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第18期飯田正人杯・最高位戦Classic決勝1日目 〜泡沫夢幻〜


まず最初に、書きたい事を綴らせて頂こうと思います。



自分は、常日頃対局相手をリスペクトしています。

それは卓に付いても変わりません。


「俺が1番強い」「相手を倒すぞ」という気持ち

これも大事です。


しかし、自分はまだまだ発展途上で学ぶ側の人間であると自覚しています。

リスペクトの気持ちが無ければ

「相手から学ぼう」という気概が薄れてしまう

すると、成長が停滞する事になる

自分はそれが嫌なのです。


"実戦経験"こそが、何よりも自分を成長させてくれると

そう思うのです。

勉強会や座学では得られない大切なものが

本番という舞台には落ちています。



しかしながら、今回は


決勝戦。


ここだけは、決してこの精神を持ち込んではいけなかったと思いました。



切り替えられなかった事を、今は激しく後悔しています。

ここだけは「学ぶ気持ち」を捨て

「勝つ気持ち」だけを持ち込むべきでした。


例えば木原プロは「これが最後の決勝戦かもしれない」と仰っていました。

それくらいの心持ちで人生を懸け優勝を目指していたと思います。

それは内容にもしっかり表現されていました。

手が入っていない時も果敢に仕掛け出し主導権を握ろうとしたり

自分が和了れなさそうでも、しっかり相手にプレッシャーを掛けておろそうとしたり

手が入ってない時にただベタベタとオリに回った自分とは段違いの内容でした。


木原プロだけじゃなく、他の選手とも"覚悟"が違ったと思いました

本当に、卓に付く前の心持ちの時点で大きく負けていたと思います。


そして

応援してくれてる方がたくさん居た、という事。

その声に応えるという事は「勝つ」という事。

勝てなくても「全力で勝ちを目指す」事。


応援に全力で応えない精神を持ち込んだ事が

何よりも自分を責める要因となりました。


これまでも応援してくれる方は居ました。

ただ今回は、応援の声が桁違いで

何というか、今まで応援され慣れていなかったというか

自分の事で精一杯というのもあったけれど

これだけの声を背負っているんだという自覚があまり無くて

不甲斐無く負けてしまった時に

沢山の方を哀しませたのだな、と気付きました。


精一杯戦って、それで負けて帰って来れたなら胸を張る事も出来ました。

そういう麻雀が打てずに負けてしまって

応援して下さった皆様、本当に申し訳ありませんでした。



しかし

それと同時に

自分の麻雀をこんなに沢山の方に応援して頂いた事も人生で初めてでした。

本選1日目から決勝戦までの約1か月間、本当に本当に幸せな時間でした。

どこぞの夢の国に居るよりも夢の様な時間でした。

応援して下さった皆様、誠に有難うございました。



来年は本選2日目シードを戴く事が出来ました。

来年は皆様が応援した事を後悔しない麻雀を打てる様に

1年間しっかり準備していきます。

未熟者の私ですが、良かったら今後ともどうぞ宜しくお願い致します。




それでは、内容に触れていきたいと思います↓


◼️1回戦
・東1局 親 玉村プロ

これ發ドラドラで和了りたい手なんですが、何切れば良かったのかな……

下家木原プロの②手出しで混一色聴牌あるかもと思ってて

この手からは流石に……と思って打9索しました


ところが実際の木原プロの手牌

うーん……🥹


・東2局2本場 親 石井プロ

