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ウクライナ人の私と植物工場

こんにちは、スプレッドnote編集部のユーリストロガノフです。タイトルに出てくるウクライナ人とは、私のことです。
この記事では植物工場との出会いや、ウクライナから見た植物工場のイメージについて紹介したいと思います。

自己紹介

「なぜスプレッドにウクライナ人が」と不思議に思う方がいらっしゃるかもしれませんので、まずは自己紹介させていただきます。
ちなみに「ウクライナ人」は冗談でもなんでもなく、正真正銘、筆者の出身です。

日本から1万キロ以上離れた、蜂蜜とボルシチが美味しい東欧の地に生まれた筆者ですが、高校時代に漫画『ナルト』をきっかけに日本に憧れ、そして親の反対を押し切って大学で日本語を専攻しました。
一年間の留学を経験し、卒業後、夢だった日本での就職を果たしました。通販ショップでのカスタマーサポート勤務などを経て、スプレッドへの入社とともに植物工場というものに出会いました。

ユーリ高校時代

筆者の高校時代。後ろに見えるのは黒海

植物工場との出会い

スプレッドの求人情報を見て、初めて「植物工場」という単語に出会いました。面接の時に「室内で太陽の光を使わずに野菜を育てる技術」という説明を受け、「そんなことできるのか、すごすgrце дивовижно!!просто чудово… я вражений!」コホン。失敬。どうも、興奮してしまって母国語が出てしまったようです。
いずれにしても、漫画のみならず日本の技術が大好きな私は感激し、そしてすぐにスプレッドに入ることを決意しました。

植物工場のキーポイントともいえる「水と光さえあれば野菜は育つ。
土は不要、光は太陽でなくても良い」という原理は意外にもすっと腑に落ちました。大学で受けた生物学の授業が役に立ったかもしれません。
授業で習ったのは、生命が海から陸に上がったばかりのころ、現代のような土はなく、古代の植物は水が豊富な海辺にしか生息できなかったこと。
死んでいった植物の何層にも積もった死骸が今の土になり、それを栄養源とした次の世代の植物が一歩一歩、陸に上がれたーという話ですが、
つまり、植物は土がなくても育つ生き物だということがわかりました。

古代植物_光合成

※私の理解

ウクライナから見た植物工場

あまり知られていないのですが、実はウクライナは農業大国です。
世界で有数の非常に肥沃な土壌を誇り、国土面積の約 7割が農地となっています。 (日本は12%)
カロリーベース自給率も世界4位(!) で、なんと192%。 (まさかの100%越え。日本は37%)
「夜に苗を植えたら、翌朝には木になる」ということわざがあるくらい、農業に適した土地といえます。
古くは「欧州の穀蔵」とよばれ、現在もヨーロッパ諸国に小麦や他の農産物を輸出しています。

ウクライナ_畑

ウクライナ国旗の由来にもなった麦畑と青空

このような事情から、植物工場を含めた農業の効率化を進める必要性を、ウクライナ人はあまり感じていないと思われます。
農業人口もまだまだ健在で、何より植物工場の知名度が低いため、一般の人にとって工場野菜はきっと奇妙奇天烈なものに見えるのでしょう。
耳をすませばウクライナ人の植物工場アンチの声が聞こえそうな気がします。

「あんなもの、食えやしないさ」「こんなの野菜じゃねーだろう」「よくまあ、こんなおかしなことを考えるもんだ」「шо то таке. не хочу навіть дивитись!!」
※あくまでも筆者の想像です。

しかし、最近になってウクライナでも植物工場のスタートアップができたというニュースを耳にし、早速写真を手配しました。社名は「シャースチャ・ズドローブヤ」で、ウクライナ語で「幸せと健康」を意味します。やはり我が祖国でも持続可能な農業が認められ始めた証なのかもしれません。温かく成長を見守りたいと思います。

幸せと健康

写真は特派員の母から。母さん、ありがとう!

各国のニーズ

以上のように、現時点では日本からウクライナに進出し、植物工場を展開するのにまだまだ早いという結論になろうかと思います。
では、他の国はどうか?
次の記事で詳しく各国の事情を分析していきたいと思いますので、ぜひぜひご覧ください!
ウクライナ人の私と植物工場の出会いのお話でした。最後までお読みいただき、ありがとうございました!до побачення(ではでは)!!

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