見出し画像

ファンコミュニティ×テクノロジーの未来を考える

みなさんこんにちは!Synamonの熊谷です。

突然ですが、皆さんはなにか「推し」と呼べるものをお持ちでしょうか?
アイドル、YouTuber、アニメ、ゲーム、漫画、etc…みなさんの中にある、熱い「好き」という気持ちが向かう先、「推し」。
ちなみにわたしはというと、東方Projectシリーズのフランドール・スカーレットと古明地こいしを推し続けて気づけば10年以上経ちました。

推しは何度描いても飽きない

世界中で人気を集めるコンテンツやIPにおいては、ファンはIPを受け手として楽しむだけでなく、上記のような二次創作でコンテンツの盛り上がりに貢献したり、ファン起点でイベントを行ったりする流れが珍しくありません。

今回は、そんなファンたちとIPを最新技術で繋ぎ、熱量を高めることを目指す2社、GaudiyとSynamonの対談を元に、改めてその未来について考えてみます。


参加者

株式会社Gaudiy BizDev 田中陸也(Ricky)
大手電機メーカーで事業企画・立ち上げに従事した後、広告代理店にて大手スポーツ・日用品・ファッションブランド等の、ブランドマーケティングを支援。その後AIを活用したHRテック子会社の立ち上げを経て、2020年にGaudiyにジョイン。BizDevとしてブロックチェーンを活用したエンタメ業界のDXを推進中。
プライベートでもWeb3周りが好きで、BCG(ブロックチェーンゲーム)をプレイ中。
Twitter:https://twitter.com/RuuieTanaka

株式会社Synamon COO 武井勇樹
新卒でITベンチャーの株式会社Speeeに入社し、SEOを中心としたWebマーケティングのコンサルティング等に従事。その後、イノベーションの最先端であるシリコンバレーでビジネスを学びたいと考え、UC Berkeley ExtensionのThe International Diploma Programs (IDPs) を修了。SAO(ソードアート・オンライン)のような世界に憧れて、2018年5月にSynamonに入社。
趣味はテニスと読書、最近は原神(ゲーム)にハマり中。
Twitter:https://twitter.com/yktk68


Web3でファンコミュニティを形成する意義


今我々が触れるWeb2.0は、一方的に情報を受け取るだけのWeb1.0から進化して、情報の送受信が積極的に行われるようになったインターネット。
ただ、使っているうちにネットワーク外部性(一つのサービスをたくさんのユーザーが使えば使うほど、ユーザー一人一人の便益が高まる現象)が発生し、GAFAMに代表されるようなプラットフォーマーの力がとても大きくなりました(他にも色々言及はありますが、ここではこの程度に書いておきます!笑)。

現在のコンテンツIPも、Web2.0の枠組みの中でファンクラブを運営したり、コミュニティサイトを運営したりするところが多くなりました。
しかし、Gaudiyが提唱するのはその「Web3化」。その意義について聞いてみました。

Rickyさん
Web3化を進めることには大きく3つのメリットがあります。

1つは「ライセンスの民主化」。
IPを商用利用OKにして、それで経済活動してもいいようにする形です。
利用規約を作成した上で、ファンが自発的にTシャツとかを作って交流するイメージですね。

2つ目は「インセンティブの民主化」。
通常はプロジェクト初期に携わった創業者や社員など、企業側しか成長によるリターンを受けられませんが、トークンエコノミー(仮想通貨による経済圏)によってインセンティブを得られる設計が可能になります。

3つ目は「ガバナンスの民主化」。
DAO(分散型自立組織)の仕組みによって、コンテンツ、IPの意思決定にファンが関われるようになります。

Rickyさん
「ライセンスの民主化」のわかりやすい例としては、BAYC(Bored Ape Yacht Club)とCryptoPunksの話があります。
CryptoPunksはNFTアートの先駆けとして非常に有名だったのですが、後から登場したBAYCに合計額を越され、なんなら買収されているんですね。

その理由の一つとして、この「ライセンスの民主化」の差があったと言われています。商用利用NGだったCryptoPunksに対して、BAYCは商用利用OKだったんですね。なので、BAYCモチーフのハンバーガーショップや、水が売られたり、アーティストコラボも行われました。

こうした経済活動を許可したことで、ファンの主体性が上がり、より面白いコンテンツがファンから生み出されるようになりました。その結果BAYCを欲しいと思う人が増え、金額も上がり…。このように、ファンがIPをボトムアップしていく動きが生まれるのはWeb3ならではだと思いますね。


ファンが欲しいのは「NFT」ではない


ファンとの共創文化がブロックチェーン技術で支えられる世界を目指すGaudiy。世界中で愛される日本発のIPたちがそれを後押しすると考え、既存IPのWeb3化を狙う同社に、過去印象的だった取り組みについても聞いてみました。

Rickyさん
ユーザー体験として盛り上がりを感じたのは、東京アイドルフェスティバル(TIF)のNFTサイン会ですね。
Gaudiyのプラットフォーム上で、ファンの皆さんがアイドルのライブを見ることができるんですが、ライブ中にアイドルの方がiPadとかを使ってサインを書くんですよ。そうすると、そのサインがNFTとして視聴者に届けられるという…。

