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【映画】シービスケット

2003年に公開された映画です。あちこちで溢れる出す涙を、私スピンは止める事ができませんでした。

大恐慌時代、1930年代のアメリカに実在した競走馬 シービスケット と、
それを取り巻く3人の実在の男達のドラマを描いた、感動の名画です。

(シービスケットと3人の男たち、それぞれが、Wikipediaに紹介ページが
あるという、珍しい映画でもあります)


一人目:

1898年の米西戦争の後、ニューヨークで自転車修理工として働いていたが、
職人気質のためか、大流行の”合理的生産方法”と、壊れると直ぐに新車に
買い替える”風潮”についていけなく、新天地カリフォルニアに、自分の居る場所を探すため移住してきた
チャールズ・スチュワート・ハワード (ジェフ・ブリッジス)

カリフォルニアに自転車修理工場を開いて新たな事業を始めましたが、全く上手くいかず、ひょんな偶然から、時代の寵児となっていた”自動車の改造
を手掛けることになり、そこから、デトロイトの大自動車メーカー・ビュイックの、サンフランシスコにおける独占販売権 を 手に入れて、大富豪になっていきます。

しかし、あろうことか、我が子を自動車事故で亡くし、妻も家を出ていき、そこに襲ってきた大恐慌。人生の本当の転機を迎えてしまいます。

そんな鬱々とした時間の中、仲間が連れて行ってくれた競馬場にむせ返る熱気が、彼に生きる元気を与えてくれたのでしょう。
何頭かのサラブレッドを購入し、馬主となって競馬に没頭していきます。


二人目: そんなハワードが雇い入れたのが、ひとりの風変わりな調教師。

天才的な調教の素質に恵まれていましたが、それを開花させるべきチャンスに恵まれず、野生馬を馴らして軍馬として提供する仕事や、牧夫として暮していた男。 

めっぽう腕は良いのに理解を得られず、良い馬も任せてもらえずに、失意のうちに流浪していた調教師
ロバート・トーマス・スミス (クリス・クーパー)。


スミスが発見した、トンデモナイ 才能を秘めたサラブレッドが
シービスケット 」。

生来の気性の荒さで、なかなか勝てないでいたこの馬をハワードは買い取りますが、どんな騎手に手綱を取らせても、まるでうまくいきません。
そこで、スミスが探し出してきた、 これも又、人生に夢と希望を失いかけていた、はみ出し者のジョッキー。これが、三人目:


幼い頃に大恐慌に巻き込まれ、家族とも離れ離れになり、赤貧に見舞われ、サラブレッドの調教助手の仕事をしながらも、いい馬主と、調教師と、馬に恵まれず、田舎の競馬場で騎手と博打と賭けボクシングにうっぷんを晴らす昏い生活を送っていたカナダ出身の騎手、

ジョン・ポラード(別名:レッド・ポラード)(トビ―・マクガイア)。

この3人の男たちが、「稀代の暴れ馬」という異名を着せられていた、
隠れた名馬 シー・ビスケット に出会い、その能力を開花させ、アメリカ競馬殿堂いりする名馬に育て上げていきます。

全員が「シー・ビスケット」を愛し、夢を託し、この小さなサラブレッドを「栄光」に導くために強い絆で結ばれていく、まことに感動的な物語です。


『僕らが馬を育てたのではなく、馬が僕らに「癒し」をくれたのだ』

というポラードの台詞が、それまで報われない人生を送っていた人間たちが、叶わなかった夢と、消え去りそうだった希望とを取り戻していく姿と、新しい時間を生きていく力を代弁してくれるのです。

そうです。馬が主人公ではなく、取り囲む人たちが、その人生を戦いながら、逞しく生きていくドラマ。

ぜひ、ご覧になって下さいませ!

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