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「プーチンの演説」Harano Timesの朗読文字起し

10月21日にロシアで行われた国際イベントのスピーチで行き過ぎた左翼思想を猛批判しました。そのスピーチを以下に文字起ししました。

「この衰弱な現代社会では道徳、倫理、価値観の重要性が急激に高まっています。実は価値観は産物であって、あらゆる民族、文化の歴史の発展と共に生まれる独特な産物です。民族間の交流は確かに各民族の視野を広げて、各民族を豊かにして、彼らが自分の伝統を見直すことを可能にしました。

しかし、このプロセスは有機的でなくてはいけない。決して早いことではありません。どんな外部からの干渉も拒絶される可能性があるし、場合によってズバリと拒否されてしまいます。あらゆる自分の価値観を他人に押し付けようとすることは状況をさらに複雑化するだけではなく、多くの場合、期待と反する反応と結果を招くことになります。

我々は今まで進歩の代表と言われている国々で進行しているプロセスに驚いています。もちろん米国や西欧州で起きている社会的、文化的衝撃は我々と関係ありません。我々はそれから離れています。欧米の一部の人たちは、自分たちの歴史を部分的に削除し、少数派のために多数派を逆差別し、父、母、家庭、更には性別の観念まで放棄するように主張しています。彼らはこのすべては社会を再生させる道のマイルストーンと考えています。

私がここで言いたいのは、彼らにはそうする権利がある。しかし、私たちは同じことをするのを拒否します。また、彼らは我々の事を干渉しないことを願っています。我々には違う見解がある。少なくともロシア社会の多くの人は、このことについて違う見解を持っています。我々は我々自身の価値観、我々の歴史と我々の民族、国家の文化に頼らなければなりません。所謂、社会進歩主義の保護者は、彼らが人類にある新しいより良い意識を紹介していると信じています。

しかし、私がそれに対して言いたい唯一のことは、それらのことは新しい処方箋ではありません。これを聞いて驚く人もいるかも知れませんが、ロシアは既にそれを経験しています。1917年の革命以降、ボルシェビキはマルクスとエンゲルスの教義に基づいて当時の政治、経済だけではなく人の道徳と健全な社会の基礎まで変えることを言いました。伝統的な価値観、宗教、人と人の関係が破壊され家族を拒絶し、親しい人のことまで密告した。それらの全ては進歩だと言われました。

当時、このような思想は今のように流行ってました。しかし、言わないといけないことはボルシェビキは、彼ら以外の意見は絶対容認できませんでした。この歴史の話は、我々が今見ていることを思い出させると思います。欧米の一部の国で起きていることを見て驚いてますが、幸いなことに我々はその歴史から遠く離れています。学校や大学が過去の偉大な作者の作品を教えなくなった時、平等と反差別の闘争の殆どが過激な教義に変わりました。なぜなら偉大な作者の思想は、もう古いと思われているからです。

古典文学は性別と人種の重要性について何も知らないため、もう落ちこぼれたものだと見られています。ハリウッドでストーリーの記述や映画では肌の色や性別の割合がどれくらいあるべきかが決められています。これはソビエト中央委員会の宣伝部よりも悪いです。反人種差別は必要かつ気高いミッションですが、しかし新しいキャンセル・カルチャーはそれを逆差別にした。つまり逆人種差別に変えました。本当の公民権のために戦っている勇者は、差別を無くし肌の色で人を分けることを無くそうとした時、人種に対する必要以上の強調は、人々をさらに分断しています。

特別に自分の同僚に頼んでマーティン・ルーサー・キングのこの言葉を見つけ出してもらいました。「いつの日か私の4人の子どもが肌の色ではなく、品格によって評価される社会で生きることを夢見ています」。このことが本当の価値観です。しかし、今の状況は少し違います。ついでに言いますが、ロシア人の大多数は人の肌の色や性別が重要と考えていません。私たち一人ひとりは人間です。これがもっと重要なポイントです。

欧米の一部の国では、男女の権利に関する議論は完璧な幻想になっています。聞いてください、ボルシェビキが行きたいとこに行ってしまうことに気を付けてください。そこでは鶏が公有化だけではなく女性も公有化になります。あともう一歩踏み出せば、そこにたどり着いてしまいます。一部の過激な擁護者は、それらの概念すら消そうとしています。生物学上は事実であっても男性と女性が存在することを主張する人は廃絶される。自分の性別が分からない人が不安に感じる可能性があると言って、父、母ではなく親1号、親2号、母ではなく出産した親、母乳ではなく人乳に変えてます。

繰り返しますが、これは新しいことではありません。所謂、ソビエト文化専門家はいくつもの新しい単語を発明して、新しい意識を生み出して、価値観を変えていると考えてました。そして、私が言ったように彼らは全てを台無しにしました。今、その時のことを思っても恐ろしくてゾッとします。今は本当に怖いことが起きています。子供は幼い時から、男の子は簡単に女の子に変われる。女の子も簡単に男の子に変われると教わっています。

つまり、先生たちは全員が性別を変えれることを無理やり教え込んでいます。また、彼らがこのようなことをすると同時に親たちをそのプロセスから排除して、子供たちに一生後悔する可能性のある選択をしてもらおうとしています。彼らは、子供に心理カウンセラーに相談すらさせません。幼い子供には、そのような重要な決断をする能力があるでしょうか?正直に言うと、それは人道に対する罪で、しかも進歩の名の下で行われています。

それが好きな人は自由にやらせればよい、我々は前から政策を作る時、健康的な保守主義を指針にすると言ってきました。それは数年前のことで、当時国際社会の情熱はそこまで高くなかったが、それでも暗い雲が集まり始めたと言えます。世界の構造が破壊されて、リスクと危険が増大し現実の衰弱性が突出している今、政治の基礎として合理的な保守主義の重要性が急激に上がっています。このような保守的なアプローチは、無知な伝統主義ではなくゲームの変更や規制を恐れて自分の殻に隠れる後退ではありません。

これは主に長年の伝統、自分と他人の実際の評価、物事の優先順位に対する正確な調整などによる過激主義を根本的に拒絶するための方法です。率直に言って、これから来る、長い時間がかかる可能性があるグローバルの再建の最終的なデザインはまだ不確実です。私の答えは、温和的な保守主義はもっとも合理的な路線です。同じく我々ロシア人にとって、これは単純な仮説ではなく、我々が悲惨な歴史から学んだ貴重な教訓です。しっかりと検討されていない社会実験のコストはとてつもなく高いです。このようなことは人間が生きていくための物質的な基盤を破壊するだけではなく、人間の存在を支える精神的基盤も破壊してしまう。長い期間、それに置き換えられるものは構築されません。」



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