5200放銃。

これは完全にミスです。

解説・村上プロも仰っていた通り

Classicはこの巡目に立直が来ないのと

粘る意味が無いので、残りツモが減るにつれ聴牌崩すパターンも増える為

今安全な牌を切るべきなのですが

何故か完全安牌を後に残したいという思考が働いてしまいました。


ちなみに余談ですがこのClassic本選、1日目からのマックス放銃打点がこの5200は5800でした。

そのくらいここまで守備には徹底していたんですが

この決勝という状況に呑まれ、しっかり頭が回っていない証拠です。

・東4局 親 木原プロ

Classicでは珍しい終盤の立直。

対面の玉村プロが、役牌2副露の石井プロをケアした手出し打②で

これかなり対子落としだなと思ったんですよね。

通りそうとは言え石井プロの現物ではないので

もし安牌に困っていた場合、②打たれる可能性ありと思って立直打ちました。

実際に②対子落としは合っていたんですが

直前石井プロが打った北を玉村プロが2枚持っていたので、②は残念ながら打たれず流局となりました。

・南3局 親 川岸
石井プロがドラポン、それに対し強い牌を打つ木原プロ

両者に挟まれ

この親落としたらほぼラスだというのに二向聴戻しの打西。

このままならどうせラスなんだし放銃したって良いじゃない、って自分で思います。

が、このClassicルール満貫が順位点1着順と同価値なので

素点も大事……まだ1回戦だし慌てる時間じゃない。という判断でした。

そういう考えも無くはない。でもこの姿勢では決勝は勝てないと思います。


1回戦はノー和了でラス。
▲25.4




2回戦は抜け番で

◼️3回戦

この牌姿から打八。

これ、Classicは打①だったと思います。

ヘッドレスの形で①④⑥引きで雀頭、カン⑤引き嬉しいで筒子触らなかったんですが

実際はカン⑤すらそんなに嬉しくなく、⑥引かない限り平和ドラ1で立直打つ手順になっちゃうんですよね。

立直の弱いこのルール、打①でタンピン一盃口ドラやタンピンドラドラの闇聴高打点を視野に入れた手組みが正着だと思います。


この局玉村プロの6000オール逃しが目立ち自分に焦点当たってませんでしたが

僕も結果だけ見れば、打①選べてたらここで2000,4000ツモっていました。


プレッシャーで視野が狭くなっていたと思います。

玉村プロも同じだったと思います。

この木原プロのプレッシャーは、同卓した人にしかわからないかもしれません。


・南1局 親 川岸

決勝にてようやく初和了!嬉しかった…🥹



しかし


この後問題のシーンです。


・オーラス 親 浅井プロ

まずはこの場面。

七八九チーの親・浅井プロが手出し3索。

の所へ持って来る1索……

ドラが⑨なので、チャンタ系にドラドラ絡んでたら高打点放銃しちゃうかもと思って

③が3枚見えなので打③を選択しました。

しかし、自分は立直自摸ドラドラで3→1逆転トップの価値ある一向聴。

そもそもチャンタなら233で引っ張ってるの違和感だし、聴牌か高打点かもわからない浅井プロに対し警戒し過ぎでした。

ここは打1索すべきでした。


河3段目に差し掛かり、ラス目の木原プロから立直を受けます。

現物の二萬を切る。

この時考えていた事はこうです

「ラス目の木原プロは下らない手の訳が無い。

ツモられた時は浅井プロが親被りで2着になれそうだ。

この手を押して仮に満貫に放銃した場合は、着ダウンで16pt失う。

1日目での敗退が濃くなってしまう

ならば、オリの方が得なんじゃないか?

