BandcampをFree Downloadにした後の考察

2020年4月8日にSP RECORDSではBandcampでほぼすべての音源をFree Downloadにしました。

たくさん拡散いただき、アナリティクスは以下のような感じ。

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Free Downloadにした理由はたくさんありますが、そのひとつとして「挑戦」があります。

Free Downloadにすることで今まで購入いただいていた方々、取り扱っていただいたレコード店やディストロの中には快く思わない方もいるかもしれません。いや、いるでしょう。
しかし、「いろいろなことを考えすぎて、いろいろなしがらみに捉われすぎて一歩が踏み出せない」よりも、自らの信念に基づいて行動することが大事なのではないかと私は思います。

「挑戦」は「ストリーミングとフィジカルの差別化」です。

昔は「音楽を聴くためにはフィジカルを購入しないといけない」というのが当たり前でした。

サブスクリプション形式のストリーミングが台頭する今、「音楽を聴くこと」に関しての敷居は下がったかと思います。それは「音を楽しむ」という「音楽」の本来の姿かもしれません。

もはや「フィジカル」は「音楽」とは別物に考えていくべきではないかと私は考えました。
そして「フィジカル」に対して一つ一つへの思い入れが増えていけばよいなと。
CDを買ってPCに取り込んでCDはほったらかし、よりも
高校生の頃に、なけなしのお金でCDを買って歌詞カードを穴が開くほど読んでいたような、あの感覚。

STAY AT HOMEの手助けもありますが、自分自身の挑戦も兼ねて、ほぼ全音源のFree Downloadを決行しました。

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あれから数日が経って、おもしろいデータが見えたので、ここにご紹介をさせていただきます。

まずは実際のダウンロード数。

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直近30日のデータですが、ダウンロード数が453!

「453曲」ではなく「453タイトル」です。
私が自信をもって世に出した音楽がそんなにたくさんの方たちに聴いてもらえていると思うと胸が熱くなります。

そして試聴数。

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1066再生!

こちらはダウンロードではなくBandcamp内で再生された曲の数になります。
私が自信をもって世に出した音楽がそんなにたくさんの方たちに聴いてもらえていると思うと胸が熱くなります(2度目)

そしてここからがおもしろいデータなのですが、Free Downloadを始めてからフィジカルの注文が一気に増えました。

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緑で囲ったところが販売数。Bandcampは100%海外からのオーダー。
今まで月に1回あればいいくらいのオーダーが一気にこの数に。本当にありがたい話です。

これにより「音楽の単純接触機会が増えればフィジカルの購入率が上がる」という仮説が立てられます。

ビジネスでやっているレーベルではないので、もったいぶるよりも、たくさんの人に聴いてもらって、よりたくさんのフィジカルが売れるとしたら、本当に最高なんじゃないかと私は思います。

Bandcampもボランティアではないので無制限でFree Download出来るようになっているわけではありません(レーベル側でFree Downloadチケットを購入して用意するみたいなイメージ)
フィジカルの売り上げがある程度吸い取られていきますが、たくさんの人が喜んでもらえるなら、痛くもかゆくもありません。

この記事が、どこかの誰かの何かの参考になれば幸いです。


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