の演奏では、作曲された曲の代わりに、ラーガというものが即興演奏で披露される。インドには数千のラーガがあると言われ、そ

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