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「思考の旅」を経たSpreadyタグライン誕生秘話〜Spreadyタグラインリニューアル記念対談(後編)

前半は、タグラインってなに?と加来さんからお話を伺いしました!
ではSpreadyはどうやってタグラインを作ったの?決めるまでは大変だった?没案は?などについて、当時を振り返りながら、株式会社サインコサインの加来さんとSpreadyCEOの佐古で対話形式でお送りします。

サービスのグロースを支えるためにタグラインを変える

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佐古:日常で、人を紹介してつなげるという行為としては存在しますよね。だけど、それがサービス化されていなかったからSpreadyを立ち上げたわけです。なじみのある行為だから、どんなサービスでどんな世界観なのか、僕たちは伝えているつもりだったんです。でも、全然伝わっていないことが課題でした。

世の中に普及させるためには、みんなが普段使っている言葉を使って説明してすることが必要。だけど、自分たちではそれが生み出せなかったんです。以前は「ご縁つなぎプラットフォーム」としていたのですが、「ご縁つなぎ」って人によって捉え方が違うんですよね。これは、サービスのグロースにも影響するのではないかと考えて、加来さんにお願いしました。

佐古:もう1つのグロースの課題に、Spreadyはカオスマップに載ったことがないんです。「こういうものだよね」と何かしらのジャンルにカテゴライズされる必要があると思いました。
加来さんは、Spreadyの第一印象はどうでしたか?

加来:素直に共感しました。だからこそ、「ご縁つなぎ」じゃないかも?と思っていて、当時「誰でも気軽に役に立てる」みたいな説明だった気がするんです。

佐古:全く思い出せない(笑)

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加来:ソーシャルキャピタル(社会・地域における人々の信頼関係や結びつきを表す概念)に基づいて、探す人、紹介する人、紹介される人すべてにメリットを生んでいるのがSpreadyの特徴。僕がSpreadyに対して共感していたからこそ、ですよ、これがわかるように反映されるべきだという気持ちが入っていたかもしれないです。

佐古:一言で理解、共感してもらう表現が難しい。

加来:良い意味でタグラインは壮大であるべきなんですけど、でも「気軽に」も入れたい。となると、当事者としてはどの要素もメッセージとして捨てたくないですよね。悪い意味で正反対のものが共存しているから、伝わりにくいメッセージになってしまっていたんです。

どんな案がでてきた?

加来:では、Spreadyはどのようなタグラインを宣言するべきか。
Spreadyの本当の価値は「この人がいたから出会えた」だと思うんです。第三者による絶妙なマッチングにより、これ以上ない出会い・あっと驚く出会い・普通はありえない出会いを創出する。だけど、これは決して軽く簡単なことではないことを一番伝えたいのではないか。
なので、「気軽に、誰でも」は優先度下げて案を持っていきましたね。
この時点で、「信用によってマッチする」がキーワードになっていました。

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(タグライン候補の一部)

佐古:この案をみて、「信用」と「信頼」を再認識しましたね。「Spreadyの価値って何ですか?」て聞かれたら、間に人が介在していることなんですよ。この価値をどう表現するかが難しい。

たとえば、間に人がいるからクオリティが高い、と言えちゃうんですけど、それは方向性と全然違うんです。そこで出てきた「信用」と「信頼」が価値を表現する言葉としていいのではないか、と腑に落ちましたね。

加来:より深めるために、信用と信頼の違いを調べたんです。

信用 これまでの実績を頼る(過去)
信頼 これからの未来に頼る(未来)

それで信用なのか、信頼なのか、サービスとしてどちらが大事なんだろう?と議論になりました。たどり着いたのはSpreadyはそのどちらもあると気付いたんですよね。過去の実績である信用があるから、未来を任せようと信頼されるし。信頼されたことで信用が生まれる。信用・信頼する/される人、対等に覚悟を張り合っているから循環が生まれていく

