見出し画像

アラン・パーカー監督作品『ミシシッピー・バーニング』を観る

1988年公開の米国映画。主演は、ジーン・ハックマン、ウィレム・デフォー。公開当時の映画館は、2本立てといい他の映画も一緒に観ることができました。もう1本はフランク・オズ監督作品、スティーブ・マーチン主演の『ペテン師と詐欺師 だまされてリビエラ』というコメディ映画でした。この組み合わせは最高にお得感がありました。

『ミシシッピー・バーニング』は、1964年ミシシッピー州フィラデルフィアで起きた公民権運動の活動家3名がKKK(クー・クラックス・クラン)メンバーによって殺害された事件をモデルに映画化されたものです。

物語(ネタバレです)は、公民権運動家3名が乗った自動車を警察のパトカーが追跡することから始まります。警察に停止を命令され、運転免許を提示を求めた後、いきなり銃で3名とも殺害されます。遺体は車ごと近くの沼へ沈められてしまいます。

公民権運動の活動家が行方不明になったことからFBI捜査官がこの田舎町に来て捜査を仕切ります。ウィレム・デフォーが演じる若きエリートFBI捜査官と叩き上げ捜査官を演じるジーン・ハックマンとの上下関係も垣間見られる。行方不明事件が発生した町の保安官は当初から非協力的で事あるごとにFBIと対立する。町はまだ黒人差別が激しく、レストランやトイレなど公共の施設もWhiteとColoredで区別されている。

FBI捜査官は、黒人居住区を訪問して聴き込み調査をFBI捜査官が行いますが、黒人は皆怖がって本当のことを話しません。なぜならFBIが帰った後、KKKメンバーによってリンチされることが分かっているからです。中には本当のことを言って殺害されてしまう黒人もでてきます。何かがおかしいと思い始めたFBIエリート捜査官は本部に調査支援隊をいらしてて大掛かりな調査と沼の中の捜索を始めます。

一方、叩き上げのFBI捜査官は保安官の妻に近付き、色々聞きだします。何度か接点を持って心を許したのか事件があった時間は夫が外出していたことを漏らしてしまいます。捜査官には、田舎の町の女性は高校を卒業すると直ぐに結婚して退屈だけど安定した生活を夢見ていることをよく分かっているため、彼女が漏らした重要な情報が決定的な証拠となり、どんどん仲間内でだれかが秘密を漏らしたと疑心暗鬼になり、少しづつ自白していくものがでてきて、最終的に地元の有力政治家、KKKリーダー、保安官たちが逮捕されて事件は解決する。

最初に決定的な証拠を話してくれた保安官の妻は、夫が居なくなった荒れた自宅で片付けを少しづつ行っていた。叩き上げFBI捜査官が別れの挨拶をすると「手紙は送らないで欲しい」と告げられる。黒人の鎮魂歌が流れて映画は終わる。

社会派映画として面白い映画です。ジーン・ハックマンの存在感ある演技が光ってます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?