マガジンのカバー画像

アニメになった児童文学から見えてくる世界

29
1975年から2009年まで (1997年から2007年まで中断) 放映されたアニメ世界名作劇場シリーズなどの作品をめぐる考察。
運営しているクリエイター

#映画

アニメになった児童文学から見えてくる世界<18>:「大切に思ってる」ではなく「愛してる」

アニメになった児童文学から見えてくる世界<18>:「大切に思ってる」ではなく「愛してる」

世界名作劇場「名犬ラッシー」(1996年1月から8月まで放送) 全二十六話を見ました。とても感銘を受けたので、原作のLassie Come-Homeを世界に知らしめた、1943年に制作された古典名作映画も続けて鑑賞してみました。

この有名な実写映画を見たのは初めてのことでした。古典中の古典ですね。70年以上前の映画ですので、ネットで合法的に無料鑑賞できますよ。

1943年の映画 Lassie

もっとみる
アニメになった児童文学から見えてくる世界<17>:文明力の変化、技術的革新の歴史

アニメになった児童文学から見えてくる世界<17>:文明力の変化、技術的革新の歴史

またアニメ世界名作劇場ですが、全部で26作もあるシリーズ、半分以上は見たのですが、いまだ見たことのない有名な作品もいくつかあります。

今回見ることにしたのは、1996年に地上波のアニメとして放映されて、デジタル放送がテレビの世界を席巻しようとしていた頃、世界名作劇場の人気は低迷して、シリーズとしては唯一の打ち切り作品となった「名犬ラッシー」です。

映画やテレビドラマで既によく知られていた人気作

もっとみる
アニメになった児童文学から見えてくる世界<12>:ロードムービーの魅力

アニメになった児童文学から見えてくる世界<12>:ロードムービーの魅力

1975年より毎年放映されていた、アニメ世界名作劇場は、1996-1997年の「家なき子レミ」を最後の作品として一時中断して、十年の空白期間を置いて、2007年に「少女コゼット・レミゼラブル」において再開。

しかしながら、再開後第三作目の「赤毛のアン」の前日譚である「こんにちはアン」をもって、アニメ作品としては異例の長さの二十六年に亘った長い歴史を終えました。

日本経済が活性化に向かえば、世界

もっとみる
アニメになった児童文学から見えてくる世界<11>:心の闇を描く「わたしのアンネット」

アニメになった児童文学から見えてくる世界<11>:心の闇を描く「わたしのアンネット」

1983年(昭和58年)の世界名作劇場作品「アルプス物語・私のアンネット」。

子供の頃にテレビ放送で毎年続けて見ていた世界名作劇場だったのですが、この作品は当時は途中から興味を失ってしまい、最後まで見ることができなかったものでした。2022年になってインターネットで39年ぶりに見ることができました。

ちなみにアンネットという名前、英語版原作ではAnneteで、英語圏ではよく知られたアネットとい

もっとみる
アニメになった児童文学から見えてくる世界<9>:カトリの故郷フィンランド

アニメになった児童文学から見えてくる世界<9>:カトリの故郷フィンランド

フィンランドという北欧の国に興味があります。

ロシアとスウェーデンという大国に挟まれ、両国からは緩衝国として歴史的にいずれかの国に支配されてきた悲しい歴史を持ちます。

特に覇権国家ロシアのお隣に位置すると言う運命は現在においても、ただ単に中立であることは許されず、ウクライナ情勢の悪化によってロシアの侵略が現実味を帯びてゆく中、2022年4月現在、中立国フィンランドのNATO加盟が取り沙汰されて

もっとみる