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左利きの話


 年に一回は左利きの話がバズってるのを見かけるのですが、最近ちょくちょく見掛けてて、どうしたんだろうなーと思ったら「すごい左利き」っていう本が流行ってる?注目されてる?みたいですね。読んでみたいなー。
 というわけで左利きの話です。久しぶりのnote、導入が雑。(割といつも)

 私は生粋の左利きです。
 大体「子供の頃右に持ち替えても気付いたら左に持ち替えていた」というのが左利きの人のルーツのようなのですが、私の場合「右で持たせたらすぐに物を落っことしてしまう(左ならちゃんと持ってる)」というところが始まりだったようです。実際中学生くらいまでは右手の握力が左手の半分以下だったので、本当に力がなかったんだな……という感じ。
 矯正は諦めた母、それでも右手の力があまりにもないことを気にしてくれて、子供の頃の習い事はピアノでした。習字とかそろばんとかやらせたかったけどな~っていうのを聞いたのは大人になってから。すまんかった。まあピアノのおかげで右手もへたくそなりに使えるようになったんだと思うんですが、別の問題、私、手が小さい。今でも鍵盤ドからぎりぎりシ届くか届かないかくらいじゃないかな。それがすっごい苦痛だったのか何だったのか、ある日ぴたっとピアノが嫌になってやめちゃったのでした。その後の右手の訓練は多分ゲームだと思います。ありがとうコントローラー。そしてパソコンのキーボードとマウス。
 マウスといえば何で右手で使えるの?ってたまに聞かれるんですけどマウスは右で使うものだと思ってるからです。左で持っても使えるけど別に。右でテンキー叩きながら左でメモしたり右でマウスいじりながら左でメモしたり出来るからこの辺便利だなって思ってます。あと私のマウスはスーファミのマリオペイントのハエたたきで鍛えられた。ありがとう任天堂。やっぱりゲームやないか。ゲームは偉大だな。

 そして私、所謂「左利き用の道具」が全く使えません。

 だって世の中右利きのもので溢れてるんだもの。いつでも左利き用のものが使える訳じゃないでしょう、という教育方針で、私はずっと「左利き用の道具」があることすら知らずに生きてました。も~~~~~めちゃくちゃ感謝している。不器用ではありますが、その辺にあるもの使って生活出来るので。わざわざ探して買いそろえる必要もない。お陰様で私が目の敵にしてるのはよく話題に上るスープレードルくらいです。あれはだめ。存在を抹消してやりたい。見た瞬間スープ飲むの諦める。
 普通に生活してて左利きだからこそ不便なことって本当に割とたくさんあるんですけど、でも、「それが普通」と思って生きているので、あんまり苦労はしてません。ごはんの時、席座る場所によっては箸があたるから気を遣うくらいかな。身体が自動的に対応して動くから、若干つっかえることはあってもちゃんと動けるというか。
 まあ左でも鉛筆とお箸はちゃんと持てないしナイフとフォーク使うのへたくそだし何にしろ不器用なのは変わらないしな!はっはー。何の取り柄もないけど鏡文字書くのだけは結構上手いです。自慢すな。でもほんと、私が左利きであることで諦めたのはお筝やりたい!くらいかな。音楽の授業でちょこっと触ったことはあるんですが、なんせ絃が弾けないんですよね……どないもならん……諦めの境地に至る……。

 私は左利きって何もすごくないと思っていて、それは多分自分の右手がアホか?というくらい何も出来ないからです。両利きにはどうしてもなれなかった左利き。みんな右手使えてすごいな、って思う。私もマウス以外のもの右手で使える人間になりたかったな!とは思うのですが、何度チャレンジしても読める字が書けない右手なので、諦め。ていうか何やってもマウス以外右での持ち方が分からない。子供の頃にもうちょっと力があれば何か変わってたのかもしれませんね。
 左利きなの?って聞かれるのも、左手使えてすごい!って言われるのも、よくある日常の1コマで。でも私からすれば右利きなの?右手使えてすごい!って世界なので、10人に1人と言われても何も特別じゃない、恐らく最も身近に感じられるマイノリティなのだよな、と思います。すごいのは両利きのひとたちです。いや本当に。
 多分、きっと、世の中の左利きのひとたちは、「右利き社会に言いたいことや腹立つことは山ほどあるけど、それはそれとして順応して生きてるから気を遣ってくれるな」が大半だと思ってるのですが、どうなんでしょう。私の周りは割と左利き多い方だと思うのですが、大体「左右で喋られると分からん!お箸持つ方は右じゃなくて左なんだよ!」っていう愚痴しか聞いたことないです。これは大体「箸持つ方が右、お茶碗が左……桜星さんは逆ね」みたいなことを言われ続けて、混乱を極めた結果だと思うのですが。うんまあ、左右の教育方法は変えて頂いた方がいいな……。

 左利きであることを嫌だと思ったことはないし、世の中が右利き社会であることもどうしようもないことなので。
 それでも別段、左利きが特別じゃない世の中にもう少しなればいいなあ、とは思う昨今なのでした。

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