木下しまか

小指の爪ほどの気力で生活しています。日々と雑念。

木下しまか

小指の爪ほどの気力で生活しています。日々と雑念。

最近の記事

  • 固定された記事

このまま何も残さず死んでゆくのか

という恐怖から登録したこのnote。 その運営から、4週間前に 「登録4周年おめでとうバッジ」 とやらが送られてきて、自分の腰の重さが心底嫌になり、タイトルがいよいよ現実味を帯びてきたため、これを書くに至る。 (それでも4週間かかっている) 私は映画「万引き家族」の柴田家が住んでいたような家で育ち、16歳から7年半ほど社会と距離を置いて、その後何とか手に入れた生活は収入的には普通以下とされているけれど、生まれてから今が一番裕福という人間。 家で短時間のパソコン仕事をしな

    • 雨の中、迸発する劣等感

      なんだか日に日に髪はパサパサになっている気がするし、顔のそばかすのようなものも増えているような気がする。食事制限と運動をいくら頑張っても体重も落ちづらい。物心ついた頃から持っているコンプレックスに、確実に、砂時計の砂が一粒ずつ落ちるように日々年齢がプラスされていくのを感じる。 先日、支払いをするためにコンビニに寄った。コンビニ自体、月に一度くらいしか寄らないからいつも少しだけ緊張する。 店内に入って最初に思ったのは、「あ、新しい店員さんがいる」だった。 すらっとした背に整

      • 夏の一コマ

        #夏の1コマ 前回の記事

        • あやちゃんの水筒には、甘くて冷たい紅茶が入っていた

          貧しい家に育ったので、他人を羨ましく思う場面は多かった。 この季節なら、夏休みに家族でディズニーランドに行った話や、プレーステーションを買ってもらって「ぼくのなつやすみ」で遊んだ話なんかを聞く度に、一緒に公園で遊んでいた友人達も実際は別の世界の住人だったんだなと思い知らされて、子供には到底言語化できない、とにかく嫌な気持ちになっていた。 子供の頃の夏休みは毎年一ヶ月間母方の祖母の家に預けられて、親戚に気を遣ったり、その土地の知らない子たちと一緒に盆踊りを踊ったりして過ごし

        • 固定された記事

        このまま何も残さず死んでゆくのか

          【月記】2024年6月/西村賢太を読み、歯を抜く

          6月は雨雲と気力が連動しているのではないかと思うほど無気力で、一日のほとんどを布団の上で過ごしていた。 紫陽花を見に出かける気にさえならなかった。 昨年は、誰某(だれそれ。28歳の時に初めて出来たパートナー(と呼ぶのも気恥ずかしいほど付き合いが長くなってきたので誰某とする)の鬱が一時は入院するほど重くなり、ほぼ毎日一緒に過ごしていた。 加えて、親が大病で無職となったために金銭管理その他に奔走し、自分のために使う時間はほぼなかったように思う。 多分、それらが一旦落ち着いて一人

          【月記】2024年6月/西村賢太を読み、歯を抜く