【MLBドラフト】2021ドラフトレビューSF編

上位10人の簡易レポと総括になります。

凡例
ラウンド(全体指名順位) 名前(Name):ポジション:投打:身長/体重:出身校:契約金額(ボーナススロット)
簡易レポ


1(14) ウィル・ベドナー(Will Bedonar):RHP:右投右打:6-2/229:Mississippi State:$3.65M($4.04M)
90マイル中盤の速球とスライダー、カーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で97マイルをマーク。4シームと2シームを上手く使い分け、打者の的を絞らせない。カーブ、スライダーともに優秀なボール。チェンジアップの改善が待たれるところ。サイズ、コントロール共に先発としては申し分なし。


2(50) マット・ミカルスキ(Matt Mikulski):LHP:左投左打:6-4/205:Fordham:$1.2M($1.47M)
90マイル中盤の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。デリバリーを見直したことで球速が上昇し、今では最速98マイルをマーク。キレのあるスライダーとブレーキのかかったチェンジアップを組み合わせ三振の山を築く。コントロールは平均レベル。シニアである点と大学がマイナーカンファレンスだった点が評価にどう影響するか。


3(85) メイソン・ブラック(Mason Black):RHP:右投右打:6-3/230:Lehigh:$710.7K($710.7K)
90マイル中盤の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。大学で徐々に球速を上げ、ついには100マイルの大台目前までスピードアップ。ただ速いだけでなくノビもあり、高めで空振りを奪える一級品。常々ブレーキングボールが課題とされてきたが、それも改善傾向にあり欠点をなくしつつある。コントロールも悪くなく、評価を急激に上げる可能性も。

4(115) エリック・シルバ(Eric Silva):RHP:右投右打:6-1/185:JSerra Catholic HS:$$1.5M($502.3K)
90マイル前半の速球とスライダー、カーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で97マイルをマーク。コンスタントに90マイル中盤をたたき出せる馬力を有している。アウトピッチは鋭く曲がるスライダー。チェンジアップも上手く扱うことができている。全ての球種をストライクに投じるコントロールを有しているが、ピンポイントへのコマンドは発展途上。


5(146) ロハン・ハンダ(Rohan Handa):LHP:左投左打:6-3/210:Yale:$347.5K($371.6K)
90マイル中盤の速球とスライダーのコンビネーション。速球は昨年まで80マイル中盤程度だったが、コロナウイルスによる自粛期間中に地元のピッチングトレーニングの施設出入りしているうちに最速で98マイル近くをたたき出せるようになった。2シーム系の速球にスライダーを組み合わせ短いイニングで真価を発揮。インド系のイェール大学出身という珍しい出自を持つ。


6(176) セス・ロンズウェイ(Seth Lonsway):LHP:左投左打:6-3/195:Ohio State:$300K($281.8K)
90マイル前半の速球とカーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で96マイルをマーク。ノビのあるフォーシームで高めに投げて空振りを奪う。アウトピッチは大きく鋭く変化するカーブ。奪三振能力は非常に高いが、コントロールが滅法悪く、プロでも先発として使えるかは微妙なところ。ファンキーなオバースローのデリバリー。


7(206) ニック・シナコラ(Nick Sinacola):RHP:右投左打:6-1/190:University of Maine:$197.5K($220.2K)
90マイル前半の速球とスライダー、スプリットのコンビネーション。速球は最速でも92マイル程度と球威不足。昨夏取り組んだスライダーの球速上昇が功を奏し、キレも増して空振りを奪えるようになった。スプリットと共に強力なアウトピッチを手に入れ奪三振能力が向上。コントロールも悪くなく、ローテーション4~5番手レベルの実力を有している。


8(236) イアン・ビラーズ(Ian Villers):RHP:右投右打:6-6/245:California:$217.5K($176.3K)
90マイル中盤の速球とスライダー、カーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で98マイルをマーク。この球速をいつでも出せる馬力を有している。アウトピッチはカッターとも称される小さく鋭く曲がるスライダー。チェンジアップやカーブも投げるが、スライダーと比べると後れを取っている。コントロールは悪くないが、コマンドはアバウトで長い回を任せるよりはリリーフとして短いイニングを全力で投げる方が向いているだろう。


9(266) マット・オルセン(Matt Olsen):RHP:右投右打:5-11/185:Central Arizona College:$147.5K($155.3K)

10(296) ボーン・ブラウン(Vaun Brown):OF:右投右打:6-1/190:Florida Southern:$7.5K($145.7K)
大学5年目にしてようやくブレークを果たした遅咲き。今オフの間に体を絞り、パワーをつけシーズンでは長打を量産。荒っぽいアプローチが気になるところ。


総括
 1巡目ではドラフトに向けて順調に評価を上げていた大学生Pのウィル・ベドナーを指名。他のトップレベルの大学生Pと比べるとスターター経験の浅さが目立ちますが、純粋なスペックは他にも負けず劣らずでこの指名順位も適正でしょう。また、逆の見方をすれば消耗が少ないとも言えるので案外息の長い選手になるかもしれません。
 ベドナー以降もPを中心に指名。大学生Pではマット・ミカルスキやロハン・ハンダなどパワーピッチャーを多く指名。リリーフタイプが多いですが、安定して球速を出せるPが多く狙いははっきりしているようです。出自や指名までの過程が独特なハンダは色んな意味で脚光を浴びそうです。唯一技巧派となったニック・シナコラですが、球威不足でもコンスタントにストライクの取れてプラスの変化球もあるため、メジャーまでたどり着けそうではあります。



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