糖質の基本を解説！冷やすと甘くなる果物とは？

糖質は私たちの主要なエネルギー源です。今回はこの糖質について化学の知識がいらない程度に、少しだけ踏み込んだ解説をしたいと思います。

糖質の基本！単糖類とは？

糖質というとご飯やパンなどの主食や砂糖などの甘味料を想像する方が多いと思いますが、これらについて知るにはまずは単糖類というものについて解説する必要があります。

今回解説する単糖類は2つだけです。ただ、単糖類って構造が少し複雑だったり、形が変わったりして構造を学ぶのは少し難しいんですよね。なので今回は簡単に下の図のように表します。

ちょっと簡単すぎますが（笑）今回は種類の違う2つの単糖類がある、という認識だけで大丈夫です。

グルコースはブドウ糖とも呼ばれ、生物にとって重要なエネルギー源です。私たちはグルコースを分解することでエネルギーを得ています。後で詳しく解説しますが、ご飯やパンなどの主食に含まれるデンプンは、このグルコースがいくつもつながったものです。

もう一つの単糖類であるフルクトースは果糖とも呼ばれ、果物に多く含まれます。ちなみに甘さはフルクトース＞＞グルコース。フルクトースはめちゃくちゃ甘いです。

果物は冷やした方が甘い？

果物に多く含まれるフルクトース（果糖）は、冷やすと甘味が増すという性質を持ちます。よって、フルクトースを多く含む果物を冷やすと甘くなるということなんですが、果物によって含まれるフルクトースの量が違います。

ぶどうやりんご、梨、スイカ、キウイなどはフルクトースが多く含まれるため、冷やすと甘みが増します。

しかし、みかんや桃、柿、バナナなどはフルクトースが比較的少なく、甘味の主成分がグルコースなどであるため、冷やしてもあまり甘味が変わらないと言われています。

二糖類について

二糖類は2つの単糖類がつながったものです。今回は2種類の二糖類を紹介します。

まず、2つのグルコースがつながった二糖類であるマルトースです。

マルトースは後でまた出てくるので、ここでは少しだけ解説します。

マルトースは麦芽糖（ばくがとう）とも呼ばれ、甘さはかなり弱いですがほのかな甘味を持ちます。マルトースがよく使われているのは水飴ですね。水飴の主成分がマルトースなんです。

次に重要な二糖類がスクロースです。スクロースはグルコースとフルクトースが１つずつつながったものです。

スクロースはショ糖とも呼ばれ、これは簡単に言うと砂糖のことです。日本でよく使われる上白糖の97％以上はスクロースでできています。お菓子作りなどによく使われるグラニュー糖では99％以上がスクロースです。

よってスクロースの甘さというのは砂糖の甘さとほぼ一緒なので、みなさんも甘さを想像しやすいと思います（というか砂糖を舐めればわかります笑）。

このスクロースの甘さはグルコースよりは甘いですが、フルクトースよりは甘味が弱いです。甘味の強さをまとめると、フルクトース＞スクロース（砂糖）＞グルコース＞マルトース、となります。

多糖類（デンプン）について

多糖類はいくつもの単糖類がつながったものです。多糖類として一番有名なものはデンプンですね。デンプンはご飯やパンなどの主食に多く含まれます。さっきも出てきましたが、デンプンはいくつものグルコースがひたすらつながったものです。

図はデンプンのごく一部で、実際には数千個とか、数万個とかの大量のグルコースがつながった巨大な物質です。

このデンプンが生物の消化と呼ばれる過程で1つ1つのグルコースに分解され、血液中に入りエネルギー源として使われます。

デンプンには甘味がありません。しかし、「ご飯をよく噛んで食べるとほのかな甘みを感じる」と学校で習ったり、実際に感じたことはありませんか？これは唾液中の消化酵素（アミラーゼ）によりデンプンがマルトースに分解されるためです。

ちなみにこの唾液による分解ではマルトースまでしか分解されず、グルコースにはなりません。甘味はグルコース＞マルトースであるため、甘味はほのかにしか感じられないわけです。

糖質と糖類の違いは？

糖質という言葉と、糖類という言葉がありますが、これらは少し違いがあります。糖質は単糖類、二糖類、そしてデンプンなどの多糖類をすべてを含みます。しかし糖類は単糖類と二糖類しか含みません。

このように糖質と糖類という言葉には違いがあります。ですので「糖類ゼロ」と書いてあっても、デンプンなどの「糖質」は含まれるという商品もあるようです。

糖質の基本について、理解できたでしょうか。少しでも面白い、と思ってもらえたらうれしいです。