3年後...2018MLBドラフトレビューWSH

凡例
ラウンド(全体指名順位) 名前(Name):ポジション:投打:身長/体重:出身校:契約金額(ボーナススロット)
簡易レポ
成績
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1(27). メイソン・デナバーグ(Mason Denaburg):RHP:右投右打:6-4/195: Merritt Island HS:$3M($2.472.7M)
90マイル前半の速球とカーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球はよく沈み、空振りを奪うことも弱いゴロを打たせることもできる。高校時代に最速で97マイルをマークしたこともあるが、安定して90マイル中盤が出せるわけではない。アウトピッチはカーブ。キレがよく空振りを奪うこともできる。変化量が多いため、打者の意表をついてストライクを稼ぐといった使い方も可能。チェンジアップも投げられるが、滅多に使わない。デリバリーはシンプルに投げ下ろすスタイルだが、時折、1塁側へ流れることも。コントロールは高校生にしては比較的安定しているだろう。高校生投手がアメフトをプレーすると大抵は、クォーターバック/ワイドレシーバーとなるが、彼は、パンター/キッカーを務めていた。

成績

プロ入り後、故障してない年がなく登板も19年の4試合のみ。19年の肩の故障が長引き、中断後ようやく復帰できると思えば21年にトミー・ジョン手術と再び長期離脱しました。故障後もかつてのようなボールが投げられるかさえ不明で、現時点では何とも言いようがありません。


2(65). ティム・ケイト(Tim Cate):LHP:左投左打:6/185: Connecticut:$986.2K($986.2K)
90マイル前半の速球とカーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速でも93マイルと球威に欠け、ムービングにも乏しいため狙い打ちされる可能性は高い。優れたコマンドと伝家の宝刀であるカーブでそれを何とかカバー。困ったらカーブを投げておけばいいと思わせるほど、カーブのクオリティは高く、自由自在に扱うことができる。チェンジアップのクオリティは平凡だが、右打者対策程度には使えるボール。倒れこむようなデリバリーだが、崩れず投げ続けることができる。トミー・ジョン手術を高校時代に経験し、大学最終年にも故障で長期離脱と耐久性に不安。研究熱心な点は評価に値する。

成績

プロでは大きな故障はなく3シーズン長期離脱せず、スターターとしてローテーションを回しています。19年はA/A+で好成績を残し、さらなる飛躍が期待されましたが、21年はAAAで打ち込まれました。カタログスペックはほとんど大学時代と同じです。遅い速球とストライクゾーンに集めるコントロール、ハイクオリティのカーブは今も同じです。大学時代のように三振を大量に奪えなくなっていますが、周囲のレベルが上がったことに加え、縦に落ちるカーブと対になるノビのある4シームを投げることができず、空振りを取れなくなっているようです。カーブの1ツールだけでなんとかAAAまで上がってきましたが、メジャーでもローテーションを守れるかは微妙なところです。


3(101). レイド・シャウラー(Reid Schaller):RHP:右投右打:6-3/210: Vanderbilt:$555.1K($555.1K)
最速99マイルの速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球はノビのある4シームで、高めに投げて空振りを奪うことができる。スライダー、チェンジアップといったブレーキングボールの評価は高くないが、速球と緩急をつけるという点では効果的に使うことができている。テイクバックの小さなデリバリーは、デセプションに優れている。大学ではリリーフとして投げていたが、プロ1年目の登板は全て先発。大学時代にトミー・ジョン手術を経験している。

成績

プロ入り後2シーズン、スターターとして投げていましたが21年には大学時代と同じリリーフに再転向しました。スターターとしてもまずまずの成績を残していましたが、露骨に球速が下がったことと四球の多さから長いイニングを投げさせるのは得策ではないと判断されたのかもしれません。


4(131). ジェイク・アービン(Jake Irvin):RHP:右投右打:6-6/225: Oklahoma:$550K($414.5K)

成績

当時はレポがどうしても書けないくらい情報が少なかったのか、覚えていませんが、現在は90マイル前半の速球とカーブ、チェンジアップのコンビネーションで勝負するスターターのようです。19年はAで25試合に先発しまずまずの成績を残しましたが、21年は故障で全休となりました。


5(161). ゲージ・キャニング(Gage Canning):OF:右投左打:5-10/175: Arizona State:$308.9K($308.9K)
ノーステップのスイングで、ラインドライブの打球を広角に打ち分けることができる。パワーツールは平凡で、シーズン2桁HRが限界だろう。空振りが多く、それに伴い三振も多くなる点は懸念材料。スピードは平均以上だが、盗塁のスキルに欠けており失敗が多い。肩の強さは平均レベルで、CFを守ることはできる。野球に対する真摯な姿勢が評価されている。

成績

プロ3シーズンでAAまで昇格と順調にステップアップしていますが、どのレベルでも平々凡々な打撃成績しか残せていません。良くも悪くもどのレベルでもある程度の成績は残しますが、レギュラーとして据えるほどではないといったところ。特別他のツールが抜きんでているわけでもなく、ベンチに置くにしてもわざわざ枠を1つ用意するほどかと言われると微妙なところです。


