『すすめ！社労士くん』所長の仕事編

ピッ、ガチャ、ギィ・・

はぁ、やれやれ、今日は俺だけ出社か。コロナもまだまだ終わらんから職員さんのテレワークも続けていかんとな。

郵便物は・・、まったく、請求書だけはきっちり届くな、ブツブツ・・

プルルルル・・はい、社労士事務所Labです。

あれ？Lab先生？めずらしいですね、先生が電話に出るなんて。

ご無沙汰しています、生産財卸売業であるB社の総務担当のCさん。

担当のD職員さんにお願いしたいことがあるんですが。

すみませんね、今日は本人の希望もあって在宅勤務させてるんです。

そうでしたか、実は給与計算でお願いしたいことがあったんですが、先生ではわからないですよね？

・・・（うーん、確かに普段は3号業務中心だけど、ここでわからんって言うてもええんもんかどうか）

いやいや、私だって元々は給与も手続きもやってたんですから大丈夫（汗）

いやー、助かります。実は、これがこーであーでだからこういうふうに調整したいんですけど、どう処理すればいいのか相談したくって。

そうですか、とりあえず用件はわかりましたのでまた回答させていただきます。

ではお待ちしていますね。

ふー、やれやれ、だれもおらん時に限ってこういうややこしい依頼あるんだよな。でも、そのまんま職員にスルーパスしたら威厳なくなるしな・・とりあえずソフト立ち上げてっと。

ポチポチ・・

え～っと、B社の社員の、ｆさんの賃金台帳を出力っと。どれどれ、ふむふむ、あ～、なるほど、確かに年間累計がちょっとおかしいなぁ。

う～ん、依頼されたことをやるとなると、この項目でマイナスして、こっちでプラスしたら、累計がこう変わるからええように思うけど、累計だけで問題ないってしてええんかなぁ・・

プルルルル、あぁ！もうなんで一人の時に電話なるねん、もしもし。

おはようございます、先生。

おぉ、去年わざわざ名古屋から俺のところで修業したいって押しかけてきたうえに、最低賃金は東京のを適用しろと要求してきたDさん。

まだ恨んでるんですか？業務開始の連絡なんですけど。

冗談よ冗談。はいはい、運送業でいうところの朝の点呼ね。ちょうどよかった、実は朝イチに依頼があってな、これこれで・・

またですか？C社さん、こういうの多いですねぇ。

急に規模が大きくなったから追いついてないんやろな。

それで、用件を聞いただけでとりあえず終わったんですか？

まぁ、別にその場で回答してもよかったんやけど、担当はDさんなんやから、あとで回答するってしといた。

本当は普段やってないからわからんかったんでしょ？

なにおー、俺は忙しいねん（汗）

はいはい、で、私はどうすればいいんですか？

一応、俺のほうで賃金台帳出して累計見たらこうだったから、この項目でいくら、あっちの項目でいくらってしたらええんかなっと思うけど・・

５０点。

えぇ？だって累計はこれでそろうやん。

だーかーらー、累計はそろうかもしれないけど、項目そっちにしちゃうと課税がおかしくなるでしょ？

そーかー、社保とかならわかるけど課税まではいまだによくわからんなぁ。

おまけに、C社さんって当月徴収でしょ？先生の苦手な。

（ギクっ）

当月締め当月払いおまけに当月徴収ってややこしいのはなんとなくわかりますよね？

うん、ま、まぁな。

もういいですから、あとは私が回答しておきますんで。その代わり、先生は別の方向からC社さんと所長としての仕事してください。

別の？所長としての？

所長が3号業務からのアプローチしといてもらわないと、いつまでたってもC社さんがあたふたされるだけですから。

なるほどね。こういうことが続くってことは、制度疲労起こしてるもんな。あんまりこういうの表面化してなかったから、そろそろC社さんのお世話せんとな。

まぁ、でも先生も元々は1号2号のことやってらしたので、お客さんからの実務的な話がいちおう通じるのは助かりますけど。

はいはい、お役に立てて光栄です。

今回のことは、次回の賞与査定の加点ってことにしといてくださいね💛

ガチャ。

最後にちゃっかり恩を売られたわ。あーあ、これじゃ、3号業務ってカッコいいのか辛いのかわからんなぁ・・（遠い目）