【今週のリフレクション】科学的な適職(鈴木祐氏)

今週は改めてキャリアについて考えてみたくなり、鈴木祐さん著「科学的な適職」を振り返ってみました。ざっくり4点で要約すると・・

1.就職・転職の失敗は視野狭窄が原因。自分の幸福が最大化される仕事が適職。それを実現するには、①幻想から目覚め、②未来を広げ、③悪を取り除き、④歪みに気づき、⑤やりがいを再構築する、5つのステップ(AWAKE)が必要。

2.仕事選びの7つの幻想。①好きを仕事には×。仕事を好きになるほうが幸福度が高い。②給料が多いは×。年収4〜500万あたりから幸福度は上がりにくい。③業界・職種で選ぶは×。未来は専門家でも予測できない 。④楽な仕事は×。適度なストレスは幸福度を高める 。⑤直感は×。自己正当化に終わる。⑥性格テスト、⑦適性検査は×。妥当性が心許ない。

3.逆に、①自由(時間・裁量)、②達成(フィードバック)、③焦点(攻撃タイプ・防御タイプ)、④明確(ビジョン・信賞必罰)、⑤多様(仕事の関与)、⑥仲間(似た人)、⑦貢献(他人への影響)。これが揃えば、どんな仕事でも幸せになれる。

4.プロセスとして、時間・職務の乱れを入社前に確認する(悪を取り除く)。次に、①10/10/10テストで10年後、②プレモータムで事前検視、③イリイストノートを三人称、④友人を頼ってFBでバイアスを外す(歪みに気づき)。最後に、ジョブクラフティングで自分の仕事を価値観にもとづいて課題→関係性→認知の順番でとらえ直す(やりがいを再構築する)。

振り返って「好きな仕事」ってなんだろう?と思いました。

キャリアを考えるときの古典的なフレームワークとして「Will・Can・Should」が登場します。やりたいこと・得意なこと・社会で必要とされることの交点を仕事にしましょう、というやつです。これは素晴らしいフレームワークで、本当にその通りだと思います。

そして、この3つは1つ1つが大きいほど交点が重なる可能性は高くなるので、1つ1つを育てましょうと語られます。ではどこから最初に育てるべきなのか?それは「Can」です。得意なことを増やすプロセス=学びの中からやりたいことが見えてきたり、社会で必要とされることが見えてきます。

しかし、ここに罠が隠れているようです。一生懸命努力をしてスキルや知識を磨いていくと、仕事やプライベートでアウトプットをすると感謝される機会が増えます(得意なことだから当たり前ですが)。そうすると、それが「Will」だと思い込んでしまう罠にはまりやすくなります。

例えば、私は人材育成に長く携わっているので、どうしても人材育成を起点にWillを考えてしまいがちです。コーチング、児童教育、ラーニングプラットフォームなどなど。もちろん、1つの切り口としてはあって然るべきアプローチだし、自然な流れだと思います。ただ、本当にそれだけでいいのでしょうか?

ここでポイントになるのが、本の言葉を借りると、自由・多様・フィードバックだと思います。自由に動いて、社内外の人的ネットワークで多様性に触れ、自分についてフィードバックをもらうことです。自分が得意だと思っていたことは社外では通用しなかったり、自分では普通だと思っていたことがすごく感謝されたり。こんなプロセスからキャリアの視界が広がるように思いす。

働き方改革で徐々に自由な時間は増えていると思います。この時間を敢えて今までは避けていたようなタイプの人に触れる機会に積極的に充てることも1つの選択肢かもしれない、と改めて考えさせられました。

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