6(191). アンドリュー・カープ(Andrew Karp):RHP:右投右打:6-1/204: Florida State:$200K($239.6K)
90マイル前半の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で94マイルをマークするが、フラットな軌道なためか一発に泣かされることも多い。スライダーとチェンジアップのいずれでも空振りを奪える点が最大の強み。状況によってアウトピッチを使い分け、的を絞らせない。コントロールがよく、四球は少なめ。デリバリーはシンプルかつスムーズ。

成績

19年に故障で全休した後、復帰した21年はリリーフとしてA+を中心にプレーしていましたが、AA昇格後のタイミングで再度故障。今年の3月にリリースとなりました。

7(221). チャンドラー・デイ(Chandler Day):RHP:右投右打:6-5/175: Vanderbilt:$188.3K($188.3K)
最速95マイルの沈む速球とカーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は、ノビのある4シームとして投げることもあり、高めに投げて空振りを奪うこともできる。アウトピッチはカーブ。キレがよく、鋭く縦に曲がる。速球と緩急をつけるためのチェンジアップは、アームスピードを変えずに投げることができる。立ち投げのようなデリバリーは故障を心配させる。大学では先発を務めていたが、プロではリリーフに専念。湖で遊泳中に溺れたチームメイトのドニー・エベレットの様子を見て、一緒に遊びに来ていた仲間の中でただ一人冗談ではないと気づき、救出しようと奮闘したがかなわず亡くしてしまった過去を持つ。

成績

当時のレポ通り、故障がたたり21年は登板なし。まだ、リリースはされていないようですが、引退/リリースの日も近いかもしれません。

8(251). タイラー・クロップリー(Tyler Cropley):C:右投右打:5-11/185:Iowa:$10K($157.2K)
17年の本来のドラフトイヤーにスランプに陥り指名を受けることはなかったが、大学最終年に大ブレークを果たした。小柄な体格ながらもパワーポテンシャルは高い。三振の多さが最大の欠点だったが、減らすことに成功しており、今後もこの傾向が続けば面白い。守備ではブロッキング、キャッチングといった基礎的なスキルに高評価を得る。肩の強さが平凡な点が泣き所。

成績

プロ入り後は打撃でつまずき、レギュラーとしてプレーすることができず20年にはリリースされますが、捨てる神あれば拾う神あり。21年にKCとマイナー契約を結びました。相変わらず打撃は低調ですが、今年のSTにはメジャーチームにも帯同しており、守備かもしくはプレー以外の部分で高く評価されているのかもしれません。


9(281). タナー・ドリスキル(Tanner Driskill):RHP:右投右打:6/170: Lamar University:$10K($144.4K)
最速94マイルの速球とスプリットのコンビネーション。スプリットをアウトピッチにする投手にしては珍しく奪三振は少なめ。コントロールはよく、四球は少ない。父親は元メジャーリーガーで、現在は、HOU傘下AAのチームのラジオパーソナリティを務めるトラビス・ドリスキル。

成績

プロでは2シーズンリリーフとして投げましたが、21年の8月新しいドラフトクラスが入団するタイミングでリリースされました。

10(311). カーソン・シャディ(Carson Shaddy):2B:右投右打:5-11/185: Arkansas:$10K($136.9K)
小柄ながらもパンチ力のある打撃を見せる。HRを量産するほどのパワーはないが、ギャップを抜いて、二塁打/三塁打を量産する。一方で、三振の多さは気になるところ。スピードは平凡。2B以外にも3B/1B/OF場合によっては、Cもこなすといった器用さが最大の魅力。打撃でアピールができなくとも、汎用性を見込まれメジャーまで到達できるかもしれない。トミー・ジョン手術経験者。

成績

ドラフトイヤーに1シーズンプレーした後引退しました。


総括(2018)
上位10人中7人が投手と投手偏重。上位10位以降も投手の指名が目立っていた。トミー・ジョン手術経験者が多く、故障歴を厭わず指名する姿勢は相変わらず。投手の中でも注目したいのがレイド・シャウラー。今後も先発として使うのかは、分からないが、成功すれば1巡目のメイソン・デナバーグ、2巡目のティム・ケイトよりもインパクトのある成績を残すかもしれない。デナバーグ、ケイトに魅力がないというわけではなく、いずれも実力は高い。その他の投手も見どころは多い。一方で3人のみの指名となった野手は2人がシニアと小粒。大学では好成績だったゲージ・キャニングも実力を疑われており、レギュラークラスというよりも控えレベルか。


総括(2021)
他球団と比べると内容が薄いですが、それもしかたがないでしょう。1巡目のデナバーグは故障が多すぎてほとんどプロでの登板がない状態で、まともに復帰できるかも不透明です。他に好成績を残している選手はおらず、ケイトやシャウラー、キャニングといったメジャー昇格がありうる面々も定着は難しそうです。
下位指名の大学生は引退かリリースとなっており、本当に書くことがありませんでした。


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