【MLBドラフト】2024ドラフトレビューARI編

上位10人の簡易レポと総括になります。

凡例
ラウンド(全体指名順位) 名前(Name):ポジション:投打:身長/体重:出身校:契約金額(ボーナススロット)
簡易レポ




1(29) スレイド・カルドウェル(Slade Caldwell):OF:左投左打:5-9/182:Valley View HS:$3.09M($3.05M)

小柄ながらもバットスピードの速いスイングでハードヒットを量産することができる。ピッチセレクションも優秀でゾーン外のボールには滅多に手を出さない。スピードは平均を大きく上回り、走塁で活かされている。守備ではアームの弱さがネック。


PPI(31) ライアン・ウォルシュミット(Ryan Waldschmidt)OF:右投右打:6-2/205:Kentucky:$2.9M($2.9M)

強烈なバットスピードとコンタクトスキルを同居させる打撃が最大の魅力。極端なアッパースイングをやめたことで確実性が増し、打撃成績が著しく改善された。ピッチセレクションに優れゾーン外のボールを無理に追いかけることはしない。膝の手術を受けたため自慢のスピードに陰りが見えるが、CFをこなせる程度には走れる。


CBPA(35) JDディックス(JD Dix):SS:右投両打:6-2/180:Whitefish Bay HS:$2.15M($2.63M)

コースを問わずヒットゾーンに打球を飛ばせるヒッティングがベストツール。状況に応じて打球を広角に飛ばすスキルを有している。パワーも平均レベル。守備ではスキル・スピードともにSSに残れる素質はあるが、昨秋の肩の手術の影響が気になるところ。


2(64) イバン・ルチアーノ(Ivan Luciano):C:右投左打:5-10/185:El Shaddai Christian Academy:$900K($1.32M)

打撃では広角にラインドライブの打球を飛ばせるヒッティングツールが魅力。フラットなスイング軌道のため長打数は多く期待できないが、ローパワーは低くない。守備ではアームの強さが光るが、そのほかは及第点。


3(103) ダニエル・イーガン(Daniel Eagan):RHP:右投右打:6-4/205:Presbyterian College:$650K($717.7K)

90マイル前半の速球とウライダー、カーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で96マイルをマーク。利き手側に浮き上がるような軌道を見せる4シームを投じる。その4シームと対になる大きく縦に割れるカーブはスピードが殺されており、緩急をつけて打者の体勢を崩す。スライダーも空振りを奪える球種。


4(132) タイタス・シセル(Tytus Cissell):SS:右投両打:6-2/185:Francis Howell HS:$800K($535.8K)

今春身体能力の高さにスキルが追い付いてきて評価を上げた。打撃ではローパワーの高さが魅力。現時点ですでにバットスピードの速いスイングを披露しているが、まだまだサイズアップできる余地があるためさらなる飛躍が期待される。コンタクトスキルには若干の難あり。守備では最低でもIFに残れるとの見方が多い。


5(164) コナー・フォーリー(Connor Foley):RHP:右投右打:6-5/235:Indiana:$1M($392.3K)

90マイル中盤の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で99マイルをマーク。最速のスピードが出なくとも浮き上がる軌道で空振りを奪える4シームを投じる。チェンジアップと小さく曲がるスライダーはいずれもアウトピッチに使える球種。デリバリーが安定せず、あからさまにゾーンを外れるボールが多くなるのが欠点。


6(194) メイソン・マリオット(Mason Marriott):RHP:右投左打:6/198:Baylor:$241K($305.2K)

90マイル前半の速球とカーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で95マイルをマーク。4シームを好んで投げるがムービングは安定せず、フラットな軌道になりがち。ベストピッチはカーブ。回転数が多くストライクゾーンを大きく縦断するかのよう変化を見せる。長いイニングを投げるとコントロールにボロが出るためプロではリリーフに専念。


7(224) ルーク・クレイグ(Luke Craug):LHP:左投左打:6-2/205:UNC Wilmington:$190K($240.6K)

90マイル前半の速球とスライダーのコンビネーション。速球は95マイルにも届かない球速だが、シンカー系の速球はムービングで空振りを奪える球種。このシンカー系の速球とスライダーを内外に投げ分け空振りを狙いつつ、弱い打球を誘うことができている。


8(254) トラビス・ガーネット(Travis Garnnett):LHP:左投右打:6-6/225:William & Mary:$175K($202.8K)



総括

 当初の予想通り全体100位以内に保有していた4個の指名権のうち3個を高校生の指名に使用。いずれもサイズは小柄ながらもスピードやヒッティングに優れるセンターラインを守れるタレントでここ数年のARIの方針を貫いたように見えます。
 唯一の大学生野手となったライアン・ウォルシュミットは1巡目のスレイド・カルドウェルがパワーアップに成功した未来の姿のような選手。
 上位を占めた野手陣はいずれも見どころの多い選手で指名権を大量に保有したアドバンテージを余すところなく使い切ることができました。
 投手陣は中位からの指名となりましたが、極端なアンダースロットを狙うことなく基本的にはバリューピックとなりました。速球派と一芸タイプの投手をそれぞれ2人ずつ指名。いずれもローテーションに食い込むのは難しいかもしれませんが、リリーフとしてならメジャーに昇格できる可能性は高いでしょう。


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