武井
インターネット上だけどリアルタイムでそのライブを見てた、というのが証明できるんですね。

Rickyさん
ただ、ファンの人は「NFTが欲しい」というニーズでサインをもらっているんじゃないんですよ。単純に、アイドルを応援している中でNFTという技術に触れているだけ。
僕たちのターゲットはあくまで既存IPを応援するファンの人たちです。そのファンに喜んでもらえる体験から技術に落とし込んでいくので、あえてパブリックチェーン(完全オープン)でなくプライベートチェーン(招待型)のNFT配布を選択したりもします。


ファンは「NFTを貰う」という意識で貰っていない、というのは今回非常に印象に残ったお話でした。
ブロックチェーンやメタバースは、技術そのものが先走りして、目的を置いていくことが往々にしてあります。
よくあるのが「メタバースをやりたいんですけど、何かいい案はありませんか?」というご相談。ただし、メタバースはあくまで技術。目的を達成するための手段でしかありません。そのため、Synamonでもお客様に対して「メタバースを目的にすると失敗するのでやめましょう」というお話をすることがあります。
Rickyさんの「目的はファンに喜んでもらうこと、その技術としてNFTを活用し、ファンはNFTを意識せずに体験を楽しめている」というお話は、技術が手段としてしっかり役割を果たしているいい例だと感じました。


ファンコミュニティ×Web3×メタバース、その未来


Gaudiyはバンダイナムコ社の構想するガンダムメタバースの技術顧問として代表の石川氏が就任するなどでメタバース側の取り組みも動き出しています。
Web3を主軸にメタバースの可能性を見るGaudiyに、今後のメタバース関連の取り組みについても聞いてみました。

Rickyさん:
僕たちは今、NFTを扱ってファンコミュニティを加速させるプラットフォームを運営してます。この「NFT」って、ユーティリティ(所持者への特典)を付けられるんですよね。そのユーティリティの一つとして、メタバースに可能性を感じています
ユーザーが自分の持っているアバターを使えたり、NFTを飾ることができるギャラリーでファン同士が交流できるようなものを想定しています。
まだまだ構想段階なので、まだまだ変わる可能性もあるんですけどね。

こちらの記事でも語っていますが、推し活ってグッズがとにかくかさばるんですよね…。Gaudiyさんが構想しているようなファンコミュニティ×個人のメタバース空間で推しグッズを飾るのってとても楽しそうです。
ファン同士、手に入れたNFTをネタに語り合う…今まではオフ会でしかできなかったことが、全世界のファンとできるってとても素敵だなと思います!


さいごに

後半は結構概念的なお話で盛り上がったのですが、「メタバースとブロックチェーンとDAOでデジタル世界に国がつくれる」という話が個人的には興味深かったです…!
デジタル上に「空間」を提供するメタバース、「経済圏」を生み出すブロックチェーン(トークンエコノミー)、経済圏を支え、「共同体」を成立させるシステムとしてのDAO。国として機能させるにはどの技術もまだまだ課題がありますが、それぞれの技術特性を考えると、将来的には十分にありそうな話でワクワクします。

過去、インターネットという技術が世界を繋ぎましたが、メタバースやWeb3はまた違う形で世界を繋ぎ、さらなるクリエイティブを加速させてくれる技術だなあと改めてワクワクできた1時間でした。

最新技術をもって、ファンとコンテンツを繋ぎ、クリエイティブな世界を目指すという意味で似たビジョンを持つ2社同士。
話していくと、ビジネス上でも苦戦するところが似ていたりと共感が止まりませんでした…!特に後半はかなり3人とも未来に生きてた感じでしたね。妄想楽しい!笑

そんなしなトークの全容が気になる方は、ぜひ下記のアーカイブもどうぞ。作業や通勤時のお供におすすめです。

しなトークは(基本的に)毎週木曜日20時~、おはる(@spirea_xxx)岩見さん(@nananana103708)のTwitterスペースにて開催しておりますので、ご都合つく方はふらっと遊びに来てください。毎回コメント大募集してます!(参加者も募集中!)


このnoteを読んでワクワクした方は、ぜひGaudiy、Synamonそれぞれのお話を聞いてみてください。
どちらの会社も圧倒的未来志向で、ワクワクする未来を当たり前にするために全力で行動しています。業界の発展スピードにしっかり乗りつつ、(なんなら新しい波を生み出しながら、)既存のIPやコンテンツをその波に乗せていくわたしたち。本当~に面白いな、と思いながら日々働いています。
一緒にやってみたい!未来つくりたい!と思った方は、下記のページからご連絡くださいませ!!


企業概要

株式会社Gaudiy
「ファンと共に、時代を進める。」をミッションに、ファンの熱量を最大化するWeb3時代のファンプラットフォーム「Gaudiy Fanlink」を開発・提供。
2018年の創業から、ブロックチェーンを中心とする先進技術を活用したコミュニティサービスを展開し、大手エンタメ企業にサービスを提供している。
https://gaudiy.com/

▼Gaudiy採用ページ(メタバースやるみたいなのでUnityエンジニアも是非!)

▼Gaudiyカジュアル面談


株式会社Synamon
Synamonはリアルとデジタルの融合を加速させるため、メタバース領域で法人向けにサービス提供を行うテックカンパニー。メタバースブランディングプラットフォーム「SYNMN」をはじめ、メタバース市場の発展に向けた事業展開を行う。
https://www.synamon.jp/

▼Synamon採用ページ

▼Synamonカジュアル面談



2社で面白い取り組みがいつかできたらいいな…!とワクワクするばかりです。
あらためて、Gaudiyさん、Rickyさん、ありがとうございました~!!

ではでは!

いいなと思ったら応援しよう!