見出し画像

待ち望んだダークホース

タミヤのキャンパスフレンズセットⅡが2020年10月に発売されました。発表されてから3ヶ月あまり、模型が好きなフレンズである私の頭の片隅に常に居座っておりました。まさに待望と云う表現になるでしょう。このセット、Ⅱと云うからにはⅠも勿論あるわけなのですがこの初代セット、なんと発売されたのは1983年、今から37年前です。あの頃にフレンズを作ったキャンパスフレンズももう還暦です。シリーズ二作目にしてもう孫です。凄いですよね。正直なところ多分初代セットそのものを覚えている人の方が少ないと思います。市場在庫は少数ですがありますが80年代のフレンズなので本当におじいちゃんが手に取って「あの頃は希望に満ちておった」とか云いながら振り返るアイテムに今はなっています(断言)。なぜ令和の今、40年近い年月を経て続編が出たのでしょうか。

そもそもタミヤのフィギュア(人間の模型と云う意味合いです)は他メーカと比べて異質なところがありまして、一般的なメーカは粘土もしくは3Dソフトを使ってフィギュアを作成するのに対して、最近のタミヤのフィギュア班(噂では1人だとか)は人体をスキャンしてそのデータを元にフィギュアを作成すると云う手法をとっていると云う事です。何が違うかと云うとタミヤのは人体そのものをスキャニングしているので、意志の介在しない生の情報が一次原型になる訳です。その後、原型師による手直しが入る訳ではありますが、初手で人の解釈(想像)が入らないので、昔のタミヤのフィギュア(手びねりで作っていた頃)と比べてみると、その精度は一目瞭然です。戦車模型など35分の1ですから170センチの男性で5センチ程度のサイズ、八等身なら顔は6ミリ程度と云う極小のサイズに、眼球のモールドがはいっているんです。誰が塗れるのでしょうか。話を戻そう。詰まり最近のタミヤのフィギュアは限りなく精度の高い人体の縮小と云うとんでもないフィギュアを添え物として出してているということなのです。パーツの分割は勿論、塗装方法に至るまで全く新しい何かを生み出してしまったと云う経緯があります。

最近は以前に比べて3Dモデリングが盛んなことより、リアル系フィギュアの注目度が上がり色んな人やメーカがリアル系フィギュアを出しています。女性フィギュアも市場には沢山あります。しかしながら3Dスキャンのフィギュアプラモデルと云うものはほぼ皆無です(マックスファクトリーが出していますがスケールモデルとは少し違います)。タミヤはスケールモデルメーカです。この特異技術を持ちながらも女性フィギュアをほぼ作りません(会社の意向だとおもいますが)。先に1度ロードスターのプラモデルに女性ドライバーが付属したのが最後、所謂女性フィギュアをタミヤはどのスケールにおいても作ってこなかったのです。こんなに素晴らしい技術を持ちながら、凄いフィギュアを提示し続けているのにも関わらずです。硬派ですね。そのタミヤから、女性のフィギュアが出たんです。しかも往年の、今はもう誰も知らないであろうキャンパスフレンズセットの続編として。この冗談みたいな話、誰が想像出来たでしょうか。あまりに嬉しくて2つも買ってしまいました。頭部が選べる構成になっているので組み合わせで何度も楽しめることでしょう。タミヤのスキャンフィギュアは本当に塗装が難しいのでこれから先の楽しみがまた1つ増えたことだけは確かなのです。誰もがもしやと思い誰もがまさかと思ったこのセット、向こう40年楽しみながら塗り方を模索していきましょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?