小学生の頃、先生にいたずらされてました。

今、当時の事を思い出しても、どこか他人事のような感覚があります。

子どもだったので、性的な事についての善悪は分かるわけもなく。
また、私は大人しく親との会話もあまりなかったので、学校での出来事を報告することはありませんでした。

あいつ(先生)の表情や動作を思い出した時、俯瞰して考えると気持ち悪く思うのですが、触られた時の自分の感覚を思い出した時、なんだかあやふやな気持ちになります。

ただ、あいつ(先生)から漂う苦くて冷えた香り。
今思えばタバコの香りですが、これが大人の男の香りなんだと印象づけられたように思います。

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私が小学校3年生の時、赴任してきたあいつは、私の3・4年生の担任になりました。

当時あいつは25・6歳だったと思います。
固太りの体形で眼鏡をかけていました。
あまりいい印象ではなかったのを覚えています。
眼鏡の奥に見える、細く鋭い目付きが怖く感じました。

あいつは、生徒から嫌われていました。
若さ特有の面白い話をしてくれたりして、楽しく思うときはあったのですが、悪いことをしてしまった時の叱り方がとても感情的で、みんな恐怖を感じていたし、なぜ怒られているのか分からない事もあったのです。
怒りの着火点がはっきりしないので、できれば接点を持ちたくない。
そんな奴でした。

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巾着

あれは、体育の授業の後、着替えが終わり、教室に女子が数人残っていた時、あいつが教室に入ってきました。
あいつを含めて何かの話をしていた時、あいつが

「巾着ってしってるか?」

と聞いてきたのです。
私たちは袋の巾着の事かと思っていましたが、「スカートで巾着を作るんだ」と言ったのです。

「ちょっと、やってみようか。こっちにおいで」

と、私のほうに手を差し出してきました。

「腕組みをして。」

「スカートめくるよ、ごめんね。」

そう言って、あいつは私の前に立ち、スカートの裾の左右を両手で持ち、私の顔の横まで引っ張りながらめくり上げました。

ブルマーをはいていたものの、足は丸出しの状態で、いくら女子しかいないとはいえ、とても恥ずかしい気持ちになりました。

「スカート短いからできないけど、スカートが長かったら頭の上で縛るんだ。そしたらスカートが巾着袋っぽく見えるだろ?」

「いじめのひとつとして、巾着っていうのが流行ってるんだ。気をつけろよ。」

もし、今はいているスカートがもっと長かったら、本当の巾着ができあがってしまう。
顔を隠されて周りが見えなくなる事と、自分の知らないところで下半身があらわになってしまうという事に恐怖を感じました。

周りの女の子達も、戸惑いや恐怖を感じたのでしょう。次々とあいつに話しかけていたと思います。

とりあえず、巾着の話が終わったのでスカートを下ろしてくれるのかと思っていたら、

「なぁ。水野(仮名)」

「いま、巾着やられて、どんな気持ち?」

と、まだスカートをめくられた状態の私に聞いてきました。
その時私はなんと答えたのか覚えていません。あいつがどんな顔して聞いてきたのかも覚えていません。

なかなかスカートを下ろしてもらえないのが恥ずかしくて、すごく嫌な気持ちだったのを覚えています。

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キスしてやる

休憩時間だったと思います。
生徒が先生の周りに集まって、ワイワイキャァキャァじゃれつく光景はよくある事だと思います。

どのような状況だったかわかりませんが、私の記憶の中で、教室の椅子に座ったあいつが私の両腕をつかみ、ニコニコとした顔で私の顔に向かって唇を尖らせ、キスをせまっているんです。

周りでは数人の子供たちが、囃し立てているのか気持ち悪がっているのかわからないような声を発していたように思います。

そして、あいつは

「キスしてやる~。チューー!」

と言って、顔を近づけてきました。

そのあと本当にキスしてきたのか、途中でやめたのかは記憶にありません。
ただ、両腕をつかみ逃げられないようにしてキスを迫ってきているあいつの顔を思い出すのが、つらいです。

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自分のアソコを書いてみて

小学校4年生になると、保健体育の授業が始まり、男女の違いについて勉強します。

その時は、男女の性器の違いについての授業で、あいつが教えていました。
黒板に絵を書きながら、男性性器について説明していました。

そして、女性の性器の話に移った時、

「誰か、女子で自分のアソコを見たことがあるのはいるか?」

と聞いてきました。教室内で少しどよめきが起こった記憶があります。

少しして、

「じゃぁ、水野(仮名)」

「ちょっと前に出てきて。」

と、私を指名してきました。
みんなの前に立たされることがとても恥ずかしくて戸惑いました。
席を立って黒板の前まで行き、黒板を背にしてみんなの前に立ちました。

「絵、上手だったよね。自分のアソコを書いてみて」

その瞬間、体がカッと熱くなったのを覚えています。
そもそも自分の性器に興味をもった事などなく、ましてや、実際に見た事なんて一度もありませんでした。
それでも、40人近くいる皆の前で、見たこともない私のアソコの絵を黒板に書かないといけないなんて。

きっと、「見たことないので書けません」と言えば、書く必要が無くなっていたんだと思いますが、当時の私は「人の期待に応えなくてはいけない」と、顔を真っ赤にしながらチョークを強く掴んでしばらく固まっていたと思います。

