老いも若きも頑張りが報われる社会に

年とっても頑張って勉強している人の給与は下げない

こんにちは、ナザレです。

日本は、諸外国に比べて高齢化が進んでいるということは、皆さんもご存知だと思います。
また、少子化も進んでおり、人手不足が深刻となっています。

ここで重要なのは、いかに今いる人口で効率よく働いて価値を生むかということになります。
今までは男性が主な働き手でした。
これからは、女性も高齢者も総動員していかなければなりません。

政府が、「女性活躍」やら「1億総活躍社会」などと言っているのは、この少子高齢化に伴うものです。

しかし、女性はともかく、高齢者に第一線で働いてもらうというのは、実際のところなかなか難しいと思います。

日本の雇用制度には定年制というものがあります。
一般的には60歳で定年退職となります。
そして、細かい話は割愛しますが、会社は社員を65歳まで雇用することを義務付けられています。
つまり、60歳定年、65歳まで再雇用という形をとっています。

どうして定年制なんてやっているのかというと、日本は今まで終身雇用制度を実施しており(最近は終身雇用制の崩壊が進みつつありますが)、しかも年功賃金制もやっていたので、ずっと雇い続けていると賃金が上がり続けてしまいます。
それを解消するのが、定年制だったわけです。
以前は、再雇用とはなかったので60歳で退職して、年金暮らしに入るのが一般的でした。
それが、年金受給開始年齢が65歳に引き上げられることになりました。
それに伴い、年金受給開始となる65歳までの間、無収入を回避するため、会社に雇用義務を課すことになりました。

そもそも、何で会社は60歳で辞めてもらおうと思ったのかというと、年をとると成長度も落ち、柔軟性もなくなる。意欲も落ちることもある。
でも、給与は高い!
生産性が低いのに、給与は高い。だから問題になってしまうのです。

なので、生産性の低い年配の方に対しては、定年制を駆使して一度退職金を払ってリセットし、現役時代の5割〜8割の給与設定にして再雇用するのです。

この定年再雇用の問題は、60歳でいきなり生産性が下がるわけではないということなのです。
考えてみればわかることですが、「60歳の誕生日前日」と「60歳の誕生日当日」で、何か能力が変わったりしますか?
するわけないですよね?
いきなり能力が低くなるわけではないのに、給与は下がるのです。
これは納得できないですよね。

とはいえ、実際問題として、生産性が低くなっている人はいるのです。
こういう人にいつまでも高い給与を払い続けるのは無意味でしょう。
若い社員たちも、どうして能力の低い人間に高い給与を払うのか理解できないと思います。

終身雇用制度も限界を迎え、緩やかに制度崩壊が進む中、今後の制度設計は納得感が大事だと思います。

若い時から働き盛りの年代にかけてピークを迎え、あとは50代や60代にかけて緩やかに下がっていく。
年配の社員も、60歳でいきなり給与が下がるのではなく、50代以降で生産性が低くなってきたら徐々に下げていく。
このほうが、自然だと思います。

とはいえ、全員が50代以降にピークを迎えるわけではありません。
さらに成長している方もいます。
そういう人は、課長や部長、役員になったりするので給与は上がり続けることになります。
そういう人は一部ですが。

大部分は、「ある程度は頑張るが、安全に定年までやりたい」という人ではないかと思います。
こういった気持ちだと、若い時のようにがむしゃらに頑張ったりはしないかもしれません。
しかも、給与は下がるわけですから、なおさらです。

ここで、タイトルにあるように、「年をとっても頑張って勉強して会社に貢献してくれる人の給与は下げない」というようにしたら、意外に頑張ってくれたという事例もあります。

大事なのは、何がやる気を起こさせるのかということです。
ある人は「お金」、ある人は「日々の声かけ」、ある人は「定時に帰れる」など、やる気スイッチは人それぞれです。

そのやる気スイッチを的確に見抜くことが、今後のマネジメントでは必須だと感じます。
ちなみに、中年男性だったら「お金」かなと思う。
もちろんお金が全てではありませんが、お金の心配は若者より中年男性の方があるでしょう。
頑張っても給与が下がるのと、頑張れば給与は下がらないのでは、だいぶ違うはずです。

まぁ、その頑張りが会社に貢献しているかどうかが問題ではあるのですが。
なので、少子高齢社会に向けた人事評価制度の構築が必要だと思います。

いずれにせよ、老いも若きも、頑張りが報われる社会になってほしいですね。



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