じゃあ、この牌姿からどうオリる…?」

です。

現状、手の内に現物が二萬しか無かった為に

自動で二萬を選ぶ事になったのと

思考がオリ寄りになっていたので、攻めに関する準備が全く出来ておらず

1索を重ねていた事をしっかりと認識していなくて

この⑨に即座に声が出ませんでした。

1秒程で「あっ」と思った時には既に遅くて

もう遅ポン取られるかも…のタイミングだったので

スルーとなってしまいました。

今思えば、"取られるかも"だったら無理矢理にでも発声した方がまだすっきりしたかもしれません。

そして

自力で⑨を引きます……


ここで無筋の⑥をプッシュ。

支離滅裂です。


あの⑨を鳴かない人は

打⑨でオリるべきだったと思います。

仮に、この四暗刻を自摸って

まかり間違って優勝を手にしたとして

一体誰が僕をClassic覇者と讃えてくれるのでしょうか。

居ません、恐らく誰一人として。


結果は

木原プロの安めツモで終局となりました。
▲3.6


冒頭の話に繋がりますが

例えば、打ち慣れた自分の働く店でこの⑨をスルーする事は無いでしょう。

浅井プロと木原プロをリスペクトするあまり

決勝、配信というと環境に加え、2人からの重圧も背負い

思考能力・判断能力が鈍っていたと思います。

ただ、これはきっと事前の準備で克服出来た事。

しっかりメンタルコントロール出来ていたなら

「何が何でも優勝してやる」という気概で居たならば

立直を受けたあの局面、攻めの意識が抜けたりせずポン出来ていたでしょう。

故に、ただの言い訳に過ぎません。

この後悔は、しばらく夢に出て来ると思います。


◼️4回戦
そんな半荘の次戦ですが、この半荘が一番良く打てたと思います。

1巡目の⑦を仕掛け、ドラ持ってるアピール試みたり

カン⑧チーで混一色に見せてみたり。

抜け番や休憩の時、ライブ配信じゃなくて、自分の打ってる半荘を観返していて

石井プロや木原プロの仕掛けを見て「なるほど、Classicはこういうのが有効なんだ・・・」を即実践してみた形でした。

もちろん付け焼刃ですが、たぶんここまで自分に積極性が無かった事も相まって

そこそこ効果があったのではと思います。

・南2局 親 玉村プロ

ここから打1索。

これも3回戦で①切れなかった反省が活きています。


最終形はこうなって、四七ノベタンで立直!

字牌処理の直後に打二萬の人が2人、打八萬の人が1人居て

五萬は山に無いくらいの自信があったので、ノベタンなら四七と決めていたんですが

五八の方が1枚多かった様ですね……麻雀むずいです

この局は残念ながら流局して

・南3局 親 浅井プロ

これが和了れて1000,2000と立直棒回収!嬉しい

・オーラス 親 川岸
先程の和了によりトータル1,2位の石井プロ、浅井プロを3,4着に沈め最高の並びに。

本来なら玉村プロを捲るもうひと和了を取りにいきたい所ですが

並びを崩す放銃をしてしまう事がこの局面何よりも罪だと思ったので

中盤からもう何も押さないオリ選択。

これが無事流局で、目論見通りの2着となりました。
+3.7

この半荘は解説の村上プロも褒めて下さって嬉しかったです

ただ

これをいま決勝から学びを得て発揮している場合ではなく

事前にしっかりと準備、学習してきて

1回戦から発揮していかなければ勝てる訳が無いんですよね。

実力不足を痛感する1日となりました。


◼️5回戦
pt状況がこちら。

Classicは1着順が8ptなので

玉村プロを捲れず、木原プロよりも着順下になった時点でほぼ敗退です。


道中全くチャンスが無かった訳じゃ無いけど木原プロがガンガン攻めてくる中、自分は1度も聴牌すら結びつかず

ラス目にてオーラス

1000点和了れば2日目へ、という点況で

3索ポンから入ります。


ツモ六萬で、選択。

中、5索、7索。どれもあると思います。

ドラの7索?と思う方も居るかもしれませんが

7索対子落としは、安く見せる事で親・木原プロの連荘で捲られたくない2人のアシストがかなり受けやすくなります。

ただ

1000点和了して3着終了は、結局2日目かなりハードな戦いを強いられます。

浅井プロを捲れるかもしれないルートを消す選択は僕の中で除外してました。

んで、同じ理由で打5索はほぼ3900。

浅井プロ直撃以外着アップが無いので、打中となりました。


3段目まで何も引けず

ようやく聴牌…!

しかし

木原プロ、浅井プロも聴牌・・・!

川岸ツモと浅井プロのツモは、木原プロの敗退

木原プロのツモと流局は、僕の敗退



軍配は



木原プロに上がりました。


厳しい条件を突き付けられ迎えた次局


あっさりと石井プロに自模られ

長い長い僕のClassicの旅は幕を閉じました。

最後だけ切り取ると惜しくも見えますが

5回戦通しての内容を振り返れば、当然の5位だったなと思います。


長くなってしまったし暗い内容の記事で終わるのも悲しいので

最後にもう1記事だけ総括としてポジティブな記事を上げて

ほんとに終わりにしたいと思います!


ここまで長文を読んで下さった皆様、本当に本当に感謝です🙇‍♂️🙇‍♂️🙇‍♂️🙇‍♂️🙇‍♂️


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