『I hate this game』ゲーマーが持つ「ゲームの常識」を吹っ飛ばしてくれる。徹底して「騙される」ゲーム
タイトルは『I hate this game』、価格は定価217円と格安。
その第一印象は、モノクロ&簡素なドット絵で描かれる、80年代PCを思い出すようなアクションゲーム。
…と、見た目だけでそう思った人は、すでに騙されている。プレイすればそれを実感する。
1画面、シンプル、そして「斜め上」
ゲームのストーリーとして「主人公はネット上で、とある広告にまんまと引っかかり『史上最高のゲーム』と書かれたものをダウンロードして実行する。すると突然PCの世界に飛ばされてしまった!」と、実に簡素な映像で説明される。
まず1ステージ目では、画面に操作説明が書かれている。キーボードで移動とジャンプ、と共に、マウスを使って
Spoiler(妨害。ゲームで言えば『ネタバレ』)
「…?」と思いつつ、とりあえずジャンプして画面右のドアに行けばクリア。
でも、先にあるステージでは飛び越えられない大きさの穴。その画面には「Move Something(何かを動かす)」と書かれている。
…何をどうやって動かす?
この謎について答えを言ってしまうと…
マウス操作で「ドアを掴んで移動させればいいのだ!」。
これがゲームの本質だ。
本作において、ステージをクリアする方法は全て「ドアを開けて部屋を出る」のみ。画面には常に「動かせ!」「止めろ!」「描け!」など何かが書かれている。その鍵を握るのはマウス操作。
時にはパズル、時には謎解き、時にはアクションなど、様々な解法があるが、どれもが「ゲーム」という範囲で考えてはいけない、常に斜め上の方向に答えがある。そんな謎解きが100ステージ強。
これは最初から最後まで、徹底してプレイヤーを「騙す」ゲームだ。
ゲームの「常識」に対する挑戦
本作をプレイしていて気付いたのは、自分の中にはいつの間にか「ゲームの常識」が存在していること。
ドアに行く前に大きな穴が開いている…ジャンプするしかないだろ?壁がある…進めないだろ?何もない…どうしろと?
このゲームは、そんな常識をことごとく潰してくる。
ゲームに「ゲーム」というルールなんてない、自由な発想で作られるもの。そう思っていたはずだが、いつの間にか忘れている。
本作はそんな、常識で固められてしまったプレイヤーに対する挑戦と言える。
と言っても、謎の多くは「制作者は俺らをなめてるのか?」と思うようなもので、解法が分かった時に、つい「やられた!」と思ってしまう。
そして、プレイした後で言いたくなるだろう。
「I hate this game!(私はこのゲームが嫌いだ!)」と。
追記:Steamレビュー
Steamレビューに、同様のものをアップしました。
Steamレビュー:I hate this game
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