そして、どうにか、2本の縦線の間に英語のYを書きました。
そう書けば女の人の下半身に見えるというのを思い出したのです。

すると、あいつは、

「それが、水野のアソコなのか?」

と聞いてきました。

「....はい」

と、顔をぐっと下に向け、少しでも皆に顔を見られないようにしました。
そのまま席に着き、「ここからいなくなりたい!」と強く思いました。

今にして思えば、あいつが期待したのは、小陰唇や大陰唇などを書かせようとしていたのでしょうが、私にはわかりませんでした。

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触診

私は子どもの頃、よく頭痛や腹痛、発熱を繰り返していました。
後に病院の先生に言われたのは、自律神経失調症です。

調子が悪くなるのはたいてい学校に行く前か、学校が終わり帰宅した後でしたが、学校にいる間に調子が悪くなったことが1度だけありました。

あの日、何限目かの授業が終わった後お腹が痛くなり、担任のあいつ(先生)に伝えようと思いました。

次の授業は移動教室だったのか、周りの教室は誰もいないようで静まり返り、その階の廊下にはあいつだけしかいませんでした。

「先生、お腹が痛いので保健室に行きたいです。」

あいつを呼び止め、そう伝えました。
すると、あいつは私の前まで歩み寄り、しゃがみ込んで私の顔をまっすぐに見てきました。
その瞬間「ドキッ」としたのを覚えています。

「お腹が痛いのか、大丈夫か?」

「どこが痛いか、確認するからね。ごめんね。」

そう言って、スカートの中に手を入れ、私のお腹をさすりました。

「ここが痛い?」「それともここ?」

そう言いながら、反対の手を私の腰に当てて支えにして、私のお腹を押して痛いところを探り始めました。
あいつの両手に挟まれる体制になったことで、居心地悪く感じました。
しばらくの間、お腹のいろんなところを押されていたと思います。
特に、お腹の下あたりをずっと触られていました。
軽く押されるたびにおトイレに行きたくなり、漏らさないように我慢していたので覚えています。
お腹を触られている間、時々、私の少し斜め前にあるあいつの体のほうへ自分の体が引き寄せられる事を少し恥ずかしく感じました。

その後、どうしたのかはもう記憶にありません。あいつはお腹を触るのをやめ、私は保健室に行ったんだと思います。

私のお腹を触っていたあいつの手は、少し震えていたのを覚えています。

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ひざの上

記憶にあるのは、放課後。
窓や戸を締め切られた教室には、あいつと私だけ。

黒板のすぐそばにある先生用の机の椅子に、あいつは足を広げて座っていました。
あいつは、私を股の間に入るようにして引き寄せ、自分の左足に私のお尻をのせ、左手で私の背中からお尻を支えるようにしていました。

なぜそのような状況になったのかは分かりません。

時々、あいつが私の左足を動かして、あいつの足をまたぐような座り方にしたりしていました。
その座り方が居心地悪くて、左足を動かされるたびに、私は足をもとの位置に戻して座りなおしていました。

また、あいつは、右手で私の背中やわき腹をくすぐってくるので、私はこそばゆくてあいつの上で動いてしまうのですが、それを、あいつは左手で私を自分のほうへ引き寄せて動かないようにしていました。

体が密着した時に、あいつから苦くて冷えた香りがして、初めて嗅いだ香りに何とも言えないざわついた気持ちになりました。

何度かくすぐられているうちに、私が足を開いてあいつと向き合って座る格好になりました。
その時、あいつは、背中をくすぐっていた右手を、私の脇腹からお腹にもってきてくすぐり始め、次の瞬間、私のスカートの中に手を入れ、太ももやアソコをくすぐり始めたのです。

パンツ越しにアソコをくすぐられた時、妙な違和感を覚えました。
わき腹や太ももはとても敏感なところなので、その刺激から逃げたくなるのですが、アソコをくすぐられた時は、あまり刺激を感じないものの、何か違う感覚がある感じがして、でも、その感覚は何なのかよく分からなくて。
多分、その時の私はキョトンとした顔をしていたと思います。

何度かくすぐられるうち、あいつは、太ももの内側にあるパンツを少しずらして、きわどいところを触ってきたのを覚えています。

その後、私はどうしたのか覚えていません。
逃げたのか、されるがままになっていたのか、あいつが途中でやめたのか、記憶にないので分からないままです。

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小学校5年生になったとき、担任が変わりました。
担任が変わってからは、あいつに何かをされた記憶はありません。

小学校6年生の時、私たちのクラスは、5・6限を使ってあいつについて担任の先生と話し合ったのを覚えています。
あいつに理不尽に怒られたこと、怒られた時に胸元をつかまれて揺さぶられた事、蹴られたこと、気持ち悪い事をされた事など。
これまであいつにされた事を、私も発言したのかは覚えていません。
ですが、クラスのみんなはそれぞれに、泣きながらあいつにされた事を発表し、先生は泣きながら私たちの話を聞いてくれました。

その後、あいつはどうなったのか、あまりよく覚えてません。
ただ、卒業式の時には、あいつの姿はありませんでした。

大学生になって、小学校の時の友人と会った時、あいつが結婚していることを聞きました。
私たちが小学校を卒業して数年後ぐらいの時に、同級生と結婚したそうです。
「あんなやつでも結婚できるんだ」と小ばかにした気持ちの他に、なんだかモヤモヤとしたやりきれない、悲しいのか悔しいのか、嫉妬なのか軽蔑なのか分からない、表現できない気持ちが浮かんできました。

あいつの結婚を聞いた時に感じた私のあの感情は、性犯罪者に対する軽蔑だったと信じています。

もしかしたら、私はあいつにもっといろんな事をされていたのかもしれません。あいつが担任だった小学校3・4年生の時の記憶は、その他の記憶と比べてひどく曖昧なものになっているように感じます。
それなのに、あいつにされたいくつかの事は、はっきりと覚えているのです。

ただ、もう、当時の事は他人事のようにしか感じておらず、「私」を構成する過去の一出来事としてここに書いた次第です。

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読んでくださる方がいらっしゃるんだと分かると、心強く感じます。

最後まで読んでくださってありがとうございます! ありがたく頂戴いたします!