万葉を訪ねて ―総論3 古代の歌の本質―
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今回扱う「総論の3 古代の歌の本質」は、万葉歌の性質について多面的に論じた箇所であり万葉集大考の中でも特に重要な1節である。(7~9頁)
理路の大枠としてはまず万葉歌の観賞法および学習法について述べ、次に古代の歌と後世の歌の性質についての比較を行い、最後に儒学からの批判(歌は趣味に過ぎず天下国家の役には立たないこと)に反論しつつ、万葉歌を学ぶことで得られる効用を論じたものである。
「いにしへ人の哥は設(もうけ)てよまず、事につきて思ふ心をいひ出しなれば、