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国際協力で感じたこと「期待せずに諦めない」

日本の国際協力は、モノやお金を与えるのではなく、作り方や稼ぎ方など人の育成に力を入れていると言われています。確かに箱ものも過去には多くありましたが、人材育成に力を入れていることは確かです。特に医療、教育、農林水産業の分野です。元UNHCRの事務局長だった緒方貞子さんがJICA総裁に就任されてから顕著に変わったと思われます。

国際協力では協力する側の心持が重要なポイントになります。それは人が関わるとどうしても思い入れが強く、過剰になる傾向があります。時に現地人にとって背負いきれない重圧に感じてくることもあるようです。過剰な期待が現地の人にとって耐えられなくなることもあります。それとは反対に物資の援助目的の場合や汚職を知ってしまうことも多々あります。

よく言われるように「魚を与えるのではなく、漁のやり方を教える」を協力する側は念頭に活動をしています。一方、協力を受ける側は一気に発展する魔法をいつ使ってくれるのか?を期待しています。魔法なんて無い、地道に学んでいくしかないと気付いてやる人もいれば、そんなの無理と諦めてしまう人もいます。特に新興国では、ワーカークラスの人々はよく働きますが、大卒のエンジニアや学士の学歴を持つ人の生産性は低いと感じます。彼らは実務をするのはワーカーであることから、自身が中心となって主体的に取り組むことは難しいです。それなりにプライドがあって自分のやる表向き面子が保てるようなことしかしません。

また、しかるべき地位に就いた人は、ほぼ間違いなくその地位の権限を利用した私利私欲の公私混同した公金の不正流用を額の大小に関係なくやってしまいます。そしてその協力者(特に部下)と一派を作っていきます。そのような職場にそれなりの正義感をもって入ると、大きな軋轢を生んであることないことスキャンダルを噂されます。残念ながらこれが現実と失望の連続を協力する側は味わうのです。

その時に頭を切り替えて、任期をつつがなく波風立てずに終えることを選ぶ人、反対に徹底的に不正をただそうとして本来の職務を忘れてしまっているような活動をする人、職場へは最低限の関わりで私生活の充実とストレス解消のため旅行ばかりする人、色々でてきます。何が良いのはそれはその時に判断するのは難しいと思いますが、言えることは現地人が認める実力があることがポイントです。確かに言葉が不自由なく使えてコミュニケーションができるに越したことはありませんが、仕事ができなければ話になりません。増してや肩書だけで現地人を抑え込もうとすると面従腹背が常になってしまいます。

色々な思いの中で自分なりに出した結論は、「期待せずに諦めない」この姿勢で国際協力をやることが自身の精神を健全に保て、現地の人に負担を負わせずに継続して支援ができる心持ではないかと思います。

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