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ANAさんの機内食について

食物アレルギーがあっても旅行に行きたい。そういえば機内食ってどんなだっけ?という私の思い付きで、ANAさんへお邪魔させてもらいました。
商品企画部の方と広報部/客室乗務員の方からお話を伺いました。
気になっていたバリアフリーパンについてたくさん質問させていただきました。(画像は全てイメージです)

―ANA様はいつ頃から食物アレルギー患者に配慮した取り組みをしておられるのでしょうか?

約20年前から本格的に食物アレルギーについて考えるようになりました。
お客様から食物アレルギーに関するご意見が増えてきたのがその頃でした。
当時は現在ほど食物アレルギーという言葉が浸透してはいませんでしたが、困られている方がいるならばお力になりたいと考えました。

―ANA様のアレルゲン対応食について教えてください。

弊社の機内食は基本的に弊社機内食工場にて製造しております。
ですが、その工場は食物アレルギーに配慮したお食事を作る専用工場ではございません。そのため弊社のアレルギーミールは辻安全食品さんの専用工場で製造されたものをお出ししております。
弊社の機内食工場にてアレルギーミールを製造することも検討いたしましたが、機内食工場ではパンも取り扱っておりますので、小麦粉等の成分が他の食材や食器・調理器具に混入する可能性が考えられました。その様なリスクを回避し、食物アレルギー患者様の安全を第一に考えると、やはり食物アレルギーに配慮した専門工場で製造されたお食事をご提供しています。

ANAさん2

―アレルギーミールの中でも、ANA様が2018年9月より提供されているバリアフリーパンについて詳しく教えてください。

アレルギーミールのパンは、2018年8月までは今のパンとは別の既製品のものを提供していました。ですが、より美味しくするためにコスモバイタル株式会社様からアレルギーフリーのパンをご紹介いただきました。
食物アレルギーに対応できるだけでなくグルテンフリー商品であり、宗教上のお食事にも対応しているということで、非常に価値のあるものと思いました。約9ヵ月試行錯誤し、ようやく皆様にお届けできるようになりました。

―9ヵ月も・・・!

はい。機内食仕様に仕上げるのにかなり苦労しました。
最初にコスモバイタルさんからバリアフリーパンをご紹介いただいた際は、当日焼いたパンをその場で温めてくださったものを試食しましたので美味しく頂くことができました。
しかし、機内食はレストランとは違い、作ったものをすぐにお客様にご提供することは出来ず、調理したものをお客様が上空で召し上がるまでに時間が空いてしまいます。更に、上空は大変乾燥しておりパンがどうしてもパサパサしてしまいますので、バリアフリーパンに関しても機内食のお時間に美味しく召し上がっていただくためにアレンジする必要がありました。
それらの障壁をなくすために、機内食工場のベーカリーシェフがベストな水分量や発酵時間を模索していきました。機内で美味しく召し上がっていただきたいというこだわりと、安心安全の基準をクリアしたい想いがありましたので、コスモバイタル様とお互いにコミュニケーションを密にとりながら作っていきました。

―そうだったのですね。スペシャルミール(アレルギー対応食やその他の特別機内食のこと)のオーダーは多いのですか?

スペシャルミールのオーダー数は、2017年実績で約60万件ですね。ちなみに2014年だと約10万件でした。2018年3月には食物アレルギーのお子様向けの食事が誕生したように、ミール数が増えていることも要因の1つですが、すごい勢いで増えていると実感しています。
この60万件の中にも内訳といたしましては、お子様向けのお食事のチャイルドミールが1番多いです。次はベジタリアンミールですね。バリアフリーパンは年間の国内外発(ANAの全便)で約10万件オーダーがあります。

―規模が大きすぎて60万件というのが全く想像つかないです・・・。

弊社は年間で約1,000万人(2019年度実績)の方にご利用いただいております。スペシャルミールのオーダー数が60万件なので6%。その中でアレルギーミールは約10万件のオーダーですので約1%となります。

―お客様へスペシャルミールをお届けする際の決まりなどはあるのですか?

各クラスに1人ケータリング担当の客室乗務員がおります。その担当者が、お客様が飛行機に搭乗された際に、「〇〇様ですね?今日はこのような食事をオーダーされていらっしゃいましたよね?」という確認をします。そして確認済みのお客様にそれぞれの機内食をお持ちするという手順になっています。
座席にて我々客室乗務員がスペシャルミールをお渡ししようとしても、お連れ様同士で席を変わっておられることも多いので最初に確認するようにしています。

ANAさん3


【みなさんからお預かりした質問を、きいてきました!】
①先日アーモンドが表示推奨に加わりましたがANAさんの機内食はどうなりますか?

アーモンドの20品目表示推奨食材への追加については、9月19日の消費者庁発表を受け、準備が整い次第ホームページ等でご案内を予定しています。

②他のお客様の持ち込み食料に関して今後対策はとる可能性はありますか?
今の所はございません。ただ、食物アレルギーをお持ちのお客様がいらっしゃる際はどの程度のアレルギーかを伺うようにしています。例えば、ピーナツアレルギーのお客様がいらっしゃったときは、隣の席のお客様がピーナツを食べているだけで何か症状が出てしまうのか、もしくは口に入れなければ大丈夫なのか。状況に応じてアレルギー症状が出ないよう留意しながら対応させていただきます。
何か不安に思われることがありましたら、お客様だけで考えられなくてももちろん大丈夫です。私たちも一緒に解決策を探しますので、もしそういう状況になりましたら躊躇せずにお知らせいただければと思います。

③ANAさんは機内食にピーナッツを使用しないとうたっておられますが、やはりピーナッツアレルギーの人でもアレルギー対応ミールを頼むべきですか?
国際線・国内線では、機内で提供している飲食物には、落花生を食材として選定せず取り除く努力をしております。ただし、調理・製造段階において落花生を含む原材料が使用されている可能性がありますので7品目除去のアレルゲン対応食をオーダーしていただきたいです。

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書きたいことが多かったのですが、頑張って端折りました。書ききれなかった部分で、Tastes of JAPANの取り組みのお話が個人的に興味深かったです。最後にリンクを貼りますので覗いてみてください。

スペシャルミールは事前に申し込む必要がありますのでご注意ください。アレルゲン対応食に関しては日本出発便は24時間前までに、日本到着便は48時間前までにANA電話窓口で申し込まなければなりません。
ちなみにANAさんはピーナッツアレルギー患者のために特別清掃もしてくださります。こちらも事前申し込みが必要です。

食物アレルギーがあると旅行はハイリスクだなとどうしても思ってしまいますが、ほんの少しでも前向きな気持ちになっていただけたら嬉しいです。

バリアフリーパンについて:
https://www.ana.co.jp/group/pr/201808/20180823.html

スペシャルミール(特別機内食)について:
https://www.ana.co.jp/ja/jp/international/departure/inflight/spmeal/
ピーナッツ(落花生)アレルギーのお客様へ:
https://www.ana.co.jp/ja/jp/international/departure/inflight/spmeal/peanut.html
個人的に興味が湧いたANA様のTastes of JAPANについて:
https://www.ana.co.jp/ja/jp/japan-travel-planner/tastesofjapan/


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