マガジンのカバー画像

アート関連

12
私の美術館レポート、アートに関する記事を掲載しています。
運営しているクリエイター

記事一覧

国立国際美術館ニュース

大阪の中之島にある「国立国際美術館」 https://www.nmao.go.jp/ ここで配布している冊子『国立国際美術館ニュース』をよく読んでいる。 タイトル通り、美術館の情報を掲載している冊子で、季刊(3ヶ月ごと)の発行。 ただ、国立国際美術館は昨年8月からリニューアル工事のため半年間の休業と、入院で行くことができなかったため、先日は3冊まとめてもらうことになった。 内容は、開催中の美術展に関するものにとどまらず、美術に関するコラムも多い。執筆陣も美術館の関係者だけ

『Triennale Game Collection 2』ゲームによって「知らないこと」を知る

公式サイト『Game Collection Vol. 2 | Triennale Milano』 2022年発売、無料で楽しめるミニゲーム集。 これは、イタリアのミラノで2022年に開催された美術展の出展作で、アートに主軸が置かれたミニゲーム5作品を収録。 スマートフォン向けとしても作られているため、全てマウスのみで操作できる。 Steam:Triennale Game Collection 2 iOS:Triennale Game Collection 2 Androi

『Triennale Game Collection』ゲームで味わうアート

公式サイト『Game Collection Vol. 1 | Triennale Milano』 2016年発売、無料で楽しめるミニゲーム集。 元々は2016年にイタリアのミラノで開催された美術展の出展作で、収録される5点の作品は全て「アート」に主軸が置かれている。 現在はPC向けにSteamで、スマートフォンやタブレット向けにiOS、Androidで、いずれも無料で配信中。操作は統一されているため、PC版は全てマウスのみで可能。 Steam:Triennale Game

アートが題材の映画3本に観る、芸術の魅力

今は映画をインターネットで、Amazon Prime VideoやNetflixというサブスクリプションから手軽に観ることができる。その中には人気作品も多い中、劇場ならミニシアターや公開すらされないような小規模な映画も多い。 便利な時代ではあるが、その中から、私が印象に残っている「アート」を題材にした映画を取り上げてみたい。 岸辺露伴 ルーヴルへ行く2023年公開、日本映画。 人の記憶を本のようにして読む特殊能力を持つ漫画家・岸辺露伴が、この世で最も「邪悪な絵」と言われる「

「現実を仮想する」VR美術館を味わう

今年は春頃から「外出自粛」と言われ続ける世の中、あらゆる業種が閉鎖やイベントの中止が相次いで、ステイホームと言われ続ける時期が長く続いた。 私は休日に、美術館やアートに関するイベントに行くことが多い。そのような趣味を持つ者にとっても、大きな影響を受けている。 例えば、関西在住の私にとって、2月末に京都で開催予定だった、大規模なアートフェア「ARTISTS’ FAIR KYOTO 2020」が中止。 京都市内で3月にリニューアルオープン予定だった「京都市京セラ美術館」もイベ

美術手帖 特集「アニメーションの創造力」

先日読んだ本について。 美術手帖2020年2月号 特集「アニメーションの創造力」 『美術手帖』は名前の通り、アートに関する情報や批評・考察などを収録した雑誌で、隔月刊で発行されている。取り上げる題材は絵画や彫刻などに限らず、映像作品や、今回のように日本の「アニメ」を特集することもある。 この2020年2月号の特集は「アニメーションの創造力」。主に2010年代に制作された作品から、美術雑誌ならではの視点で「現代のアニメーション」を紐解いていく。 国内・海外・ゲームまで

国立国際美術館『インポッシブル・アーキテクチャー』・建築家達が求めた「夢」を観る

美術館で開催される展覧会と言えば、絵画や彫刻、オブジェなど「アート」と呼ばれるものが展示されるが、時には全く異なるもの、一見アートとはかけ離れたように思えるものも「美術作品」として展示されることもある。 現在、国立国際美術館で開催中の展覧会では、そんな「作品」が展示されている。 国立国際美術館『インポッシブル・アーキテクチャー』 ここにあるのは全て「建築」、中でも「実現されなかった建築物」の構想図や図面、3DCGで作られた映像などが展示されている。それらを観ることで、作

『京都国際映画祭2019』アート鑑賞。芸人も学生も「誰でも・何でも」ありの楽しさ

先日、京都で行われたイベント『京都国際映画祭2019』のために足を運んだ。 『京都国際映画祭』とは、文字通り京都で開催される映画祭だが、映画に限らずアートの展示会やイベントなども各所で行われる。開催時期は毎年10月中旬、まさに「芸術の秋」の風物詩となっている。 私の目的は、この中でもアートの展示。 映画を観たいとは思っているが、アートも映画も両方というのは、時間と体力的にきついので願いは叶わず。 舞台は小学校、ただし「元」アート展示の主な会場は、京都市下京区にある『元

私がVRで味わいたいのは「リアルではないもの」~SR(代替現実)の世界

画像転載元:MIRAGE これは、過去に私のブログ『Blog - 19XX』に書いた記事のnote転載版。 これを書いたのは2016年3月、ちょうど『PlayStation VR』が発表され、すでに発売済のVRデバイスも含め、各社のVRシェア争いが始まると言われていた時期。 現在、VRと謳っている主なものは、PC用の『Oculus Rift』『Vive』、ゲーム機の『PlayStation VR』、任天堂は段ボールで組み立てて遊ぶキット『Nintendo Labo』シリ

『INDUSTRIAL JP』機械と音楽の融合、その中に見える人の姿

私達の身の周りは、パソコンなどのコンピューター・家電・自動車など、多くの機械がある。その機械は、バネ・ネジ・歯車などの部品で構成されるが、その数は、1台につき数千~数万種類という膨大なものとなる。 それら一つ一つの部品や製品そのものは、工場で稼働する「産業機械」「工作機械」と呼ばれるものによって生産される。 それは、言わば「機械を作るための機械」だ。 その機械が稼働する様子を映像として収録し、オリジナル作曲の音楽を合わせることで、工業が持つ魅力を引き出そうとする。そんな目的

『artKYOTO』重要文化財の中で味わう異空間

先日、京都の二条城に足を運んだ。というのも、ここでアートに関するイベントがあるため。 artKYOTO - 世界遺産二条城が舞台の国際的アートフェア - ここで行われているのは、美術品の展覧会ではなく『アートフェア』。簡単に言うと「美術品の展示販売会」で、展示品の多くはその場で購入することもできる。 このイベントに出店しているのは、主に京都・大阪・兵庫・東京・愛知に店舗を構えるアートギャラリー。また国内だけでなく、海外からの参加もある。 メインとなる会場は、二条城境内に

国立国際美術館『ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道』で、芸術と歴史を味わう

今回は、大阪・中之島にある、国立国際美術館に足を運んだ。 ここで現在開催されているのが、 『ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道』 ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道オーストリアにある都市・ウィーン。「芸術の都」と言われたこの場所における、芸術と文化を追った展覧会。 展示されているのは、19世紀初頭から作品。この時代の文化や政治、住む人の生活や娯楽、19世紀後半に行われた万国博覧会、そこから20世紀にかけて近代建築が発展し、印刷物の普及によって