Spreadyの世界観でいうと、人と企業の関係が本当の意味で対等。だからこそ、信用だけでもなしえない、信頼だけでもなしえない。それで、たくさんの案の中で、信用と信頼というワードが両方が入っているタグラインでいこうとなりましたね。

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佐古:3回目の会議ではネーミング会議。もともとサービス名も変えるつもりで、案を出してもらっていました。「Selendy」「Selendip」「Dipity」「TRUSTY」「CREDIT」「SHIN」「LILI」など14案ほど出してもらいましたね。結局、名前は変更せずに、タグラインの下のステートメントも提案してもらったものでいくことにしました。

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だけど、最後にサービスの「ジャンル」を決める名前が、なかなか出てこなかったんですよね。

加来:「コラボレーションSNS」を決めたのは最後でしたね。

佐古:サービスの価値をどの切り口で伝えるか。「マッチング」という言葉にも違和感がありました。Spreadyは、一時的な関係性ではなくて、未来にもつながる持続的な関係性を作っているんです。もしかしたら、「10年後に、実はあの時のSpreadyがきっかけで、こんな世界になりました」となってほしい。

となると、Spreadyは何なのか?「ソーシャルキャピタルSNS」「社会資本型マッチングコミュニティ」「セレンディピティSNS」「コミュニティメイキングサービス」とかいっぱい出してもらいましたね。未来と夢がつながる言葉がいいよね、と言葉を調べて「コラボレーション」がおりてきたんです。

加来:相互に作用しあう、信用と信頼がかみあった時にコラボレーションできる。コラボレーションという訳が一段階深まったかと思います。

サービスの人生を考える「思考の旅」を経た先に見えたもの

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佐古:実は加来さんとの会議のあと、毎回「思考の旅」に出ていた気分でした。毎回、帰り道に共同創業者の柳川と議論が発生していましたね。

加来:会議でお会いすると、前回からすごく考えてくれてたんだなと伝わってきました。

佐古:どんな人なの?何のために生きているの?というのを瞬時に答えられない。自分たちでも忘れる。そもそもSpreadyこういう風に生まれたよね、て。言えないとダメなこと。だからこそ、市場に受け入れられているサービスは、自分たちの答えを出しているから、支持されていると感じました。僕たちはまだまだなので、サービスを進化させていかないといけないですね。

加来:人に例えると人生の進路を考えているのと一緒ですね。プロダクトの人生を考える。「このサービスはどういう人生を歩みたいの?」と。答えのない問いだから辛い。でも、先延ばすともっと辛い。大学に行くにしても「とりあえず大学に行く」という思考、「医者になりたいから医学部へ行く」では人生が全然違うと思うんですよね。

佐古:「あなたはどんな生き方をしたいんでしたっけ?」を突きつけられてましたね。加来さんのプロセスがコーチングに近かったです。加来さんのインサイトが深く、僕たちに伴走してくれたからこそ、いろんな角度から問いを投げてくれた。僕たちだけでがやろうと思ったら、合宿などで何十時間もかけるしかなかったと思います。

加来:その経験を踏まえてこれからは、サービス内容に反映させていく物差しにしてほしいですね。「タグラインに反することは勇気を持ってやらない」そういう風に使ってもらえると嬉しいです。サービス使う側にも覚悟を求める。

佐古:サービスの覚悟を決めたことで、変化もありました。このプロジェクトが終わったあと、どんなことでも必ずコンセプトから考えるようになりましたね。会議が始まる前にコンセプト考えたり、noteの記事を執筆する時でも、なぜこれを書くのか?この記事は何のためにあるのか。最初にコンセプトを決めるところに時間を使うようになりました。

加来:いいですね。行動や考え方にポジティブな影響がでるのは、言葉ができる以上の価値だと思います。プロセスを一緒に経験したことで、いい影響を出ているのは僕としても嬉しいです。

以上が、Spreadyのタグライン誕生秘話でした!
4/3には新しくサービスページをリニューアルしましたので、ぜひそちらもご覧ください!


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