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アンデス高山列車の旅 クスコ~プーノ~アレキパ

この高山列車は、クスコ(海抜3400m)を発車して南下する方角のプーノ(海抜3800m)のへ向かう列車のことを言います。その逆方向の旅もありますが、。正式名称はペルー南部鉄道(Ferrocarril del Sur del Peru)と言います。プーノから西の方角の太平洋へ向けて山を少し下ってアレキパ(海抜3200m)まで繋がっています。現在、どれくらい改善されているのか分かりませんが1988年当時は、クスコからプーノまで9時間の列車の旅になりました。

朝クスコを出発すると度々停車、発進を繰り返し途中でどんどん乗車してくる人で車両の通路、トイレ、乗降口もすべて大きな荷物を抱えたインディヘナ人たちで埋め尽くされます。トイレも使うことはできません。持参した飲食物が無ければ身動きできないわけですから9時間ジッと座ったままで窓の外の景色で気を紛らすくらいしかやることがありません。

山々の景色は素晴らしいのですが、列車の速度が信じられないくらい遅く、しばしば途中停車を繰り返します。沿線には農産物や菓子や飲み物を売るインディアヘナの人たちがいます。車内アナウンスなどあろうはずも無く、ひたすら堪える旅です。途中、フリアカという街を過ぎます。海抜3,825mくらいですから富士山より高いところにある街をこの高山列車は通過して行きます。多分、途中の山々を超えて行くときには海抜4,000mは超えていると思います。

夜7時をまわった頃、やっとプーノの街に着きました。到着した夜はヨーロッパから来てるバックパッカーに訊いて適当に安い宿の相部屋へ泊まることにして翌日チチカカ湖の中のタキーレ島へ向かいました。

タキーレ島からプーノへ戻り街を散策するとセントロ近くにイトウという名のレストランがありました、日系人がやってたと思いますが今は無さそうです。30年くらい前の話です。

プーノからアレキパの移動も高山列車を利用しました。この路線は完全に夜行列車で、月明かりに照らされたアルティプラーノの妖艶な美しさは息を飲むほどでした。寝てしまうのがもったいないような綺麗な景色でした。多分5~6時間くらいの旅だったと思います。そして夜明けと共にアレキパへ近付きアレキパ富士と呼ばれる美しい円錐形の山、ミスティ(Misti)が見えるとやっと着いたかという気持ちになります。

今、アレキパ〜プーノ〜クスコは豪華夜行列車の旅2泊3日などと旅行会社の広告であります。不便さを逆手に取った豪華な旅になったこのルート、苦笑ですね。

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