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アムステルダム滞在で気付いたこと

スキポール空港はヨーロッパ出張や中東へ行く時には便利なハブ空港です。Y社勤務の時、ヨーロッパ出張時の休暇は、ほぼアムステルダムで取るような感じでした。中心部は徒歩で移動できる便利さや色々な文化が混ざった感じが当時は面白かったです。

初めてヨーロッパ出張は、フランスとドイツの数千台の芝刈り機在庫の改修作業を指揮するミッションでした。現地で作業員を10名ほど雇用して、パリで1ヵ月、ハンブルグで半月間の作業を予定していました。アムステルダムにはヨーロッパ各国市場をまとめる法人があり、そこに駐在する日本人では最高位の副社長に挨拶するために訪問しました。

副社長室に入ると、机の上に両足を組んで投げ出し椅子の背もたれに仰け反るように座った副社長本人がいました。開口一番、「本社は一体何を考えているんだ!お前みたいな若造を寄越して」と言われました。「....」、「まったく事の重大さを理解してない。お前のところの○○部長が来て詫びるのが筋だろうが、、」とも、。「... 私は上司の命令でここに来ました。ご迷惑をおかけしていることは重々承知しています。速やかに改修作業を終えて、営業活動を再開できるよう取り組みます」としか返事ができませんでした。「しっかりやれよ!」と言われ部屋をでました。その会話の間も両足を机に乗せたままでした。東証一部上場企業の現地法人副社長のこの横柄な態度にはさすがのペイペイの私も驚きました。Y社を退職し十数年の後、この当人は本社の社長に就任します。新聞記事で読んで驚きました。役員はずらりとヨーロッパ販社に駐在してた仲間の名前がならんでました。こりゃあ露骨な人事だし、そもそもあの人にやれるのか?と内心思いました。やはり任期途中で退任に追い込まれたようです。初対面の印象は結構当たると思いました。

仕事を離れると、アムステルダムにはゴッホ美術館、レンブラントやフェルメールの絵画で有名な国立美術館、コンセルトヘボウ、アンネの隠れ家、飾り窓など一人で散策しても楽しめる場所が沢山でした。街中に止めてあったXT500には驚きました。オートバイ好きには分かる名車です。当時でも既に希少だった古いモデルでしたので写真に収めたのを記憶しています。

有名な運河を観光船で遊覧中、女子大生としか見えないガイドの多言語のアナウンス(多分オランダ語の後、英語、ドイツ語、フランス語でやってたと思います)、早口でどんどン説明するので横で聞いてて、思わず「頭がこんがらがるよね?」って声をかけると「そうなんです」と返事をしてきました。それを見ていたアジア人風の老人が私に「あなたは日本人ですか?」と声をかけてきました。「そうです」、「日本からいらしたのですか?」と訊くと「いいえ、台湾からです」「日本語お上手ですね」「えっ⁉ 私は日本の教育を受けているのですよ。台湾は昔、日本だったんですよ」と。驚くと同時に、私は自分の無知を知らされました。このことは強く記憶に残りました。

帰国後、書店でいくつか日本の近代史関連の書籍を読み、自分に欠落してる歴史教育の穴を埋めることになりました。

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