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澤田栄一から皆様へ

ウクレレとの出会いが、旅のはじまりでした。
元々楽器の演奏経験が乏しかった自分に音を奏でて楽しむことを教えてくれたのが、小さくて愛らしい楽器、ウクレレでした。

楽器の製作家になることを志して楽器店に就職した僕は、フォークソングが好きだったし、憧れのアコースティック・ギターブランドを扱っていたアコギの店舗にまずは入りました。
その後、ウクレレ専門店に異動したことをきっかけにウクレレ演奏に夢中になり、毎日弾きまくるほどハマっていきました。

一方、旧来の仲だったSPORTS MENのメンバー二人の作る音楽は学生時代から好きで、前身バンドの頃から応援していました。
そんな二人が、ウクレレにハマった僕をサポートとしてバンドに誘ってくれたときは、本当に嬉しかったです。それから一年ほど経ったのち、自ら志願して正式メンバーとして加入しました。

ウクレレって、南の島でハワイアンをポロポロ〜♪というイメージだと思います。
ある種その伝統的な姿は、楽器としてのウクレレの真実ですし、本来あるべき形だと考えていますが、小さな民族楽器でも美しく流暢なソロ弾きをする演奏家がいたり、現代の音楽シーンにも順応する可能性を秘めた楽器だとも思っています。その可能性を広げることに自分もほんの少しでも貢献できればという思いで、SPORTS MENの活動を続けてきました。

そんな自分にとっても集大成となるニュー・アルバムがついに完成しました。
全身全霊の音が刻まれているので、是非、耳を傾けてくれたらと思っています。
そして、これが僕がメンバーとしてバンドに関わる最後の作品となり、SPORTS MENから脱退します。
ひとり、部屋でウクレレをポロリと鳴らしはじめてから、仲間と合奏して作品づくりをするまでへと辿り着いた、僕の音楽の旅はここでひと区切りとなります。

当たり前のような話ですが、楽器って音楽なしでは存在しないと、音楽活動を通して、改めて感じるようになりました。弾いて、奏でて、初めて道具としての価値が生まれる。
バンドから貰った音楽に感謝して、これから楽器の製作家になるための修行の道を一歩ずつ進んでいきます。
僕は音楽がずっと大好きですし、今後も音楽に寄り添う楽器、ずっと残る楽器が作れたら最高だな、と思っています。
残念ながら、このnoteでの製作日誌も志半ばながらここで終わることになりますが、いつか、一人前の職人になって作った楽器が世の中に認められるように、日々努力を続けていきます。

素晴らしくて貴重すぎるバンド活動を共にしてくれた豊田くん、中村くんには心から感謝をしています。そして、SPORTS MENの今後の音楽には大きな期待をもっていて、とても楽しみでずっと応援しています。

最後に、SPORTS MENを聴いて下さっている皆さま、本当にありがとうございました。
音楽は残ります。これからも僕たちの音楽を好きでいてくれたら嬉しいです。

澤田栄一

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